『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
26話 『命』が完成した。
26話
6時間が経過した時、ようやく、サイケルは膝をついた。
一度、プルプルッと震えてから、バタンと倒れ込む。
そして、動かなくなった。
――とてつもなく長い闘いだった。
ひたすら回避タンクに徹するアダムと、その後方から『貫撃』の魔法でチマチマと削っていくユンドラ。
泥臭く、血なまぐさく、みっともなく、しかし、二人は闘いきった。
その様子を見ていたセンは、アクビをしながら、
(長かったなぁ……いや、こうなるのは分かっていたけどさぁ。アダムもユンドラもサイも、全員、ハンパにHPと防御力が高くて、けど、火力はおしなべて低いから、なかなか決着がつかないっていう……まあ、それでも、神同士の闘いほど退屈じゃなかった訳だが……それ考えると、俺らの闘いって本当に酷いな)
間合いを奪い合う無音無動の睨みあいだけで一日が終わった事もある。
やっている当人連中は、まだ、真剣に闘っている分、そういう意味ではマシだが、見ている側としては地獄である。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ…………はぁ……アダム……感謝するわ……本当に、心から」
ふいに、ユンドラが、アダムに礼を述べた。
感極まって、つい声が漏れてしまったといった感じ。
「ぁあ……勝て……た……」
右目から涙がこぼれた。
「出ら……れる……信じられない……ワタシは出られる!!」
喜びと疲労から、情緒が若干、おかしくなっている。
自分でも分かっているが、止められない。
ユンドラが、そんな『後から振り返ると恥ずかしくて死にたくなる現象』に陥っていると、
「解析――完了――」
倒れたまま顔だけをあげたサイケルの目が青白く輝き、
「不完全ナ神ノ種――今ナラバ、マダ――奪イ取レル――僥倖――」
アダムが、
「ん、なんだまだ生きていたのか。しぶといヤツだ。今、楽に――」
トドメをさそうとした、その時、
――彼女の肉体が、
パァァァァァァァァンンンッッッ!!
と、膨張しすぎた風船のように弾け飛んだ。
「――なっ??!!」
バラバラになったアダムの肉片を目の当たりにして、ユンドラが悲鳴をあげた。
血は一瞬で蒸発し、パラパラと無数の毛髪が宙を舞う。
そして、その欠片が、
「スゥウウウウゥ!!」
サイケルに吸い込まれていく。
それは、コンマ数秒の出来ごと。
知覚が追いつかない、ほんの一瞬の出来事だった。
――アダムの『全て』を体内に取り込んだ、その瞬間、
サイケルの全身が、
「キタァアアアアアアアアア!!」
プシュゥウっと黒煙を吐きながら、カァアアアアっと強く発光しだした。
常人の眼であれば一瞬で潰れるほどの光量。
とんでもない勢いで噴出された黒煙はどんどん激しく強くなり、
ついに、その空間は、輝きと黒煙だけに包まれた。
そして、五秒後、
「ぷはぁ……すぅう……はぁ……」
サイケルが深呼吸をすると、黒煙は薄くなり、輝きもおさまっていった。
「はぁ……はぁ……」
アダムを取り込んだサイケルは、先ほどまでの、『ケルベロス亜種を無理矢理人型にしたような無理のあるフォルム』ではなく、完全な『人』の形状になっていた。
『アダムをモデルとした魔人』といった風貌。
スラリと伸びた肢体。
その先にある手首と足首に、鉄の枷がついているが、鎖は外れている。
「……素晴らしい」
サイケルは、自身の両手をまじまじと見つめながら、
「私は、今、神になった。『究極』に至った魂。……わかるか、ユンドラ。……すなわち……」
とても、穏やかな口調で、
「――『命』が……完成したのだ」
6時間が経過した時、ようやく、サイケルは膝をついた。
一度、プルプルッと震えてから、バタンと倒れ込む。
そして、動かなくなった。
――とてつもなく長い闘いだった。
ひたすら回避タンクに徹するアダムと、その後方から『貫撃』の魔法でチマチマと削っていくユンドラ。
泥臭く、血なまぐさく、みっともなく、しかし、二人は闘いきった。
その様子を見ていたセンは、アクビをしながら、
(長かったなぁ……いや、こうなるのは分かっていたけどさぁ。アダムもユンドラもサイも、全員、ハンパにHPと防御力が高くて、けど、火力はおしなべて低いから、なかなか決着がつかないっていう……まあ、それでも、神同士の闘いほど退屈じゃなかった訳だが……それ考えると、俺らの闘いって本当に酷いな)
間合いを奪い合う無音無動の睨みあいだけで一日が終わった事もある。
やっている当人連中は、まだ、真剣に闘っている分、そういう意味ではマシだが、見ている側としては地獄である。
「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ…………はぁ……アダム……感謝するわ……本当に、心から」
ふいに、ユンドラが、アダムに礼を述べた。
感極まって、つい声が漏れてしまったといった感じ。
「ぁあ……勝て……た……」
右目から涙がこぼれた。
「出ら……れる……信じられない……ワタシは出られる!!」
喜びと疲労から、情緒が若干、おかしくなっている。
自分でも分かっているが、止められない。
ユンドラが、そんな『後から振り返ると恥ずかしくて死にたくなる現象』に陥っていると、
「解析――完了――」
倒れたまま顔だけをあげたサイケルの目が青白く輝き、
「不完全ナ神ノ種――今ナラバ、マダ――奪イ取レル――僥倖――」
アダムが、
「ん、なんだまだ生きていたのか。しぶといヤツだ。今、楽に――」
トドメをさそうとした、その時、
――彼女の肉体が、
パァァァァァァァァンンンッッッ!!
と、膨張しすぎた風船のように弾け飛んだ。
「――なっ??!!」
バラバラになったアダムの肉片を目の当たりにして、ユンドラが悲鳴をあげた。
血は一瞬で蒸発し、パラパラと無数の毛髪が宙を舞う。
そして、その欠片が、
「スゥウウウウゥ!!」
サイケルに吸い込まれていく。
それは、コンマ数秒の出来ごと。
知覚が追いつかない、ほんの一瞬の出来事だった。
――アダムの『全て』を体内に取り込んだ、その瞬間、
サイケルの全身が、
「キタァアアアアアアアアア!!」
プシュゥウっと黒煙を吐きながら、カァアアアアっと強く発光しだした。
常人の眼であれば一瞬で潰れるほどの光量。
とんでもない勢いで噴出された黒煙はどんどん激しく強くなり、
ついに、その空間は、輝きと黒煙だけに包まれた。
そして、五秒後、
「ぷはぁ……すぅう……はぁ……」
サイケルが深呼吸をすると、黒煙は薄くなり、輝きもおさまっていった。
「はぁ……はぁ……」
アダムを取り込んだサイケルは、先ほどまでの、『ケルベロス亜種を無理矢理人型にしたような無理のあるフォルム』ではなく、完全な『人』の形状になっていた。
『アダムをモデルとした魔人』といった風貌。
スラリと伸びた肢体。
その先にある手首と足首に、鉄の枷がついているが、鎖は外れている。
「……素晴らしい」
サイケルは、自身の両手をまじまじと見つめながら、
「私は、今、神になった。『究極』に至った魂。……わかるか、ユンドラ。……すなわち……」
とても、穏やかな口調で、
「――『命』が……完成したのだ」
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