最弱属性魔剣士の雷鳴轟く
184話 初動
「それからは罪滅ぼしも兼ねて私の手伝いをしてくれる事になりました。お父さんとお母さんも男手が増えたって喜んで……そして一年後に結婚しました」
ハンターが結婚してるなんて流石に思いつかなかったな。
直接会ったわけではないが、聞いた話ではアラン団長よりも強く、殺しにとらわれてるって……世の中わからないもんだな。
「それまではどうしていたんですか? こんな事聞くのもあれかもしれませんが……血の飢えが無くなるわけじゃないんですよね?」
「ええ、二人で刀の力について調べて血の飢えを緩和できる方法を探しました。時には大魔森の魔物の血を吸わせてみたり、人間の食べ物で補ったり……私の血を少量吸わせて騙し騙しやった事もありました」
「そんな……暴走したら死んでしまうかもしれないのに……」
エヴァの言う通り殺されていてもなんの不思議はない。
「暴走した事は……何度かありました。でも、ちゃんと呼び掛けたら元に戻ってくれて……」
シャサールと言う奴も凄まじい精神力だ。もし俺が暴走したらエヴァを見て踏みとどまれるだろうか……いや、今はそんな事考えてる場合じゃない。
「それで、シャサールさんはどこに?」
「買い物の途中で家の方に駆け出して……昔来てた服を引っ張り出して外へ出ていってしまいました。私は……その、追いかけられなくて……」
「ゼラさんは今妊娠していて無理できる状況じゃないんだ」
そうだったのか。あまりお腹が目立ってなくて気づかなかった……
「わかりました。確か赤い騎士を見て様子がおかしくなったんですよね……恐らくこのままでは龍騎士団とハンター……シャサールさんがぶつかる事になります。それは俺達が止めますので、任せてください」
「ああ、よろしくお願いします……うぅ……」
「ゼラさん、無理するな。家まで帰ろう」
ニルダさんがゼラさんを支えるようにして住宅街の方へ歩いていく。
「あ、ニルダさん!」
「ん、俺か?」
「はい、もしギルドに青い髪と白い髪の女の子二人組が来たら街の外に来いと伝えてください」
「わかった!任せておけ」
快く引き受けてくれ、二人は住宅街の方へ再び歩き出す。さて、俺達もハンターを見つけないとな。
「見つかってもないのに街の外って断定していいの?」
「ああ、街中で見つけたとしても外まで引きずり出す。被害は最小限に、な」
「そっか! そうだね、行こう!」
「ああ!」
◇
「ハンターと思わしき人物を発見!現在北の平原へ逃亡中!!」
龍騎士団が構えていた陣営に伝令の声が響き渡る。
「ただの噂かと思ったが、思ったより早く出てきたな」
「アラン団長!」
「ああ、行くぞ!」
龍騎士団もハンター討伐に向けて動き出す。
◇
「急げ! 龍騎士団に手柄を持っていかれるのも癪だ」
「「「はっ!!」」」
緑の鎧で揃えた一角獣騎士団は龍騎士団の滞在するカサドルの街へ馬を進めていた。とはいえ遠征用の荷物も積んだ馬車を引いている為、出せる速度はある程度制限されてしまう。
「ん、あれはなんだ?」
「鳥……じゃないか?」
「でも手足付いてるような……」
「じゃあワイバーンだ」
「ワイバーンって数年前から姿を消したはずだ。こんなところにいるなんて報告は聞いていない」
「どうした!」
団員達が空を見上げながら口々に喋りだし、不審に思った団長のハルバーが聞くと、団員の一人が空を指さす。見上げると鳥にもワイバーンにも見える生物が空を飛んでおり、確かにこの辺りでは見ない形状の生物だった。
「何だ、あれは……」
「な、なにか落ちてきます!!」
謎の飛行物体の背中から確かに何かが落ちてくる。だが太陽のせいでその姿をはっきりと判断出来ない。
「おいおい……まさか人か!?」
「う、馬を止めろ!!」
◇
「あれか」
「うん、そうだけど……」
「間違いない……」
遡ること数分前。レオはリュウの背中に飛び乗り謎の行列を追いかけ、その姿を捉えた。
「でもあれがどうかしたの?」
「真上まで来たらサエの所に戻れ。置いてきたからな」
「えぇ?……わかったけど何する気?」
リュウの質問に答えるよりも早くレオは飛び降りた。
飛び降りた、と言っても高さは数十メートル以上で普通の人間が飛び降りれば死ぬ高さだ。
「な、この高さから……馬鹿だ」
ハンターが結婚してるなんて流石に思いつかなかったな。
直接会ったわけではないが、聞いた話ではアラン団長よりも強く、殺しにとらわれてるって……世の中わからないもんだな。
「それまではどうしていたんですか? こんな事聞くのもあれかもしれませんが……血の飢えが無くなるわけじゃないんですよね?」
「ええ、二人で刀の力について調べて血の飢えを緩和できる方法を探しました。時には大魔森の魔物の血を吸わせてみたり、人間の食べ物で補ったり……私の血を少量吸わせて騙し騙しやった事もありました」
「そんな……暴走したら死んでしまうかもしれないのに……」
エヴァの言う通り殺されていてもなんの不思議はない。
「暴走した事は……何度かありました。でも、ちゃんと呼び掛けたら元に戻ってくれて……」
シャサールと言う奴も凄まじい精神力だ。もし俺が暴走したらエヴァを見て踏みとどまれるだろうか……いや、今はそんな事考えてる場合じゃない。
「それで、シャサールさんはどこに?」
「買い物の途中で家の方に駆け出して……昔来てた服を引っ張り出して外へ出ていってしまいました。私は……その、追いかけられなくて……」
「ゼラさんは今妊娠していて無理できる状況じゃないんだ」
そうだったのか。あまりお腹が目立ってなくて気づかなかった……
「わかりました。確か赤い騎士を見て様子がおかしくなったんですよね……恐らくこのままでは龍騎士団とハンター……シャサールさんがぶつかる事になります。それは俺達が止めますので、任せてください」
