『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
25話 共闘
25話
高速で空を舞いながら、アダムは考えていた。
(勝てないな……)
アダムは、渋い顔で、
(あいつの存在値……推定1500ってところか……信じられないバケモノ……戦闘力は私の方が上だが、ステータスの差が大きすぎる。このままではジリ貧……しかし、私は、主に、『アレを壊せ』と命じられている……逃げる訳にはいかない……)
ギリっと奥歯をかみしめる。
自分の弱さを呪いたくなった。
アダム以外の者であれば、アレとまともに闘う事すら出来ないだろう。
だが、そんな、『目線の低い比較の話』はどうでもいい。
主の命を果たせない。
それだけが問題なのだ。
(ぐ……主の下僕である、この私が……こんなカスも倒せないなど、あってはいけない……だが、しかし……くっ、どうする……)
どうあがいても倒せそうにないが『倒すしかない』という、この緊迫した状況。
アダムの頬を冷たい汗が流れていった。
と、そこで、
(アダム、聞こえる?)
脳の中に声が響いた。
アダムは、反射的に声の出所を探す。
視線はサイケルから離せないので、魔力波をサーチするだけだが、発信元は、すぐに見つかった。
(ユン何とか! 二度と私に話しかけるな! 今、死ぬほど忙しい!!)
無数の魔法陣を展開しながら、心の中で叫ぶ。
(ワタシもそいつを殺す事にしたわ。協力して)
アダムは、正直、ありがたいと思った。
猫の手も借りたい、この状況。
だが、
(やりたきゃ、勝手にやっていろ! 私に命令できるのは主上様だけだ!)
反射的にそう叫んでいた。
熱くなって叫んでしまった。
仮に『協力させて欲しい』と言われていたなら、了承していた可能性の方が高いが、あの言い方はダメだ。
意固地なプライド。
しかし、大事なもの。
――ゆえに、冷静になっても答えは変わらない。
アダムは思う。
自分の主の下僕。
どんな時であれ、主以外の命令を聞くつもりはない。
そもそも、主の下僕である自分が、一人で犬一匹も駆除できないなど――
――と、その時、
「アダム! 手を止めず、こっちに目を向けずに聞け!」
主の声が響いた。
アダムは命令通り、闘いながら、しかし耳に集中する。
「最優先は、その犬を殺す事。そのために全力をつくせ。何をしても構わない。全てを許可する。必ず殺すんだ。命令が理解できたか? なら、返事をしろ」
「仰せのままにぃい!!」
アダムは、即座に、てのひらをかえして、
(ユンドラ・エルドラド。アレについて、どれだけ知っている? 弱点の有無は? 何をすれば勝てる。答えろ。そして力を貸せ。拒否するなら、殺す)
(凄まじい忠誠心ね。なぜ、あなたほどの者が……まあ、いいわ。今はそれよりも)
そこで、いったん、呼吸を整えて、
(分かりやすい弱点などはないわ。アレは、純粋に強いの。つまり、泥臭く闘うしかない)
(……素の削り合いで競り勝つしかない……か。鬱陶しい。……ちなみに、お前はどのくらい強い? 私のセブンスアイで見えないって事は、それなりには強いのだろう? 存在値は? スキルは?)
(ワタシの存在値は1050。得意な立ちまわりは、デバフ支援と防御無視魔法の確定削り。共闘経験はないけれど、ビルド的には支援特化で、共闘プログラムもインプットされているわ。見たところ、あなたは、万能っぽいけれど、一番得意なのは『待ち回避特化』のカウンター戦法じゃない?)
アダムの吸収は、タイマンで勝てなければ使用できない。
そして、同格に近い者を吸収しなければ、能力はほとんど上昇しない。
アダムは、いつだって、ギリギリの戦闘を競り勝ってきた。
死の淵に立ちながら、忍耐強く、敵の出方を窺い、焦りを見せてきた敵の急所をつく。
強者であればあるほど高速の決着を求めるもの。
アダムは、その死角をついてきた。
スマートさなどまるでなかった。
血なまぐさく、泥をすすりながら、必死に、一歩ずつ、果てしない階段を上がっていった。
『降りる気はない』
『必ず昇りきる』
いつだって、自分に言い聞かせた。
折れそうになった事は何度もあるが、アダムは全ての絶望を乗り越えた。
そうして、究極超神も認める超常の存在となったのだ。
(ワタシたちは、比較的、相性がいい。あなたは回避タンクに徹して。ワタシが削っていく。あなたとワタシなら、アレを殺せる)
(いいだろう。全力で時間を稼いでやる。隙をつくってやる。だから、必ず削りきれ)
こうして、気力を削り合う、長い闘いが始まった。
高速で空を舞いながら、アダムは考えていた。
(勝てないな……)
アダムは、渋い顔で、
(あいつの存在値……推定1500ってところか……信じられないバケモノ……戦闘力は私の方が上だが、ステータスの差が大きすぎる。このままではジリ貧……しかし、私は、主に、『アレを壊せ』と命じられている……逃げる訳にはいかない……)
ギリっと奥歯をかみしめる。
自分の弱さを呪いたくなった。
アダム以外の者であれば、アレとまともに闘う事すら出来ないだろう。
だが、そんな、『目線の低い比較の話』はどうでもいい。
主の命を果たせない。
それだけが問題なのだ。
(ぐ……主の下僕である、この私が……こんなカスも倒せないなど、あってはいけない……だが、しかし……くっ、どうする……)
どうあがいても倒せそうにないが『倒すしかない』という、この緊迫した状況。
アダムの頬を冷たい汗が流れていった。
と、そこで、
(アダム、聞こえる?)
