『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
52話 最後の抵抗
52話
絶死のアリア・ギアス。
全てを賭す最後の最後のデスブースト。
ゆえに、その効果は絶大。
サイケルの体が真っ赤なオーラに包まれる。
毒々しい電流が流れる体。
ドクンドクンと、サイケルの全身が、早鐘のように脈打っている。
筋肉が少し熔けている。
頬が少しコケて、髪の色も明らかに悪くなった。
――受け入れた死の覚悟が重なって、
――枯れ落ちる影を見つめながら、
――優しい刹那を集めていく。
壊れて、砕けて、熔けて、
――自由になるの。
「……これが……本当の自由……」
サイケルは、自分自身から溢れ出ている力を感じ取り、
「神を超えた神を……さらに超えた世界……本物の自由……」
「正式には、その先にある壁をもう三つほど超えた状態だな。今のお前は、究極超神の領域に片足を突っ込んでいる」
「しかし、これでも――」
サイケルは、
「ここまでしても――」
転んでしまった子供のような、クシャクシャの顔で、
「……届かないのか……たった3分でも……全てを賭して、なお……私は……貴様を……超える事ができないのか……」
みっともなく、ポロポロと泣きながらそう言うサイケルに、
「俺の存在値だけを見てモノを言っているなら、それは勘違いだ。デスブーストで制限なくフルスペック状態を保てる今のお前は、『ここから数手損を覚悟でバフを積んでいかなければいけない俺』よりかなり有利な状態にある」
「……」
「特別に教えてやる。――今のお前なら、俺に勝てる。最善手さえ打ち続ければ、お前は、俺を殺し切れる」
「……ほん……とうに……?」
「お前にウソをつく理由がない。もっとも、その確率は限りなくゼロに近いがな。おおよそ……17兆に1回くらいの幸運……が、17兆回くらい連続で起きれば、俺は死ぬだろう」
「……」
「仮に死んでも、俺は、また違う世界に転生するだけだが、俺を殺せたという証は残る」
センの言葉を聞いて、サイケルは目を閉じた。
眼球を潰すほど強く、ギュっと、強く――
(……くそったれ……)
絶望の中で、サイケルは、
(……くそったれ、くそったれ、くそったれ……)
重たい憤怒に包まれていた。
間違いなく頂点にたったはずなのに、簡単に崩れていく足下。
ありえない不幸の連続。
ゆえに、サイケルは怒る。
なぜ、こうも簡単に崩壊するのだ。
意味が分からない。
あっていい訳がない、こんな理不尽。
だから、
(せめ……て……)
サイケルは、『最後の抵抗』を開始する。
無駄だとは思うが、しかし、このまま死ぬのは許せない。
(ほんの……少しだけでも……)
『それ』は、ほんのわずかではあるけれど、サイケルの中に生まれた、『本物の意地』。
愚かな勘違いではない。
みっともないあがき。
すなわち、『積み重ねるに値するもの』。
だから、という訳では無いけれど――
「おっと、下らないおしゃべりをしていたら、残り時間が二分を切った……時間がない。さっさと、俺を殺す気で、かかってこい。せっかくのデスブーストを無駄にしたくないだろ? 俺的にも、死なれたら困るしな」
呑気にそんな事を言うセンの前で、
サイケルは、天を仰いだ。
「――は、はは……」
笑う。
かすれた声が空に響く。
「諦めるなよ、サイ。いける、いける。ゼロじゃないんだ。可能性は――」
「そうじゃない」
「……ぁ?」
「貴様に提示された低確率に絶望して笑っている訳じゃない……」
「この状況で絶望せずに笑う? 豪胆だな……しかし、お前はそれほどの傑物じゃないはずなんだが」
「いや……実は……どうせ、何もできないのなら……と……最後に、一度……試してみたら……」
「……ん?」
「できちまったよ……はは…………ぅ、ウレしぃ、うれしい……へへへ」
「……はぁ? 何を言って――」
「――解析完了だ――」
サイケルは、ニタァアアアアっと黒く微笑んで叫ぶ。
「弾け飛べぇえええええええええええ!!」
――パァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
――世界全てが吹っ飛んだかのような激しい破裂音をあげて、
