『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
20話 神を欺く罪
20話
(まさか、ラムドに、これほど大きな裁量権が与えられる事になるとは……)
そこで、UV1は、冷や汗を流しながら、
(この男は……ラムドそのものではないというのに……)
だが、言う機会を逃してしまった。
一度、チャンスを失うと、なかなか言い出せないもの。
それに、何と言えばいいのか分からない。
そもそも、UV1は、ゴートという存在について、いまいち理解できていない。
UV1は、召喚に詳しくない。
だから、何が起きたのか、実際のところ、分かっていないのだ。
どうやら、ラムドの意思も残ってはいるらしい。
ただの別人ではない。
そこが厄介なのだ。
ゆえに、
「それでは、私は行く」
「あ、あの猊下」
「ん? どうした、UV1」
「あの、実はですね……ラムドの事なのですが、」
「ラムドがどうした?」
「実は、あの者は、ラムドが召喚した者と、ラムドが重なったものでして」
「? ……よくわからないのだが?」
バロールは、戦士タイプ。
召喚に関する知識はUV1と変わらない。
ゆえに、そもそも『自身がイマイチ理解しきれていないUV1の説明』を理解する事など出来るはずがなく――
「その、私もよくは理解していないのですが、実際、やつは、ラムドそのものではないと言いますか」
そこで、バロールは、ラムドに視線を向けて、
「どういう意味だ?」
聞かれて、ゴートは、高速で計算した。
求める、最良の答え。
完全解には届かずとも、切り抜けるくらいはできる。
無駄な間は置かず、最速で辿り着いた最良を並べようと、
冷静に、たんたんと、
「さきほど、少々、召喚に失敗しましてね」
極限まで嘘を削り取る。
その上で、どこまで『隠すか』を計算しつつ、
「私の魂魄が半分ほど吹っ飛んでしまいまして」
「……なに?!」
「ご安心を。どうにか、記憶とコアオーラは、こうして現世にとどめました」
嘘はつかない。
しかし、不利益を産みうる情報を漏らしはしない。
ここは重要なポイント。
しょっぱなは、『ゴート自身が現状の理解を得るため』、UV1に、『つい情報を開示してしまった』。
(今にしてみれば、あれは完全に失態。人格もろもろ含めて、完全なラムドのふりをすべきだった……まあ、今言っても仕方がないが)
あの時のままならそれほど問題ではなかったが、状況が変化した現在、上に、今のゴートが『ラムドではない』と判断されるのはまずい。
ゼノリカの権限は、ラムド・セノワールに与えられた。
ゴート・ラムド・セノワールに与えられた訳ではない。
これは枷だが、しかし、体のいい隠れ蓑にもなりうる。
別人ではダメ。
しかし、今更ラムドの演技はできない。
記憶があるので、ラムドの人格をまねる事はできる。
しかし、それをすると、UV1が怪しむ。
権限を与えられた瞬間、ラムドのフリをしだした怪しいヤツになってしまう。
UV1は、神に最も近い候補者。
彼女から怪しまれるのは悪手。
すなわち、現在のゴートは、UV1とバロールの両方に、ちょうどいい言い訳をしなければいけない。
このミッション。
ガキだったころのセンエースには不可能。
だが、今のセンエースにならできる。
『ゴート』――『38歳のセンエース』は思う。
だてに地獄(第一アルファでの社会人としての人生経験)は見てねぇぜ。
「さきほど、UV1様がおっしゃったように、召喚した者の器を利用しましてね。その結果として進化しまして」
「器を利用し、進化……?」
「憑依が、最も理解しやすい概念かもしれませんね。融合と呼べるほどの変化は感じておりません。存在値の減少、肉体の変化……それに伴う精神的な若返り……他にも、いくつか多少の変化は見られますが、全て説明した方がよろしいですか?」
「多少の変化に興味はない」
バロールは、1~2秒だけ、何かを考えたようだが、
「……よく分からないが、お前はラムドなのだろう?」
そう言った。
バロールはバカではないが賢くはない。
それに、疑ってかかる場面ではないという判断が、頭の回転を鈍らせた。
バロールからすれば、ラムドなど、所詮は、存在値100以下のゴミでしかない。
『必要な道具』なので、監督者として、動向に注意を払う必要があるが、存在に対して警戒する必要はない。
「記憶とコアはそのままですので、そうだと言って差し支えはないかと。少々異物も混ざっておりますが、ご覧の通り、能力にさほど変化はございません。多少レベルが下がりましたが、召喚に関する知識に変化はございません」
「もとの記憶があり、コアが同じで、能力もさほど変化なし……肉体と精神年齢が多少変化したぐらいならば、お前は間違いなくラムドだろう」
「私はそう思っておりますが、UV1様は、少し引っかかっておられるようですね。何に引っかかっておられるのか知りませんが」