脳の中に声が響いた。
アダムは、反射的に声の出所を探す。
視線はサイケルから離せないので、魔力波をサーチするだけだが、発信元は、すぐに見つかった。
(ユン何とか! 二度と私に話しかけるな! 今、死ぬほど忙しい!!)
無数の魔法陣を展開しながら、心の中で叫ぶ。
(ワタシもそいつを殺す事にしたわ。協力して)
アダムは、正直、ありがたいと思った。
猫の手も借りたい、この状況。
だが、
(やりたきゃ、勝手にやっていろ! 私に命令できるのは主上様だけだ!)
反射的にそう叫んでいた。
熱くなって叫んでしまった。
仮に『協力させて欲しい』と言われていたなら、了承していた可能性の方が高いが、あの言い方はダメだ。
意固地なプライド。
しかし、大事なもの。
――ゆえに、冷静になっても答えは変わらない。
アダムは思う。
自分の主の下僕。
どんな時であれ、主以外の命令を聞くつもりはない。
そもそも、主の下僕である自分が、一人で犬一匹も駆除できないなど――
――と、その時、
「アダム! 手を止めず、こっちに目を向けずに聞け!」
主の声が響いた。
アダムは命令通り、闘いながら、しかし耳に集中する。
「最優先は、その犬を殺す事。そのために全力をつくせ。何をしても構わない。全てを許可する。必ず殺すんだ。命令が理解できたか? なら、返事をしろ」
「仰せのままにぃい!!」
アダムは、即座に、てのひらをかえして、
(ユンドラ・エルドラド。アレについて、どれだけ知っている? 弱点の有無は? 何をすれば勝てる。答えろ。そして力を貸せ。拒否するなら、殺す)
(凄まじい忠誠心ね。なぜ、あなたほどの者が……まあ、いいわ。今はそれよりも)
そこで、いったん、呼吸を整えて、
(分かりやすい弱点などはないわ。アレは、純粋に強いの。つまり、泥臭く闘うしかない)
(……素の削り合いで競り勝つしかない……か。鬱陶しい。……ちなみに、お前はどのくらい強い? 私のセブンスアイで見えないって事は、それなりには強いのだろう? 存在値は? スキルは?)
(ワタシの存在値は1050。得意な立ちまわりは、デバフ支援と防御無視魔法の確定削り。共闘経験はないけれど、ビルド的には支援特化で、共闘プログラムもインプットされているわ。見たところ、あなたは、万能っぽいけれど、一番得意なのは『待ち回避特化』のカウンター戦法じゃない?)
アダムの吸収は、タイマンで勝てなければ使用できない。
そして、同格に近い者を吸収しなければ、能力はほとんど上昇しない。
アダムは、いつだって、ギリギリの戦闘を競り勝ってきた。
死の淵に立ちながら、忍耐強く、敵の出方を窺い、焦りを見せてきた敵の急所をつく。
強者であればあるほど高速の決着を求めるもの。
アダムは、その死角をついてきた。
スマートさなどまるでなかった。
血なまぐさく、泥をすすりながら、必死に、一歩ずつ、果てしない階段を上がっていった。
『降りる気はない』
『必ず昇りきる』
いつだって、自分に言い聞かせた。
折れそうになった事は何度もあるが、アダムは全ての絶望を乗り越えた。
そうして、究極超神も認める超常の存在となったのだ。
(ワタシたちは、比較的、相性がいい。あなたは回避タンクに徹して。ワタシが削っていく。あなたとワタシなら、アレを殺せる)
(いいだろう。全力で時間を稼いでやる。隙をつくってやる。だから、必ず削りきれ)
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