『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
19話 ここではないどこかを望みならが、それでも
19話
神の発言を受けて、センは、
「はっ……」
込み上げてくる興奮を、わずかも隠すことなく、派手に爆発させる。
「ははははははははははははははははは!!」
大声で笑った。
全力で笑った。
魂が壊れそうなくらい、暴力的な喜悦が全身を包み込む。
「んーなの、こっちが支払う対価じゃねぇええ! 最高の御褒美だぁあああああああ!!」
――山ほど読んできたネット小説。
――そのまんまじゃねぇか。
(マジか! マジか! マジなのか! 本当に、いけるのか?! 異世界に?! 夢にまで見た、異世界転生……ぃや、この場合、転移か? なんでもいい! どうだっていい! このクソみたいな世界じゃない『どこか』――『俺が望む可能性』を持った世界に行けるのなら、目的も手段もどうでもいい!)
センは歓喜に震えた。
すでに、目の前にいる存在が、超常の存在だという事は理解できている。
神かどうかは知らないが、確実に、『まともな存在』ではない。
この超越した『何か』ならば、『他者を異世界に飛ばすくらい楽勝だ』と確信できる。
それほどの圧倒的なオーラ。
「それで、セン。どうする?」
神の問いかけに答えようとしたセンに、蝉原が慌てて、
「センくん! たのむ! かならず、君に報酬を払う! 望むものはすべて払う! 必ずだ! だからぁ!」
「なあ、蝉原。俺の望むものを払うとは言うが……お前、俺を異世界に連れていってくれんの?」
「……ぇ?」
「金も女もいらない……異世界に連れていってくれ。それが俺の望みだ。『新しい可能性』の前に立つ事。このくだらない世界から卒業して、『むき出しの未来』を掴みとるための一歩を踏み出す事……それだけが、今の俺の望みだ」
「……」
「俺はリアリストだ。意味のない夢はみない。しかし、叶うなら、俺は全力で望む。異世界モノの小説を山ほど読んでいる中で、俺はいつも想っていた」
――なんで、お前らばっかり。……俺だって、そっちへ――
「英語のテストで負けたとか、高校・大学がどうこうとか……そんなくだらねぇこと、ほんとうはどうだっていいんだ。……俺は、逃げたくなかっただけだ。このクソみたいな世界に生まれて……その中で……『楽しい』とか、『嬉しい』ないとか……んなもん……」
そんなもの、好きな小説を読んでいる時以外で感じたことはない。
たった一つの、リアルな時間。
ここではない世界に没頭している時間だけが、センにとっての現実だった。
――現実逃避だぁ? ふざけんな。そんなんじゃねぇ。
――俺は逃げなかった。
――だから、『ただ望んでいただけだ』とハッキリ言えるんだ。
――確かに田中からは逃げた。だが、それは少し別だろう。
――俺はあいつから逃げただけで、人生に背を向けた訳じゃねぇ。
――その証拠に、今日だって、英単5000の復習を三回まわした!
――隙間時間は、ずっとレコーダーで、世界史の『流れ』を聞いていた。
――俺は、自分の人生を、キッチリ受け止めている!
――だから、言わせねぇ! 現実逃避だなんて言わせねぇ!
――俺は、本当に、ただ、『そっち』へ行きたかったんだ!
