『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
21話 イフリート
21話 イフリート
UV1も、当然、『精霊種に対する攻撃手段』を持ち合わせている……
――が、
現状だと、『闘えなくもない』というレベルの兵装でしかなく(とうぜん、亜空間倉庫にしまっているもの全部ふくめて)、
『特別有効な手』を有しているという訳ではない。
「せ、精霊種なんて……ダンジョンでは滅多に沸かないのに……なんで、こんな……ぅ……ど、どうなっているのよ……」
「ぁ、あの……UV1様、あれ……やっぱ、イフリートなんすか……うーわ……」
ラムド・セノワールも、38歳のセンエースも、実際にイフリートを見た事はない。
だが、イフリートという精霊自体は第一アルファだとかなり有名なので、ゴートも当然知っていた。
「な、なんか、伝説通りというか、ゲーム通りというか……とにかく、あいつ、めっちゃヤバそうなんですけど……か、勝てます?」
「ネオとの闘いで随分と消耗してしまった……そうでなくとも、現状、高位精霊種をどうにかできる手段は持ち合わせていない……準備を整えて、チームを組まないと、最高位精霊種の討伐はできない……こ、こんな状態でイフリートは……ムリ」
決して諦めている訳ではない――が、現実、無理。
現状の手札でイフリートを相手にするのは、
ある種、ネオ二匹を相手にするよりタチが悪い。
これは、もはや、気合いや根性でどうにかなるステージじゃない。
今の装備でイフリートの討伐は不可能。
単純な算数。
現状だと、精霊種に対するダメージソースがなさすぎるのだ。
極端に言えば、『UV1がイフリートに1のダメージを与えている間』に、UV1とゴートは10のダメージを受けてしまう。
『2(UV1・ゴート)』VS『1(イフリート)』と、
数的には有利だが、そういう問題ではない。
(……ない……勝てない……ダメ……むり……何をどうやっても……今の私ではイフリートを倒すことはできない……)
UV1のメイン武器である銃による攻撃は、ほぼ無効。
魔法も、現在、UV1が使える種類だと、イフリートには通らないものが多い。
だというのに、精霊種は、大概、HPが高い。
そして、イフリートは、精霊種の中でも、生命力が高いタイプ。
今のUV1に、イフリートを削り切る手段はない。
絶望している二人に対し、イフリートは、たんたんと言う。
「……ネオヘルズ覇鬼を殺せるほどの侵入者。どうやら、気合いを入れて、排除せねばならないようだ……さあ、侵入者よ、殺し合おう」
UV1は、
「絶対に勝ち目はなし……でも、相手は、やる気まんまん……おまけに、逃げ道はなし……なんなのよ、これ……今日は、どうなってんの……ずっと……くぅ……」
ぼそぼそと、己の不運をつぶやく。
「く、くそがぁ……」
深く重い絶望の中で、
「ああ、もぉおお! くそぉおお!」
一度、天を仰ぎ、叫んでから、イフリートに突撃した。
「あああああああああ!!」
実際、もうヤケになっていた部分はある。
ネオと闘っていた時は、まだ、ギリギリ『ここから出るための体力温存』などを考えていられたが、今となっては、余計な事を考えられる余裕はわずかもない。
ただ、まっすぐに飛びかかり、がむしゃらに、イフリートを殺そうとする。
短刀にオーラを注ぎこむ。
限りなく無属性に近づけて、イフリートの魂魄そのものを削る。
基本的な精霊の対処法。
しかし、対精霊専用の道具ではないし、そもそも得意な技術でもない。
ゆえに、凶悪性能を誇るエレメントオーラに余裕で阻まれる。
UV1が、どうにか貫通しようともがいているが、ムダムダムダ。
何をしようと、ダメージはほとんど通らない。
「くそ……くそ……くそぉおおおおお!!」
無駄だと理解していながら、それでも必死にあがく。
諦めない。
絶対に諦めてやらない。
どれだけ苦しくても、
絶対に逃げるな、と、
魂が叫んでいるんだ。
――けれど、無意味。
UV1じゃあ、ヒーローにはなれない。
理想は現実になれない。
大したダメージを受けていないイフリートと、
