『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
38話 断罪
38話 断罪
「徹底して戦争反対をうたっていた割には、意外と局面が冷静に見えていますね。さすがは、我が軍の最高戦力にして総司令官。感心、感心。よっ、大統領。……あ、大統領じゃなくて王様だったっけ」
「ラムド! 今からでも、各国家に謝罪をしよう! 誠心誠意、心をこめて頭を下げ、そして、もう一度話しあいを――」
「は? しゃ、謝罪? 話しあい?」
ここまでは、余裕の表情で聞いていたラムドだが、
その極まったバカ発言には、さすがに耐えきれなくなって、
「は、はははははっ…………」
つい、力なく笑ってから、
「はぁぁ……この期に及んで謝罪に話しあいって……マジで言ってのかよ……本当に、バカだな、この幼女魔王は……」
「いくらバカにされようと結構! さきほど貴様は、これまで、『己の意思でバカ扱いされていた』と言ったが、それはワシもそうだ! 病的に平和を愛するバカ女! それでいい! それで平和が保てるのなら! いくらでもピエロを演じよう!」
「陛下、勘違い召されるな。俺は『陛下の思想そのもの』ではなく、『ピエロを演じていれば平和になる』と信じている『その極まった愚かさ』を揶揄したのですよ」
「アホウのように戦火をふりまくよりも、道化を演じるほうが、まだ平和に近づけよう!」
「もしソレを本気で言っているなら、テメェは完全に王失格だ」
そこで、ラムドは、語気を強めて、
「我が王リーン・サクリファイス・ゾーン、よく聞け」
視線をグっと強めて、
「平和をナメるな」
「……っ!」
ラムドの視線は強かった。
本当に強い視線だったんだ。
だから、リーンは息をのむしかなかった。
「なあなあの『ことなかれ主義』で成立する平和などない。それはただ、問題を先送りにするだけの、むしろ状況を悪化させる『酷く卑劣な怠慢』だ」
「……」
「いい加減、理解しろ。もし、あの場が、あのまま終わっていたら……『勇者殺害の汚名だけをかぶせられたまま話し合いが終わって』いたら、俺の研究結果は、各国に奪われていた。分かっているのか、リーン・サクリファイス・ゾーン。お前は、俺を守れなかったんだ。俺を非難するよりも先に、あの場で何もしなかった事を俺に謝罪しろ。お前が俺の王だというのなら、それこそが俺に対する唯一の仕事だろう」
「……」
「ことなかれ主義に甘んじた結果、ついには自国最大の財産をも奪われかけた……それを必死になって止めた俺を非難して、自分の愚かさは棚上げか? それが王のやることか、リーン・サクリファイス・ゾーン。『国のために尽くしてきたこの俺』すらも守り切れなかった弱き王よ」
「……」
「俺が、この国のために、どれだけの事をしてきた? お前もサリエリも、もっといえば、この国全体が、俺の事を、まるで、どこぞの青ダヌキのように、便利な道具扱いして利用していたが、それについてはどう考えている」
リーンとサリエリの頭に、一瞬、
((青ダヌキ?))
