『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
52話 トモダチ
52話
センはアダムに関して勘違いしている。
アダムは、センが強かったからシッポを振ったのではない。
アダムはエビルアメーバという、『最弱』の立場として生まれた。
生まれた当初は、周りにいる『全て』が己よりも強者だった。
センと出会う前から、ずっと、いつも見上げていた。
スライムやゴブリンですら格上だった。
上は果てしなかった。
どこまでも続く地獄の階段。
上位魔人に、超魔王に、龍の女神。
どいつもこいつも、当時のアダムからすれば神のように強かった。
いつだって、アダムは挑戦者だった。
どんな強敵を前にしても、アダムは決して臆さず、歯をむき出しにして、
時には、シューリに対してやったように『折れたふり』をして、内心では、
『いつか、必ず殺してやる』
と心にニトロをぶちこんで必死に抗ってきた。
アダムは、自分よりも『圧倒的に強い者』など見飽きている。
アダムにとって、強者は食い物。
乗り越えるべき壁であり、己をより美しく磨いてくれる道具。
それ以上でも、それ以下でもない。
だから、つまり、
アダムは、センの強さに平伏したのではなく、
至極単純な話で、センという男に一目ぼれしたのだ。
センエースという『真に尊い輝き』に惹かれて、だから当然のように堕ちた。
その『パーフェクトな強さ』よりも遥かに凶悪な高潔さと、魂を揺さぶられる本物の優しさ。
その神々しい気高さを、しかし、いつだってテレて隠そうとする不器用さ、ちょっと歪んでいるヒネた性格――その犯罪的な可愛さに、アダムは芯から惹かれた。
だが、センは、その事が理解できていない。
根本の所で誤解している。
この勘違いは、鈍感ゆえに起こるものではない。
ち、違うんだからねっ!
「……友達になってほしいと言われまちた」
「トモダチ? ……へー、そんなのに興味ないと思っていたけど、へー、意外、意外」
「……」
シューリは、ニタニタ顔のまま、じゃっかん、ピキっと青筋をたてていた。
(マジか、こいつ……)
心底イラっとしたが、
決して、
『あの女、邪魔だから、殺してよ! あたしには難しいけど、あんたならできるでしょ! あの女、友達どうこう言いながら、あたしを殺す機会をうかがうようなクズなのよ! 殺す方が正しいでしょ! そうじゃなくても、あんたのそばに、あんな女がいるなんて耐えられないわ! あんたはあたしだけ見ていればいいんだからっ、ぷんぷん』
など言えない。
死んでも言えない。
思ってはいる。
間違いなく、そう思ってはいる――が、
そんな、吐いたゲボで新たな海が出来そうなほどクッソダサい事を口にするくらいなら、マジで死んだ方がまし。
だが、そのプライドと同時に、
――『あたしがそう思っている』と『察してくれても』いいんじゃない?
