内緒の親友

レイ

魔法の世界へ2

どれくらい飛んだのだろうか。
サラはいつのまにか寝ていた。
「…!サラ!」
エイミーの声がしてサラは目を覚ました。
「ん…あれ、私寝てた?」
「ついたわよ!ここが私達の故郷!」
サラが辺りを見回すと、とてもこの世のものとは思えないほどの美しい街が広がっていた。
「何ここ!すごい!!」
「気に入ってくれてよかったわ。これからあなたの家に案内するね。あ、その前にお腹空いてない?」
「そういえば、お腹減ってる。」
「よし、じゃあ準備するね。」
エイミーはそういうと、スッと左手の人差し指を持ち上げた。すると、みるみるうちにサラの目の前で美味しそうな料理が出来上がっていった。
「な、何これ!…エイミーもしかして魔法使いだったの?!」
サラはびっくりして腰を抜かしそうになった。
「ここはね、誰でも魔法が使える国なのよ。」
「誰でも…?」
「そう。サラにだって魔法が使えるよ。」
「嘘。だって私魔法なんて使ったことないし!」
「だから、ここでは誰でも魔法が使えるの。試しにやってみたら?サラには才能がありそうよ。」
「…どうやってやるの?」
「うーん、例えばそうね、人差し指を持ち上げながら蝶々が出るように祈ってみて。」
「わかった。蝶々でろ蝶々でろ蝶々でろ…」
しばらくの沈黙の後
「エイミー、私やっぱりできないよ」
「できてるわよ!みて!」
サラが指先に視線を戻すと、ポンッという音と共に綺麗な蝶が沢山羽ばたいて行った。
「…すご、い。私本当に魔法が使えちゃった。」

続く


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