「ああ、よろしくお願いします……うぅ……」
「ゼラさん、無理するな。家まで帰ろう」
ニルダさんがゼラさんを支えるようにして住宅街の方へ歩いていく。
「あ、ニルダさん!」
「ん、俺か?」
「はい、もしギルドに青い髪と白い髪の女の子二人組が来たら街の外に来いと伝えてください」
「わかった!任せておけ」
快く引き受けてくれ、二人は住宅街の方へ再び歩き出す。さて、俺達もハンターを見つけないとな。
「見つかってもないのに街の外って断定していいの?」
「ああ、街中で見つけたとしても外まで引きずり出す。被害は最小限に、な」
「そっか! そうだね、行こう!」
「ああ!」
◇
「ハンターと思わしき人物を発見!現在北の平原へ逃亡中!!」
龍騎士団が構えていた陣営に伝令の声が響き渡る。
「ただの噂かと思ったが、思ったより早く出てきたな」
「アラン団長!」
「ああ、行くぞ!」
龍騎士団もハンター討伐に向けて動き出す。
◇
「急げ! 龍騎士団に手柄を持っていかれるのも癪だ」
「「「はっ!!」」」
緑の鎧で揃えた一角獣騎士団は龍騎士団の滞在するカサドルの街へ馬を進めていた。とはいえ遠征用の荷物も積んだ馬車を引いている為、出せる速度はある程度制限されてしまう。
「ん、あれはなんだ?」
「鳥……じゃないか?」
「でも手足付いてるような……」
「じゃあワイバーンだ」
「ワイバーンって数年前から姿を消したはずだ。こんなところにいるなんて報告は聞いていない」
「どうした!」
団員達が空を見上げながら口々に喋りだし、不審に思った団長のハルバーが聞くと、団員の一人が空を指さす。見上げると鳥にもワイバーンにも見える生物が空を飛んでおり、確かにこの辺りでは見ない形状の生物だった。
「何だ、あれは……」
「な、なにか落ちてきます!!」
謎の飛行物体の背中から確かに何かが落ちてくる。だが太陽のせいでその姿をはっきりと判断出来ない。
「おいおい……まさか人か!?」
「う、馬を止めろ!!」
◇
「あれか」
「うん、そうだけど……」
「間違いない……」
遡ること数分前。レオはリュウの背中に飛び乗り謎の行列を追いかけ、その姿を捉えた。
「でもあれがどうかしたの?」
「真上まで来たらサエの所に戻れ。置いてきたからな」
「えぇ?……わかったけど何する気?」
リュウの質問に答えるよりも早くレオは飛び降りた。
飛び降りた、と言っても高さは数十メートル以上で普通の人間が飛び降りれば死ぬ高さだ。
「な、この高さから……馬鹿だ」
「最弱属性魔剣士の雷鳴轟く」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
5,217
-
2.6万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
2,534
-
6,825
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
3,548
-
5,228
-
-
27
-
2
-
-
6,199
-
2.6万
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
2,860
-
4,949
-
-
215
-
969
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
344
-
843
-
-
450
-
727
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
65
-
390
-
-
3,653
-
9,436
-
-
10
-
46
-
-
3
-
2
-
-
14
-
8
-
-
1,000
-
1,512
-
-
62
-
89
-
-
187
-
610
-
-
2,629
-
7,284
-
-
71
-
63
-
-
86
-
288
-
-
23
-
3
-
-
86
-
893
-
-
477
-
3,004
-
-
89
-
139
-
-
83
-
250
-
-
33
-
48
-
-
4
-
1
-
-
218
-
165
-
-
3,224
-
1.5万
-
-
398
-
3,087
-
-
10
-
72
-
-
17
-
14
-
-
62
-
89
-
-
42
-
52
-
-
183
-
157
-
-
18
-
60
-
-
9
-
23
-
-
2,799
-
1万
-
-
7
-
10
-
-
9,173
-
2.3万
-
-
614
-
221
-
-
4
-
4
-
-
6
-
45
-
-
47
-
515
-
-
213
-
937
-
-
408
-
439
-
-
7,474
-
1.5万
-
-
1,301
-
8,782
-
-
2,430
-
9,370
-
-
5,039
-
1万
-
-
29
-
52
-
-
1,658
-
2,771
-
-
4,922
-
1.7万
-
-
220
-
516
-
-
83
-
2,915
-
-
116
-
17
-
-
265
-
1,847
-
-
614
-
1,144
-
-
1,392
-
1,160
-
-
42
-
14
-
-
88
-
150
-
-
51
-
163
-
-
34
-
83
-
-
164
-
253
-
-
104
-
158
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント
相鶴ソウ
あ、誤字です……
すいません。いつもありがとうございます。
330284 ( ^∀^)
ニルダさんが男が って多分誤字ですか?間違ってたらすみません