センの核が弾け飛んだ――
絶死のアリア・ギアス。
全てを賭す最後の最後のデスブースト。
ゆえに、その効果は絶大。
サイケルの体が真っ赤なオーラに包まれる。
毒々しい電流が流れる体。
ドクンドクンと、サイケルの全身が、早鐘のように脈打っている。
筋肉が少し熔けている。
頬が少しコケて、髪の色も明らかに悪くなった。
――受け入れた死の覚悟が重なって、
――枯れ落ちる影を見つめながら、
――優しい刹那を集めていく。
壊れて、砕けて、熔けて、
――自由になるの。
「……これが……本当の自由……」
サイケルは、自分自身から溢れ出ている力を感じ取り、
「神を超えた神を……さらに超えた世界……本物の自由……」
「正式には、その先にある壁をもう三つほど超えた状態だな。今のお前は、究極超神の領域に片足を突っ込んでいる」
「しかし、これでも――」
サイケルは、
「ここまでしても――」
転んでしまった子供のような、クシャクシャの顔で、
「……届かないのか……たった3分でも……全てを賭して、なお……私は……貴様を……超える事ができないのか……」
みっともなく、ポロポロと泣きながらそう言うサイケルに、
「俺の存在値だけを見てモノを言っているなら、それは勘違いだ。デスブーストで制限なくフルスペック状態を保てる今のお前は、『ここから数手損を覚悟でバフを積んでいかなければいけない俺』よりかなり有利な状態にある」
「……」
「特別に教えてやる。――今のお前なら、俺に勝てる。最善手さえ打ち続ければ、お前は、俺を殺し切れる」
「……ほん……とうに……?」
「お前にウソをつく理由がない。もっとも、その確率は限りなくゼロに近いがな。おおよそ……17兆に1回くらいの幸運……が、17兆回くらい連続で起きれば、俺は死ぬだろう」
「……」
「仮に死んでも、俺は、また違う世界に転生するだけだが、俺を殺せたという証は残る」
センの言葉を聞いて、サイケルは目を閉じた。
眼球を潰すほど強く、ギュっと、強く――
(……くそったれ……)
絶望の中で、サイケルは、
(……くそったれ、くそったれ、くそったれ……)
重たい憤怒に包まれていた。
間違いなく頂点にたったはずなのに、簡単に崩れていく足下。
ありえない不幸の連続。
ゆえに、サイケルは怒る。
なぜ、こうも簡単に崩壊するのだ。
意味が分からない。
あっていい訳がない、こんな理不尽。
だから、
(せめ……て……)
サイケルは、『最後の抵抗』を開始する。
無駄だとは思うが、しかし、このまま死ぬのは許せない。
(ほんの……少しだけでも……)
『それ』は、ほんのわずかではあるけれど、サイケルの中に生まれた、『本物の意地』。
愚かな勘違いではない。
みっともないあがき。
すなわち、『積み重ねるに値するもの』。
だから、という訳では無いけれど――
「おっと、下らないおしゃべりをしていたら、残り時間が二分を切った……時間がない。さっさと、俺を殺す気で、かかってこい。せっかくのデスブーストを無駄にしたくないだろ? 俺的にも、死なれたら困るしな」
呑気にそんな事を言うセンの前で、
サイケルは、天を仰いだ。
「――は、はは……」
笑う。
かすれた声が空に響く。
「諦めるなよ、サイ。いける、いける。ゼロじゃないんだ。可能性は――」
「そうじゃない」
「……ぁ?」
「貴様に提示された低確率に絶望して笑っている訳じゃない……」
「この状況で絶望せずに笑う? 豪胆だな……しかし、お前はそれほどの傑物じゃないはずなんだが」
「いや……実は……どうせ、何もできないのなら……と……最後に、一度……試してみたら……」
「……ん?」
「できちまったよ……はは…………ぅ、ウレしぃ、うれしい……へへへ」
「……はぁ? 何を言って――」
「――解析完了だ――」
サイケルは、ニタァアアアアっと黒く微笑んで叫ぶ。
「弾け飛べぇえええええええええええ!!」
――パァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
――世界全てが吹っ飛んだかのような激しい破裂音をあげて、
センの核が弾け飛んだ――
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