という疑問符が浮かんだが、この場面ではまったく大事なことではなかったし、ラムドの言葉は続いていたので、とうぜんスルーした。
「俺がいたから、魔王国はどうにか国の体裁をとれた。帝国にも勝てた。違うか? その俺が命をかけて築き上げてきた研究成果が目の前で奪われそうになっていた時、お前は何をしていた? 黙って、泣きそうな顔をして、うつむいていただけ。俺は、あの時、黙ってみていればよかったのか? ただむざむざと奪われていればよかったのか? ふざけるなぁ!」
「それは、己の無力を詫びるしかないが……しかし……あの場では……」
「己の無力? 違う。無力だからあんな事になった訳じゃない。力ならある。どの国よりも豊かで巨大な領土、充分に抗える強大な軍事力。序列五位という正式な地位。ゆえの発言権。いくらでも、なんでもできる。だが、やらなかった。お前は、ただ、怠慢を貫いた。それだけだ」
「徹底して戦争反対をうたっていた割には、意外と局面が冷静に見えていますね。さすがは、我が軍の最高戦力にして総司令官。感心、感心。よっ、大統領。……あ、大統領じゃなくて王様だったっけ」
「ラムド! 今からでも、各国家に謝罪をしよう! 誠心誠意、心をこめて頭を下げ、そして、もう一度話しあいを――」
「は? しゃ、謝罪? 話しあい?」
ここまでは、余裕の表情で聞いていたラムドだが、
その極まったバカ発言には、さすがに耐えきれなくなって、
「は、はははははっ…………」
つい、力なく笑ってから、
「はぁぁ……この期に及んで謝罪に話しあいって……マジで言ってのかよ……本当に、バカだな、この幼女魔王は……」
「いくらバカにされようと結構! さきほど貴様は、これまで、『己の意思でバカ扱いされていた』と言ったが、それはワシもそうだ! 病的に平和を愛するバカ女! それでいい! それで平和が保てるのなら! いくらでもピエロを演じよう!」
「陛下、勘違い召されるな。俺は『陛下の思想そのもの』ではなく、『ピエロを演じていれば平和になる』と信じている『その極まった愚かさ』を揶揄したのですよ」
「アホウのように戦火をふりまくよりも、道化を演じるほうが、まだ平和に近づけよう!」
「もしソレを本気で言っているなら、テメェは完全に王失格だ」
そこで、ラムドは、語気を強めて、
「我が王リーン・サクリファイス・ゾーン、よく聞け」
視線をグっと強めて、
「平和をナメるな」
「……っ!」
ラムドの視線は強かった。
本当に強い視線だったんだ。
だから、リーンは息をのむしかなかった。
「なあなあの『ことなかれ主義』で成立する平和などない。それはただ、問題を先送りにするだけの、むしろ状況を悪化させる『酷く卑劣な怠慢』だ」
「……」
「いい加減、理解しろ。もし、あの場が、あのまま終わっていたら……『勇者殺害の汚名だけをかぶせられたまま話し合いが終わって』いたら、俺の研究結果は、各国に奪われていた。分かっているのか、リーン・サクリファイス・ゾーン。お前は、俺を守れなかったんだ。俺を非難するよりも先に、あの場で何もしなかった事を俺に謝罪しろ。お前が俺の王だというのなら、それこそが俺に対する唯一の仕事だろう」
「……」
「ことなかれ主義に甘んじた結果、ついには自国最大の財産をも奪われかけた……それを必死になって止めた俺を非難して、自分の愚かさは棚上げか? それが王のやることか、リーン・サクリファイス・ゾーン。『国のために尽くしてきたこの俺』すらも守り切れなかった弱き王よ」
「……」
「俺が、この国のために、どれだけの事をしてきた? お前もサリエリも、もっといえば、この国全体が、俺の事を、まるで、どこぞの青ダヌキのように、便利な道具扱いして利用していたが、それについてはどう考えている」
リーンとサリエリの頭に、一瞬、
((青ダヌキ?))
という疑問符が浮かんだが、この場面ではまったく大事なことではなかったし、ラムドの言葉は続いていたので、とうぜんスルーした。
「俺がいたから、魔王国はどうにか国の体裁をとれた。帝国にも勝てた。違うか? その俺が命をかけて築き上げてきた研究成果が目の前で奪われそうになっていた時、お前は何をしていた? 黙って、泣きそうな顔をして、うつむいていただけ。俺は、あの時、黙ってみていればよかったのか? ただむざむざと奪われていればよかったのか? ふざけるなぁ!」
「それは、己の無力を詫びるしかないが……しかし……あの場では……」
「己の無力? 違う。無力だからあんな事になった訳じゃない。力ならある。どの国よりも豊かで巨大な領土、充分に抗える強大な軍事力。序列五位という正式な地位。ゆえの発言権。いくらでも、なんでもできる。だが、やらなかった。お前は、ただ、怠慢を貫いた。それだけだ」
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