『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
86話 2018年
86話
「そろそろ、ルートが閉じる。最後にちゃんと言っておく。脅しじゃなく、本当に、もう戻れないぞ? 俺は最高位の神だが、出来ないこともある」
「覚悟は、とっくにできとるよ」
「……本当に、未練は何もないって顔をしてやがる。狂った女だ」
「未練がなんもないって事はないよ。築地で大トロ食べるんは夢の一つやったし、更新待ちの作品は山ほどあったし、転スラのアニメもまだ見てないし。けど、『せやから帰る』とはならん。あたしは今、最高にワクワクしとる」
「なんだ、お前。転スラのアニメすら見ていなかったのか。そこそこの通かと思っていたが、とんだニワカだったな」
「はぁ? 何言うてんの。どんだけの通でも、放送前のアニメは見られへんやん。あたしはただの女子高生で、製作会社勤務ちゃうねんで?」
「……は?」
「え?」
「ぁ……ぁあ、なんだ、二期以降の話をしていたのか。悪いな。『まだボックスを見ていない』という意味かと思ってな。そういえば、第一アルファは、今、西暦何年だ? 流石に、もう、2021年くらいにはなっているか?」
第一アルファは、他の世界と比べて、時間の進みが異常に遅い。
他の世界が十年進んでも、第一アルファの時間は二・三日しか進んでいないという事もザラ。
それ自体は珍しい事ではない。
第一アルファほど遅いのは確かに流石に珍しいのだが、時間の進み方は、世界ごとにバラバラというのが普通。
むしろ、ピッタリ同じと言う方が珍しい。
「神様って、全知全能どころか、今が西暦何年かも知らんねやなぁ。まあ、そんな小さい事はどうでもいいって事なんやろうけど」
シグレは、神の豪気さに一度笑ってから、
「神様、今の地球は、西暦2018年やで。ちなみに、季節は秋な」
「……ぁ?」
「ぇ、なに? どしたん?」
「にせ……じゅうはち……」
「ものすごい顔になってるけど、ほんまにどしたん?」
「ばか……な……」
「な、なにが?」
「時間は……止まらない……前にしか進まない……」
「ぇ、ああ、うん、そうやなぁ。光よりも速く動けたら、時間は戻るらしいけど、それがほんまかは確かめようがないから――」
「光速を超えても時間は戻らねぇ。違う線に飛ぶだけだ。時間は戻らないし、止まらない……ただ、前に……進むのみ……」
「へぇ、そうなんや。マメ知識やな。マメというには、あまりにも壮大すぎる知識やけど」
「俺が飛ばされたのは……」
「ん?」
「2019年の秋だ……」
「……ぇ……えっと……なんの話――飛ばされたって――」
「いくら第一アルファが異質だからって時間が戻ったりはしない。……その事は朝日が証明してくれている。朝日が飛ばされたのは2019年の冬……それより前から召喚されるなんて……ありえない……」
センは、そこで、シグレの頭をもう一度つかむ。
「ちょっ、また?! なんなん?!」
「黙れ」
先ほどは、Dアイデンティティに障った『何か』に関してしか注視していなかったため時間の異変には気付けなかった。
ちなみに言っておくと、オネショの件は覗き見た訳ではなく、ただ、その年頃の恥ずかしい事と言えば、ネションベンぐらいだろうと推測しただけ。
いちいち、そんな細かい所まで見る理由がない。
やろうと思えば出来るが、無駄な事をする気はない。
それがセンのスタンス。
「ウソだろ……ま、マジで……2018年の秋に……召喚されている……」
「そう言うてるやん! てか、もう、ええ加減にしてやぁ」
言いながら、センの手から逃げるシグレ。
センは、彼女の行動などシカトして、
「信じられねぇ……どういう……なんで……ま、まさか……」
そこで、センは、片目を閉じる。
視線を天に飛ばし、雲の上から、世界全体を見渡す。
一見すると気付かないが、しかし、深い疑惑の目を向けてみれば、
至るところで、違和感を覚える。
この世界は、エックスにしては整い過ぎている。
「まさか……『ココ』は……」
「そろそろ、ルートが閉じる。最後にちゃんと言っておく。脅しじゃなく、本当に、もう戻れないぞ? 俺は最高位の神だが、出来ないこともある」
「覚悟は、とっくにできとるよ」
「……本当に、未練は何もないって顔をしてやがる。狂った女だ」
「未練がなんもないって事はないよ。築地で大トロ食べるんは夢の一つやったし、更新待ちの作品は山ほどあったし、転スラのアニメもまだ見てないし。けど、『せやから帰る』とはならん。あたしは今、最高にワクワクしとる」
「なんだ、お前。転スラのアニメすら見ていなかったのか。そこそこの通かと思っていたが、とんだニワカだったな」
「はぁ? 何言うてんの。どんだけの通でも、放送前のアニメは見られへんやん。あたしはただの女子高生で、製作会社勤務ちゃうねんで?」
「……は?」
「え?」
「ぁ……ぁあ、なんだ、二期以降の話をしていたのか。悪いな。『まだボックスを見ていない』という意味かと思ってな。そういえば、第一アルファは、今、西暦何年だ? 流石に、もう、2021年くらいにはなっているか?」
