『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
29話 天国への第一歩。
29話 天国への第一歩。
ケイレーンの態度を受けて、ラムドは、
(……やはり、フーマーは、最初から俺を使徒として迎え入れるつもりのようだ……そうでなければ、こんなトンデモ状況で、あれほど『無感情』を貫けるはずがない。あいつらの態度は、間違いなく、予定調和を眺めている『選定者』・『試験官』のソレ……)
少々論理性を欠いた結論ではあるものの、しかし、『前提』がしっかりとしていれば、辿り着いてもおかしくない帰結。
なぜ『フーマーがラムドを使徒として迎え入れるつもりである』という前提が『ゴート・ラムド・セノワールの中』に根付いているのか――その『最も懐疑的であらねばならない点』について疑念を抱くことはなく、ラムドは続ける。
(となれば、当初の予定通り、ここでは『俺の有能さ』を示すべき。『お前らの意図は全て理解している』と、こちらの鋭さをアピールしておいて、その流れで『こちらに異論はない。喜んで受け入れる』と示す。……これで、俺は天国に近づける。命題であるエレガ暗殺に一歩近づく)
チャンスの価値を理解して、キチンと有効活用せんと、
「あんたらは戦争をする気がないんだろ? なら俺も、あんたらにおかしなマネはしないさ」
カバノンに対する態度とはうってかわって、言葉を選びながら、丁寧かつ慎重に、
「俺だって、あんたらと同じで、身に降りかかる火の粉を払う時にしか武力を使うつもりはない。現状、こいつらアホどものせいで、ちょいとホットが過ぎるエクストームな姿を見せちまっているが、本来の俺は、愚かな争いを嫌い、高次の豊かさのみを求めている求道者。それは歴史が証明している。だろ?」
これまでは召喚バカを演じていた――とはいえ、『本質からして全く別モノだったと言う訳ではない』という意志表示。
――世界の半分を奪わせてもらう。
――だが、それは、バカな国家に邪魔されずに召喚道を極めるため。
ラムドは前提を整えていく。
すべては、天国に近づくため。
エレガを暗殺するため。
ゴート・ラムド・セノワールは『全て』を蝕む『毒』になる。
「俺も『我が王』も、諍いではなく、『本物の結論』を求めている」
そこで、ラムドは、一泊おいて、フーマーの使徒たちに真摯な視線を向け、
「俺は想う。我が魔王国の願いは、きっと、『大いなる主』が求めておられるものと同じ。そして、この痛みは、すべて試練であり、流血をもってでも、自力で乗り越えなければならないものだと」
ピクっと、使徒たちに、あからさまな反応が見られた。
表情こそ変わっていないが、コーレンの『息をのむ音』が確かに聞こえた。
みんなの嫌われ者コーレンは、決して愚者ではないのだが、まだ若いせい(とはいえ50をこえているが)か、腹芸がイマイチうまくない。
ラムドは、ニコリと微笑んで、
「そう、つまり、フーマーと俺たちは『同じ』――すなわち、思想を共有する者、まさしく同士だ。というわけで、フーマーとは、これからも仲良くしていきたい。どうかな、同士ケイレーン」
そんなラムドに対し、第二使徒ケイレーンは、
「異論などあろうはずもなく。どうやら、我々と君が争う未来はありえないようだ。非常に喜ばしいよ、同士ラムド・セノワール」
ケイレーンの言葉を受けて、それまで静観していた第9使徒のミハルドが、
(ラムド・セノワール……思ったよりも遥かに頭が回るようだ。どうやら、勇者の襲撃が神の試練であると見抜いたらしい。『こちらの意図を理解している』という明確極まりない露骨なアピール。ふふ。どうやら、使者を選ぶ必要はなくなったらしい。今後、魔王国には、情報部から連絡係を一人出しておけば、それで充分ことたりる)
心の中でボソっとそうつぶやいた。
世界に毒が浸透していく。