目に見えて削られていくUV1。
それだけが、目の前にある現実だった。
UV1も、当然、『精霊種に対する攻撃手段』を持ち合わせている……
――が、
現状だと、『闘えなくもない』というレベルの兵装でしかなく(とうぜん、亜空間倉庫にしまっているもの全部ふくめて)、
『特別有効な手』を有しているという訳ではない。
「せ、精霊種なんて……ダンジョンでは滅多に沸かないのに……なんで、こんな……ぅ……ど、どうなっているのよ……」
「ぁ、あの……UV1様、あれ……やっぱ、イフリートなんすか……うーわ……」
ラムド・セノワールも、38歳のセンエースも、実際にイフリートを見た事はない。
だが、イフリートという精霊自体は第一アルファだとかなり有名なので、ゴートも当然知っていた。
「な、なんか、伝説通りというか、ゲーム通りというか……とにかく、あいつ、めっちゃヤバそうなんですけど……か、勝てます?」
「ネオとの闘いで随分と消耗してしまった……そうでなくとも、現状、高位精霊種をどうにかできる手段は持ち合わせていない……準備を整えて、チームを組まないと、最高位精霊種の討伐はできない……こ、こんな状態でイフリートは……ムリ」
決して諦めている訳ではない――が、現実、無理。
現状の手札でイフリートを相手にするのは、
ある種、ネオ二匹を相手にするよりタチが悪い。
これは、もはや、気合いや根性でどうにかなるステージじゃない。
今の装備でイフリートの討伐は不可能。
単純な算数。
現状だと、精霊種に対するダメージソースがなさすぎるのだ。
極端に言えば、『UV1がイフリートに1のダメージを与えている間』に、UV1とゴートは10のダメージを受けてしまう。
『2(UV1・ゴート)』VS『1(イフリート)』と、
数的には有利だが、そういう問題ではない。
(……ない……勝てない……ダメ……むり……何をどうやっても……今の私ではイフリートを倒すことはできない……)
UV1のメイン武器である銃による攻撃は、ほぼ無効。
魔法も、現在、UV1が使える種類だと、イフリートには通らないものが多い。
だというのに、精霊種は、大概、HPが高い。
そして、イフリートは、精霊種の中でも、生命力が高いタイプ。
今のUV1に、イフリートを削り切る手段はない。
絶望している二人に対し、イフリートは、たんたんと言う。
「……ネオヘルズ覇鬼を殺せるほどの侵入者。どうやら、気合いを入れて、排除せねばならないようだ……さあ、侵入者よ、殺し合おう」
UV1は、
「絶対に勝ち目はなし……でも、相手は、やる気まんまん……おまけに、逃げ道はなし……なんなのよ、これ……今日は、どうなってんの……ずっと……くぅ……」
ぼそぼそと、己の不運をつぶやく。
「く、くそがぁ……」
深く重い絶望の中で、
「ああ、もぉおお! くそぉおお!」
一度、天を仰ぎ、叫んでから、イフリートに突撃した。
「あああああああああ!!」
実際、もうヤケになっていた部分はある。
ネオと闘っていた時は、まだ、ギリギリ『ここから出るための体力温存』などを考えていられたが、今となっては、余計な事を考えられる余裕はわずかもない。
ただ、まっすぐに飛びかかり、がむしゃらに、イフリートを殺そうとする。
短刀にオーラを注ぎこむ。
限りなく無属性に近づけて、イフリートの魂魄そのものを削る。
基本的な精霊の対処法。
しかし、対精霊専用の道具ではないし、そもそも得意な技術でもない。
ゆえに、凶悪性能を誇るエレメントオーラに余裕で阻まれる。
UV1が、どうにか貫通しようともがいているが、ムダムダムダ。
何をしようと、ダメージはほとんど通らない。
「くそ……くそ……くそぉおおおおお!!」
無駄だと理解していながら、それでも必死にあがく。
諦めない。
絶対に諦めてやらない。
どれだけ苦しくても、
絶対に逃げるな、と、
魂が叫んでいるんだ。
――けれど、無意味。
UV1じゃあ、ヒーローにはなれない。
理想は現実になれない。
大したダメージを受けていないイフリートと、
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