想いが濁流になる。
心が炸裂して、言葉になるよりも先に、悲鳴になった。
面白い小説を読んでいる時だけがリアルだった。
特に大好きだったのは異世界モノ。
面白い異世界モノに触れている間だけが、センにとっての現実。
それ以外の時間は、ひたすらガマンしてきただけだ。
クソみたいな連中と、クソみたいな時間を重ねて、
『それでも逃げなかった』という証だけを、必死に求めていた。
『ここではないどこか』を本気で望みながら、
嘆きながら、苦しみながら、絶望しながら、
しかし、センは、それでも、
――『ここ』――で、必死に戦ってきたんだ。
神の発言を受けて、センは、
「はっ……」
込み上げてくる興奮を、わずかも隠すことなく、派手に爆発させる。
「ははははははははははははははははは!!」
大声で笑った。
全力で笑った。
魂が壊れそうなくらい、暴力的な喜悦が全身を包み込む。
「んーなの、こっちが支払う対価じゃねぇええ! 最高の御褒美だぁあああああああ!!」
――山ほど読んできたネット小説。
――そのまんまじゃねぇか。
(マジか! マジか! マジなのか! 本当に、いけるのか?! 異世界に?! 夢にまで見た、異世界転生……ぃや、この場合、転移か? なんでもいい! どうだっていい! このクソみたいな世界じゃない『どこか』――『俺が望む可能性』を持った世界に行けるのなら、目的も手段もどうでもいい!)
センは歓喜に震えた。
すでに、目の前にいる存在が、超常の存在だという事は理解できている。
神かどうかは知らないが、確実に、『まともな存在』ではない。
この超越した『何か』ならば、『他者を異世界に飛ばすくらい楽勝だ』と確信できる。
それほどの圧倒的なオーラ。
「それで、セン。どうする?」
神の問いかけに答えようとしたセンに、蝉原が慌てて、
「センくん! たのむ! かならず、君に報酬を払う! 望むものはすべて払う! 必ずだ! だからぁ!」
「なあ、蝉原。俺の望むものを払うとは言うが……お前、俺を異世界に連れていってくれんの?」
「……ぇ?」
「金も女もいらない……異世界に連れていってくれ。それが俺の望みだ。『新しい可能性』の前に立つ事。このくだらない世界から卒業して、『むき出しの未来』を掴みとるための一歩を踏み出す事……それだけが、今の俺の望みだ」
「……」
「俺はリアリストだ。意味のない夢はみない。しかし、叶うなら、俺は全力で望む。異世界モノの小説を山ほど読んでいる中で、俺はいつも想っていた」
――なんで、お前らばっかり。……俺だって、そっちへ――
「英語のテストで負けたとか、高校・大学がどうこうとか……そんなくだらねぇこと、ほんとうはどうだっていいんだ。……俺は、逃げたくなかっただけだ。このクソみたいな世界に生まれて……その中で……『楽しい』とか、『嬉しい』ないとか……んなもん……」
そんなもの、好きな小説を読んでいる時以外で感じたことはない。
たった一つの、リアルな時間。
ここではない世界に没頭している時間だけが、センにとっての現実だった。
――現実逃避だぁ? ふざけんな。そんなんじゃねぇ。
――俺は逃げなかった。
――だから、『ただ望んでいただけだ』とハッキリ言えるんだ。
――確かに田中からは逃げた。だが、それは少し別だろう。
――俺はあいつから逃げただけで、人生に背を向けた訳じゃねぇ。
――その証拠に、今日だって、英単5000の復習を三回まわした!
――隙間時間は、ずっとレコーダーで、世界史の『流れ』を聞いていた。
――俺は、自分の人生を、キッチリ受け止めている!
――だから、言わせねぇ! 現実逃避だなんて言わせねぇ!
――俺は、本当に、ただ、『そっち』へ行きたかったんだ!
想いが濁流になる。
心が炸裂して、言葉になるよりも先に、悲鳴になった。
面白い小説を読んでいる時だけがリアルだった。
特に大好きだったのは異世界モノ。
面白い異世界モノに触れている間だけが、センにとっての現実。
それ以外の時間は、ひたすらガマンしてきただけだ。
クソみたいな連中と、クソみたいな時間を重ねて、
『それでも逃げなかった』という証だけを、必死に求めていた。
『ここではないどこか』を本気で望みながら、
嘆きながら、苦しみながら、絶望しながら、
しかし、センは、それでも、
――『ここ』――で、必死に戦ってきたんだ。
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