――てか、察しないとかナイわー、ほんとこのバカ、イケてない童貞だわー。
などとガチで思う。
そういう面倒臭い女。
それが、シューリ・スピリット・アース。
「トモダチねぇ……まあ、今のあいつは、存在値だけなら、お前より上だからなぁ……総合的に見て、トントンと言えなくもない相手と捉えたのかねぇ……で、友情を求めたと……ない話でもないか」
センの洞察力は、一定の水準以上には達している。
決してバカではない。
前提をもとにして、ちゃんと論理的に考える。
だが、だからって、常に正解を引くわけではない。
「まあ、それはいいや。その辺は、あいつとお前の問題だ。俺がどうこういう領域じゃない」
センは、なんでもかんでも干渉するタイプではない。
むしろその逆で、『自分の出番だ』と確信できるタイミング以外では黙ってジっとしているタイプ。
『常に空気はキッチリと読めている』が、時折、『空気を読む事を全力で放棄して、極端な合理を叫びながら不条理を殴り殺す』という、なんだかよくわからないようで、実は単純な性格。
――いや、単純ではないかな……
センはアダムに関して勘違いしている。
アダムは、センが強かったからシッポを振ったのではない。
アダムはエビルアメーバという、『最弱』の立場として生まれた。
生まれた当初は、周りにいる『全て』が己よりも強者だった。
センと出会う前から、ずっと、いつも見上げていた。
スライムやゴブリンですら格上だった。
上は果てしなかった。
どこまでも続く地獄の階段。
上位魔人に、超魔王に、龍の女神。
どいつもこいつも、当時のアダムからすれば神のように強かった。
いつだって、アダムは挑戦者だった。
どんな強敵を前にしても、アダムは決して臆さず、歯をむき出しにして、
時には、シューリに対してやったように『折れたふり』をして、内心では、
『いつか、必ず殺してやる』
と心にニトロをぶちこんで必死に抗ってきた。
アダムは、自分よりも『圧倒的に強い者』など見飽きている。
アダムにとって、強者は食い物。
乗り越えるべき壁であり、己をより美しく磨いてくれる道具。
それ以上でも、それ以下でもない。
だから、つまり、
アダムは、センの強さに平伏したのではなく、
至極単純な話で、センという男に一目ぼれしたのだ。
センエースという『真に尊い輝き』に惹かれて、だから当然のように堕ちた。
その『パーフェクトな強さ』よりも遥かに凶悪な高潔さと、魂を揺さぶられる本物の優しさ。
その神々しい気高さを、しかし、いつだってテレて隠そうとする不器用さ、ちょっと歪んでいるヒネた性格――その犯罪的な可愛さに、アダムは芯から惹かれた。
だが、センは、その事が理解できていない。
根本の所で誤解している。
この勘違いは、鈍感ゆえに起こるものではない。
ち、違うんだからねっ!
「……友達になってほしいと言われまちた」
「トモダチ? ……へー、そんなのに興味ないと思っていたけど、へー、意外、意外」
「……」
シューリは、ニタニタ顔のまま、じゃっかん、ピキっと青筋をたてていた。
(マジか、こいつ……)
心底イラっとしたが、
決して、
『あの女、邪魔だから、殺してよ! あたしには難しいけど、あんたならできるでしょ! あの女、友達どうこう言いながら、あたしを殺す機会をうかがうようなクズなのよ! 殺す方が正しいでしょ! そうじゃなくても、あんたのそばに、あんな女がいるなんて耐えられないわ! あんたはあたしだけ見ていればいいんだからっ、ぷんぷん』
など言えない。
死んでも言えない。
思ってはいる。
間違いなく、そう思ってはいる――が、
そんな、吐いたゲボで新たな海が出来そうなほどクッソダサい事を口にするくらいなら、マジで死んだ方がまし。
だが、そのプライドと同時に、
――『あたしがそう思っている』と『察してくれても』いいんじゃない?
――てか、察しないとかナイわー、ほんとこのバカ、イケてない童貞だわー。
などとガチで思う。
そういう面倒臭い女。
それが、シューリ・スピリット・アース。
「トモダチねぇ……まあ、今のあいつは、存在値だけなら、お前より上だからなぁ……総合的に見て、トントンと言えなくもない相手と捉えたのかねぇ……で、友情を求めたと……ない話でもないか」
センの洞察力は、一定の水準以上には達している。
決してバカではない。
前提をもとにして、ちゃんと論理的に考える。
だが、だからって、常に正解を引くわけではない。
「まあ、それはいいや。その辺は、あいつとお前の問題だ。俺がどうこういう領域じゃない」
センは、なんでもかんでも干渉するタイプではない。
むしろその逆で、『自分の出番だ』と確信できるタイミング以外では黙ってジっとしているタイプ。
『常に空気はキッチリと読めている』が、時折、『空気を読む事を全力で放棄して、極端な合理を叫びながら不条理を殴り殺す』という、なんだかよくわからないようで、実は単純な性格。
――いや、単純ではないかな……
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