第一アルファは、他の世界と比べて、時間の進みが異常に遅い。
他の世界が十年進んでも、第一アルファの時間は二・三日しか進んでいないという事もザラ。
それ自体は珍しい事ではない。
第一アルファほど遅いのは確かに流石に珍しいのだが、時間の進み方は、世界ごとにバラバラというのが普通。
むしろ、ピッタリ同じと言う方が珍しい。
「神様って、全知全能どころか、今が西暦何年かも知らんねやなぁ。まあ、そんな小さい事はどうでもいいって事なんやろうけど」
シグレは、神の豪気さに一度笑ってから、
「神様、今の地球は、西暦2018年やで。ちなみに、季節は秋な」
「……ぁ?」
「ぇ、なに? どしたん?」
「にせ……じゅうはち……」
「ものすごい顔になってるけど、ほんまにどしたん?」
「ばか……な……」
「な、なにが?」
「時間は……止まらない……前にしか進まない……」
「ぇ、ああ、うん、そうやなぁ。光よりも速く動けたら、時間は戻るらしいけど、それがほんまかは確かめようがないから――」
「光速を超えても時間は戻らねぇ。違う線に飛ぶだけだ。時間は戻らないし、止まらない……ただ、前に……進むのみ……」
「へぇ、そうなんや。マメ知識やな。マメというには、あまりにも壮大すぎる知識やけど」
「俺が飛ばされたのは……」
「ん?」
「2019年の秋だ……」
「……ぇ……えっと……なんの話――飛ばされたって――」
「いくら第一アルファが異質だからって時間が戻ったりはしない。……その事は朝日が証明してくれている。朝日が飛ばされたのは2019年の冬……それより前から召喚されるなんて……ありえない……」
センは、そこで、シグレの頭をもう一度つかむ。
「ちょっ、また?! なんなん?!」
「黙れ」
先ほどは、Dアイデンティティに障った『何か』に関してしか注視していなかったため時間の異変には気付けなかった。
ちなみに言っておくと、オネショの件は覗き見た訳ではなく、ただ、その年頃の恥ずかしい事と言えば、ネションベンぐらいだろうと推測しただけ。
いちいち、そんな細かい所まで見る理由がない。
やろうと思えば出来るが、無駄な事をする気はない。
それがセンのスタンス。
「ウソだろ……ま、マジで……2018年の秋に……召喚されている……」
「そう言うてるやん! てか、もう、ええ加減にしてやぁ」
言いながら、センの手から逃げるシグレ。
センは、彼女の行動などシカトして、
「信じられねぇ……どういう……なんで……ま、まさか……」
そこで、センは、片目を閉じる。
視線を天に飛ばし、雲の上から、世界全体を見渡す。
一見すると気付かないが、しかし、深い疑惑の目を向けてみれば、
至るところで、違和感を覚える。
この世界は、エックスにしては整い過ぎている。
「まさか……『ココ』は……」
「『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
クラス転移で俺だけずば抜けチート!?
-
1.1万
-
-
やはり、創造神の加護はチートでした
-
3,384
-
-
俺の学年が勇者として召喚されたが、俺は早速腹黒王族にマークされたようです
-
2,860
-
-
転生貴族のハーレムチート生活【120万pv突破】
-
7,540
-
-
異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる
-
2,151
-
-
異世界を楽しみたい転生者
-
2,883
-
-
転生して進化したら最強になって無双します
-
1,962
-
-
腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが
-
5,891
-
-
ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~
-
5,762
-
-
異世界スキルガチャラー(旧バージョン)
-
4,002
-
-
転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~
-
2.1万
-
-
いじめられてた俺が異世界に転移したら神になった〜チート能力で無双〜
-
1,403
-
-
引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
-
8,851
-
-
天才過ぎて世間から嫌われた男が、異世界にて無双するらしい。
-
4,165
-
-
俺チート能力で異世界楽しむわ
-
3,813
-
-
【書籍化作品】無名の最強魔法師
-
1.3万
-
-
俺だけステータスが、おかしすぎる件
-
3,352
-
-
暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが
-
2.9万
-
-
異世界転移は分解で作成チート
-
4,593
-
-
継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》
-
7,158
-
コメント