ゴート・ラムド・セノワールの道を阻む者はいない。
ケイレーンの態度を受けて、ラムドは、
(……やはり、フーマーは、最初から俺を使徒として迎え入れるつもりのようだ……そうでなければ、こんなトンデモ状況で、あれほど『無感情』を貫けるはずがない。あいつらの態度は、間違いなく、予定調和を眺めている『選定者』・『試験官』のソレ……)
少々論理性を欠いた結論ではあるものの、しかし、『前提』がしっかりとしていれば、辿り着いてもおかしくない帰結。
なぜ『フーマーがラムドを使徒として迎え入れるつもりである』という前提が『ゴート・ラムド・セノワールの中』に根付いているのか――その『最も懐疑的であらねばならない点』について疑念を抱くことはなく、ラムドは続ける。
(となれば、当初の予定通り、ここでは『俺の有能さ』を示すべき。『お前らの意図は全て理解している』と、こちらの鋭さをアピールしておいて、その流れで『こちらに異論はない。喜んで受け入れる』と示す。……これで、俺は天国に近づける。命題であるエレガ暗殺に一歩近づく)
チャンスの価値を理解して、キチンと有効活用せんと、
「あんたらは戦争をする気がないんだろ? なら俺も、あんたらにおかしなマネはしないさ」
カバノンに対する態度とはうってかわって、言葉を選びながら、丁寧かつ慎重に、
「俺だって、あんたらと同じで、身に降りかかる火の粉を払う時にしか武力を使うつもりはない。現状、こいつらアホどものせいで、ちょいとホットが過ぎるエクストームな姿を見せちまっているが、本来の俺は、愚かな争いを嫌い、高次の豊かさのみを求めている求道者。それは歴史が証明している。だろ?」
これまでは召喚バカを演じていた――とはいえ、『本質からして全く別モノだったと言う訳ではない』という意志表示。
――世界の半分を奪わせてもらう。
――だが、それは、バカな国家に邪魔されずに召喚道を極めるため。
ラムドは前提を整えていく。
すべては、天国に近づくため。
エレガを暗殺するため。
ゴート・ラムド・セノワールは『全て』を蝕む『毒』になる。
「俺も『我が王』も、諍いではなく、『本物の結論』を求めている」
そこで、ラムドは、一泊おいて、フーマーの使徒たちに真摯な視線を向け、
「俺は想う。我が魔王国の願いは、きっと、『大いなる主』が求めておられるものと同じ。そして、この痛みは、すべて試練であり、流血をもってでも、自力で乗り越えなければならないものだと」
ピクっと、使徒たちに、あからさまな反応が見られた。
表情こそ変わっていないが、コーレンの『息をのむ音』が確かに聞こえた。
みんなの嫌われ者コーレンは、決して愚者ではないのだが、まだ若いせい(とはいえ50をこえているが)か、腹芸がイマイチうまくない。
ラムドは、ニコリと微笑んで、
「そう、つまり、フーマーと俺たちは『同じ』――すなわち、思想を共有する者、まさしく同士だ。というわけで、フーマーとは、これからも仲良くしていきたい。どうかな、同士ケイレーン」
そんなラムドに対し、第二使徒ケイレーンは、
「異論などあろうはずもなく。どうやら、我々と君が争う未来はありえないようだ。非常に喜ばしいよ、同士ラムド・セノワール」
ケイレーンの言葉を受けて、それまで静観していた第9使徒のミハルドが、
(ラムド・セノワール……思ったよりも遥かに頭が回るようだ。どうやら、勇者の襲撃が神の試練であると見抜いたらしい。『こちらの意図を理解している』という明確極まりない露骨なアピール。ふふ。どうやら、使者を選ぶ必要はなくなったらしい。今後、魔王国には、情報部から連絡係を一人出しておけば、それで充分ことたりる)
心の中でボソっとそうつぶやいた。
世界に毒が浸透していく。
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