『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
57話 皆殺し。
57話 皆殺し。
(実に……実にお見事でございました)
いと高き御方を想いながら、甘い溜息をもらすミシャ。
一挙手一投足が『真理』だった。
どこまでも、際限なく、遠く、高き存在。
すべてが、ミシャをトクンと揺らす。
かの御方こそが、ミシャのすべて。
――そんな、トリップ状態のミシャを横目に、
隣のケイレーンが、
(全員グルで、われわれはレイモンドの演舞を見せられた、といったところか……実に効果的だ。圧倒された……)
奥歯をかみしめながら、
(レイモンドの力はよく分かった……とてつもなく大きい。これほどの組織が今まで隠れていたとは信じられない……)
モンジンの攻撃で、ジャミもバロールもダメージを受けていないことは誰の目にも明らかだった。
つまり、あれは闘いではなく演舞。
(あくまでも演舞……しかし、あれほどの演舞ができるという事実には辟易させられる。むろん、手間と時間をかければ、ピースメイカーでも再現不可能ではないが、あれほどの芸術を実現できるかといえば……懐疑的にならざるをえない)
結局のところ、ケイレーンでは、モンジンの『遠さ』を理解しきれなかった。
動きを見て、『かなり鋭い』と思うまでしか出来なかった。
だから、最終的には『演舞』としか思えなかったのだ。
訓練された『演劇』。
演出された『凄さ』。
互いが最も映えるように構成された戦闘という『芸術』。
無理に例えれば、『とんでもない3D技術が使われた映画』を見させられたという感覚。
圧倒はされたが、『そのままの事実』だとは認識できない。
『凄いものを見た』という感覚はあっても、そこに『実』は感じなかった。
本質を感じられるほど、彼らの『目(サードアイの練度どうこうではなく、もろもろ含めた意味で)』は成熟していない。
モンジンは、彼らの目の前で海を割ったわけでも、山を切ったワケでもない。
ただ、武人としての、武道家としての、遠すぎる『最極致』を見せただけ。
それも、『攻撃力をゼロ』にするという処置をほどこした上で。
ならば、教養がなければ、本質は理解しきれない。
前提となる深い知識がなければ、ゲルニカを見ても、『変なでかい画』としか思えないのと同じ。
――それだけの話。
だから、結局、ケイレーンは、
(見事な威嚇だった……)
そうしめくくった。
そうしめくくるしかなかったのだ。
と、その時、
「……ケイレーン様」
今回連れてきた部下の筆頭、フーマーの最高位実行部隊ピースメイカー所属の『セレーナ』から、
「なっ……っっ」
寝耳に水の報告を受ける。
「……ま、間違いないのか?」
「……はい」
セレーナから受けた報告の内容は、
――『本戦に進むはずだった、数十名の参加者が皆殺しにされた』
というものだった。
控室には惨殺された死体が残っているばかりで、目撃者とうは一人もいない。
何よりケイレーンの顔を青くさせたのは、『目をそむけたくなるような凄惨な死体ばかりで、酷い拷問を受けた跡があった』という報告。
セレーナは、最後に、
「わずかに息のある者が一人だけ残っておりまして、彼は、今わの際に、こう言い残しました」
――『ゼノ……リカ』――
「ゼノ……リカ……? それはいったい?」
「わかりません。その一言を最後に、彼は息を引き取ってしまったので」
「……」
他の参加者たちも、みな、『それぞれの配下(本戦に進めなかった者)』から、事件の詳細を聞いて、顔を青くしていた。
『目撃者はなし』
『気付けば、皆殺しにされていた』
そんな意味のない報告ばかり。
混乱しているVIPルーム。
――喧騒の中、ただ一人、どっしりとしているミシャが、
「参加者が全員死んでしまったのなら、大会はこれで御開きね。まあ、こちらの部下は予選で落ちてしまったから、私には関係がない話だけれど」
(実に……実にお見事でございました)
いと高き御方を想いながら、甘い溜息をもらすミシャ。
一挙手一投足が『真理』だった。
どこまでも、際限なく、遠く、高き存在。
すべてが、ミシャをトクンと揺らす。
かの御方こそが、ミシャのすべて。
――そんな、トリップ状態のミシャを横目に、
隣のケイレーンが、
(全員グルで、われわれはレイモンドの演舞を見せられた、といったところか……実に効果的だ。圧倒された……)
奥歯をかみしめながら、
(レイモンドの力はよく分かった……とてつもなく大きい。これほどの組織が今まで隠れていたとは信じられない……)
モンジンの攻撃で、ジャミもバロールもダメージを受けていないことは誰の目にも明らかだった。
つまり、あれは闘いではなく演舞。
(あくまでも演舞……しかし、あれほどの演舞ができるという事実には辟易させられる。むろん、手間と時間をかければ、ピースメイカーでも再現不可能ではないが、あれほどの芸術を実現できるかといえば……懐疑的にならざるをえない)
結局のところ、ケイレーンでは、モンジンの『遠さ』を理解しきれなかった。
動きを見て、『かなり鋭い』と思うまでしか出来なかった。
だから、最終的には『演舞』としか思えなかったのだ。
訓練された『演劇』。
演出された『凄さ』。
互いが最も映えるように構成された戦闘という『芸術』。
無理に例えれば、『とんでもない3D技術が使われた映画』を見させられたという感覚。
圧倒はされたが、『そのままの事実』だとは認識できない。
『凄いものを見た』という感覚はあっても、そこに『実』は感じなかった。
本質を感じられるほど、彼らの『目(サードアイの練度どうこうではなく、もろもろ含めた意味で)』は成熟していない。
モンジンは、彼らの目の前で海を割ったわけでも、山を切ったワケでもない。
ただ、武人としての、武道家としての、遠すぎる『最極致』を見せただけ。
それも、『攻撃力をゼロ』にするという処置をほどこした上で。
ならば、教養がなければ、本質は理解しきれない。
前提となる深い知識がなければ、ゲルニカを見ても、『変なでかい画』としか思えないのと同じ。
――それだけの話。
だから、結局、ケイレーンは、
(見事な威嚇だった……)
そうしめくくった。
そうしめくくるしかなかったのだ。
と、その時、
「……ケイレーン様」
今回連れてきた部下の筆頭、フーマーの最高位実行部隊ピースメイカー所属の『セレーナ』から、
「なっ……っっ」
寝耳に水の報告を受ける。
「……ま、間違いないのか?」
「……はい」
セレーナから受けた報告の内容は、
――『本戦に進むはずだった、数十名の参加者が皆殺しにされた』
というものだった。
控室には惨殺された死体が残っているばかりで、目撃者とうは一人もいない。
何よりケイレーンの顔を青くさせたのは、『目をそむけたくなるような凄惨な死体ばかりで、酷い拷問を受けた跡があった』という報告。
セレーナは、最後に、
「わずかに息のある者が一人だけ残っておりまして、彼は、今わの際に、こう言い残しました」
――『ゼノ……リカ』――
「ゼノ……リカ……? それはいったい?」
「わかりません。その一言を最後に、彼は息を引き取ってしまったので」
「……」
他の参加者たちも、みな、『それぞれの配下(本戦に進めなかった者)』から、事件の詳細を聞いて、顔を青くしていた。
『目撃者はなし』
『気付けば、皆殺しにされていた』
そんな意味のない報告ばかり。
混乱しているVIPルーム。
――喧騒の中、ただ一人、どっしりとしているミシャが、
「参加者が全員死んでしまったのなら、大会はこれで御開きね。まあ、こちらの部下は予選で落ちてしまったから、私には関係がない話だけれど」
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