『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
6話 200年目~
6話
・200年目。
まだ瞑想は続けていた。
気付いた時、センは、『心の作用』について、理解しかけていた。
真理は、近づくほどに遠くなる。
形になりかけるほどに霧散していく。
あまりにも諸行無常。
だが、『核はありそうだ』と理解できた。
中心。
まだ見えない。
現象の最奥はまだ遠い。
未だ見ぬ世界は遠い。
だが、時間はまだまだある。
センの精神は、さらなる段階に至っていた。
・300年目
もっと奥へ。
もっと、もっと、奥へ。
もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと。
――長き瞑想の果てに、
真理は『ない』と理解できた。
心は、ここになかった。
魂は、ただの器でしかなかった。
そこに何が満たされているか。
少しだけ理解する。
くだらないカケラ。
それだけが全て。
0と1が並んでいるだけに見えて、その奥には、
それすら虚像に過ぎないという結果だけがあった。
無為が等間隔で並んでいて、
法を守るための法だけが、
まるで、ウロボロスのように、
互いのしっぽをかじりあっていたんだ。
ここがどこか。
誰もが、
何もかもが、
いつだって無様に、
『答えのない問い』だけを追い続けている。
・500年目。
『うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!』
『ちょっと待てぇえええ!』
『まだ、500年かぁああああい!!』
『ウソだろ?! 俺の頭、だいぶ遠いところまでいったぞぉおお!』
『なんか、悟った的な感じになったけど、まだ500年?!』
『もういいだろ! そこは、もう、【気付いた時には、200億年が経っていた……】ってなるパターンだろぉおおお! 空気を読めよ!! 流れを感じ取れよぉお!』
『あと、199億9999万9500年?!』
『アホかぁああああ!!』
『ふざけんじゃねぇええええ!!』
・1000年目。
センは、また瞑想に戻っていた。
悟った気になるのはもうやめた。
賢しらに、分かった気になったところで、何にもならないと理解した上で、
その上で、
センは、本当に悟ってみようと思った。
世界を、運命を、自分を、
真に理解しようと試みる。
すべては暇つぶしなり。
・2000年目。
センはついに瞑想を終えて、立ちあがった。
黙ったまま周囲を確認する。
見えている風景は変わらない。
しかし、確かに変わっている事があった。
『俺、なんでここにいるんだっけ……』
深い深い問い。
なぜここにいるのか。
真の意味で理解を求めた問い。
『ああ、シューリを助けるためか』
答えはアッサリと出た。
その事に、センは、驚いた。
本心だったのか、
と、素で思って、苦笑した。
『なんつーか、俺……あいつに対してマジなんだな……』
『あいつの何がそんなにいいんだ?』
『顔はいいけど、性格は最悪だぞ』
『ひねくれていて、口が悪くて、人を常に見下していて、現世の生き物をまるごと虫あつかい』
『あんな、性悪女、死んだ方が世界のためだろ』
『邪神を鎮めるための生贄として命を捧げさせた方が世の中のため』
『うん、間違いない』
『間違いない、が』
センは笑う。
静かな微笑み。
『だから、なんだ? 世界の事なんか、知ったことかっての』
・1万年目
『ついに来たな。一万年……』
『実は【何年に設定しようと、一万年で外に出てしまいます、残念でしたー】ってオチを少し期待していたんだが……どうやら、俺の現実は、そんなにぬるくないらしい』
『まあ、いいさ』
『見えてきたところだ』
『自分の戦闘力、その輪郭が……』
『ようやく見えてきた』
『俺は、まだ、弱い……』
『まだ足りない』
『邪神には勝てるかもしれないが……』
『あれ以上の悪が出てきたら厳しい』
『本当の強さがいる』
『俺は、まだ、何にも辿りつけていない』
・200年目。
まだ瞑想は続けていた。
気付いた時、センは、『心の作用』について、理解しかけていた。
真理は、近づくほどに遠くなる。
形になりかけるほどに霧散していく。
あまりにも諸行無常。
だが、『核はありそうだ』と理解できた。
中心。
まだ見えない。
現象の最奥はまだ遠い。
未だ見ぬ世界は遠い。
だが、時間はまだまだある。
センの精神は、さらなる段階に至っていた。
・300年目
もっと奥へ。
もっと、もっと、奥へ。
もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと。
――長き瞑想の果てに、
真理は『ない』と理解できた。
心は、ここになかった。
魂は、ただの器でしかなかった。
そこに何が満たされているか。
少しだけ理解する。
くだらないカケラ。
それだけが全て。
0と1が並んでいるだけに見えて、その奥には、
それすら虚像に過ぎないという結果だけがあった。
無為が等間隔で並んでいて、
法を守るための法だけが、
まるで、ウロボロスのように、
互いのしっぽをかじりあっていたんだ。
ここがどこか。
誰もが、
何もかもが、
いつだって無様に、
『答えのない問い』だけを追い続けている。
・500年目。
『うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!』
『ちょっと待てぇえええ!』
『まだ、500年かぁああああい!!』
『ウソだろ?! 俺の頭、だいぶ遠いところまでいったぞぉおお!』
『なんか、悟った的な感じになったけど、まだ500年?!』
『もういいだろ! そこは、もう、【気付いた時には、200億年が経っていた……】ってなるパターンだろぉおおお! 空気を読めよ!! 流れを感じ取れよぉお!』
『あと、199億9999万9500年?!』
『アホかぁああああ!!』
『ふざけんじゃねぇええええ!!』
・1000年目。
センは、また瞑想に戻っていた。
悟った気になるのはもうやめた。
賢しらに、分かった気になったところで、何にもならないと理解した上で、
その上で、
センは、本当に悟ってみようと思った。
世界を、運命を、自分を、
真に理解しようと試みる。
すべては暇つぶしなり。
・2000年目。
センはついに瞑想を終えて、立ちあがった。
黙ったまま周囲を確認する。
見えている風景は変わらない。
しかし、確かに変わっている事があった。
『俺、なんでここにいるんだっけ……』
深い深い問い。
なぜここにいるのか。
真の意味で理解を求めた問い。
『ああ、シューリを助けるためか』
答えはアッサリと出た。
その事に、センは、驚いた。
本心だったのか、
と、素で思って、苦笑した。
『なんつーか、俺……あいつに対してマジなんだな……』
『あいつの何がそんなにいいんだ?』
『顔はいいけど、性格は最悪だぞ』
『ひねくれていて、口が悪くて、人を常に見下していて、現世の生き物をまるごと虫あつかい』
『あんな、性悪女、死んだ方が世界のためだろ』
『邪神を鎮めるための生贄として命を捧げさせた方が世の中のため』
『うん、間違いない』
『間違いない、が』
センは笑う。
静かな微笑み。
『だから、なんだ? 世界の事なんか、知ったことかっての』
・1万年目
『ついに来たな。一万年……』
『実は【何年に設定しようと、一万年で外に出てしまいます、残念でしたー】ってオチを少し期待していたんだが……どうやら、俺の現実は、そんなにぬるくないらしい』
『まあ、いいさ』
『見えてきたところだ』
『自分の戦闘力、その輪郭が……』
『ようやく見えてきた』
『俺は、まだ、弱い……』
『まだ足りない』
『邪神には勝てるかもしれないが……』
『あれ以上の悪が出てきたら厳しい』
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