「……UV1、私は忙しいのだが、まだ何か言いたい事はあるか?」
(まさか、ラムドに、これほど大きな裁量権が与えられる事になるとは……)
そこで、UV1は、冷や汗を流しながら、
(この男は……ラムドそのものではないというのに……)
だが、言う機会を逃してしまった。
一度、チャンスを失うと、なかなか言い出せないもの。
それに、何と言えばいいのか分からない。
そもそも、UV1は、ゴートという存在について、いまいち理解できていない。
UV1は、召喚に詳しくない。
だから、何が起きたのか、実際のところ、分かっていないのだ。
どうやら、ラムドの意思も残ってはいるらしい。
ただの別人ではない。
そこが厄介なのだ。
ゆえに、
「それでは、私は行く」
「あ、あの猊下」
「ん? どうした、UV1」
「あの、実はですね……ラムドの事なのですが、」
「ラムドがどうした?」
「実は、あの者は、ラムドが召喚した者と、ラムドが重なったものでして」
「? ……よくわからないのだが?」
バロールは、戦士タイプ。
召喚に関する知識はUV1と変わらない。
ゆえに、そもそも『自身がイマイチ理解しきれていないUV1の説明』を理解する事など出来るはずがなく――
「その、私もよくは理解していないのですが、実際、やつは、ラムドそのものではないと言いますか」
そこで、バロールは、ラムドに視線を向けて、
「どういう意味だ?」
聞かれて、ゴートは、高速で計算した。
求める、最良の答え。
完全解には届かずとも、切り抜けるくらいはできる。
無駄な間は置かず、最速で辿り着いた最良を並べようと、
冷静に、たんたんと、
「さきほど、少々、召喚に失敗しましてね」
極限まで嘘を削り取る。
その上で、どこまで『隠すか』を計算しつつ、
「私の魂魄が半分ほど吹っ飛んでしまいまして」
「……なに?!」
「ご安心を。どうにか、記憶とコアオーラは、こうして現世にとどめました」
嘘はつかない。
しかし、不利益を産みうる情報を漏らしはしない。
ここは重要なポイント。
しょっぱなは、『ゴート自身が現状の理解を得るため』、UV1に、『つい情報を開示してしまった』。
(今にしてみれば、あれは完全に失態。人格もろもろ含めて、完全なラムドのふりをすべきだった……まあ、今言っても仕方がないが)
あの時のままならそれほど問題ではなかったが、状況が変化した現在、上に、今のゴートが『ラムドではない』と判断されるのはまずい。
ゼノリカの権限は、ラムド・セノワールに与えられた。
ゴート・ラムド・セノワールに与えられた訳ではない。
これは枷だが、しかし、体のいい隠れ蓑にもなりうる。
別人ではダメ。
しかし、今更ラムドの演技はできない。
記憶があるので、ラムドの人格をまねる事はできる。
しかし、それをすると、UV1が怪しむ。
権限を与えられた瞬間、ラムドのフリをしだした怪しいヤツになってしまう。
UV1は、神に最も近い候補者。
彼女から怪しまれるのは悪手。
すなわち、現在のゴートは、UV1とバロールの両方に、ちょうどいい言い訳をしなければいけない。
このミッション。
ガキだったころのセンエースには不可能。
だが、今のセンエースにならできる。
『ゴート』――『38歳のセンエース』は思う。
だてに地獄(第一アルファでの社会人としての人生経験)は見てねぇぜ。
「さきほど、UV1様がおっしゃったように、召喚した者の器を利用しましてね。その結果として進化しまして」
「器を利用し、進化……?」
「憑依が、最も理解しやすい概念かもしれませんね。融合と呼べるほどの変化は感じておりません。存在値の減少、肉体の変化……それに伴う精神的な若返り……他にも、いくつか多少の変化は見られますが、全て説明した方がよろしいですか?」
「多少の変化に興味はない」
バロールは、1~2秒だけ、何かを考えたようだが、
「……よく分からないが、お前はラムドなのだろう?」
そう言った。
バロールはバカではないが賢くはない。
それに、疑ってかかる場面ではないという判断が、頭の回転を鈍らせた。
バロールからすれば、ラムドなど、所詮は、存在値100以下のゴミでしかない。
『必要な道具』なので、監督者として、動向に注意を払う必要があるが、存在に対して警戒する必要はない。
「記憶とコアはそのままですので、そうだと言って差し支えはないかと。少々異物も混ざっておりますが、ご覧の通り、能力にさほど変化はございません。多少レベルが下がりましたが、召喚に関する知識に変化はございません」
「もとの記憶があり、コアが同じで、能力もさほど変化なし……肉体と精神年齢が多少変化したぐらいならば、お前は間違いなくラムドだろう」
「私はそう思っておりますが、UV1様は、少し引っかかっておられるようですね。何に引っかかっておられるのか知りませんが」
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