最弱属性魔剣士の雷鳴轟く
171話 三剣獣
「至天破邪剣征流 薙払の型 『横一文字斬り』!!」
周りに群がる団員を薙ぎ払いで一掃し、更にはその風圧で周りにいた団員達を跳ね飛ばす。
「ハァ……ハァ……流石に多いな」
「へばってきたか?」
「俺たちの兵力はまだまだこんなもんじゃないぜ」
「一人で乗り込んでくるなんざ馬鹿のするこさ」
「フッ……いいハンデだろっ!」
勢いに任せて振った銀月から豪快な斬撃が飛ぶ。とはいえ力任せに飛ばしたせいもあり、狙いは大きく逸れ、アジトの壁に衝突した。
「おいおい、やめてくれるか。お前一人の為に部下が何人もやられてるんだ。更にはアジトまで破壊する気か? 被害が計り知れない」
いつの間にやらレオの正面に三人の男女が立っていた。
赤紫色の髪に赤紫色のフレアコートを着たオルセイン。青紫色の髪をロングに伸ばし、同じ色のフレアコートを着たダーリア。そして赤色の髪をショートにし、赤色のフレアコートを着たカーミンだ。
「オルセイン様!」
「君達は下がっていろ。俺達が出る」
「は、はっ!」
「誰だお前ら」
「我らウェヌス盗賊団が三番手。三剣獣と言えば聞いた事はあるだろう」
「知らん」
「なっ……癪に触る。そんなに死にたいなら殺してやろう。カーミン、ダーリア、行け!」
「「はい!」」
オルセインの後ろに控えていたカーミン、ダーリアが一歩前に出て剣を抜く。その立ち姿からただ剣を構えているだけでも強者とわかる。
「至天破邪剣征流 薙払の型 『剣征之斬……」
「行くぞ!」
「覚悟!」
お互いに一気に距離を詰め、剣を交える。
「……大輪、花火』」
二人の一直線な斬撃をレオは横回転の斬撃と上方への打ち上げにより弾き、防御する。そのまま流れるように二人を通り過ぎ、レオが背後を取る。
「『燕返し』!」
カーミンの背中を斜めに斬り下ろし、返す刀でダーリアを斬り上げる。そしてそのまま振り返りオルセインを視界に入れ、銀月を鞘にしまう。
「一撃……? ふ、ふふふ……炎術 陽炎幻影!」
辺りの温度が一気に上昇し、周囲を歪ませながら陽炎が立ち昇る。それに包まれると消える様にオルセインは姿を消した。
「『画竜点睛』!」
脱力した腕から繰り出される強靭な一撃が横一文字に振り抜かれ、砂煙と共に陽炎が吹き飛ばされる。だが、オルセインは完全に姿を消しているのか、斬撃はそのまた後ろで控えていた団員達を一気に吹き飛ばしたが、オルセインには届かなかった。
そして陽炎を吹き飛ばしたのも一瞬の事で、すぐにまた陽炎が一帯を包む。
「この術は陽炎を利用した幻術で自分の姿を消すだけでなく自分の姿を偽る事も可能!」
その言葉通り、レオの周囲から次々にオルセインが現れ、合計七人のオルセインがレオを囲っている。それぞれがゆらゆらと揺らぎ、幻術だとわかるものの本物がどれかはわからない。
「ハァ……ハァ……ふぅー、確かに見分ける手段はなさそうだが……それもおれの前では無意味だ」
「何を?」
「至天破邪剣征流 相殺の型 『破邪開眼』」
破邪開眼とは突破の型なら『至天失斬烈風斬り』、薙払の型なら『剣征之斬』の様に、その型の起源になるような技で、相殺の型の中で一番最初に作られた技と言われている。
「なんだ? そのオーラ」
独特の雰囲気が目を瞑ったレオを取り囲み、なんとも言えない圧が周囲にのしかかる。
抜刀の構えを取ったまま動かないレオに対し、焦ったようにオルセインが駆け出す。七人のオルセインが前方を塞ぎながらも来るが、レオは未だ動かない。
「見掛け倒しか……いや、違う!?」
レオが目を開けると同時に周囲の圧が渦巻き、周囲を巻き込んで陽炎を吹き飛ばす。
「な、なにぃ……」
断末魔に似た叫びを響かせながらオルセインは胴体から血を吹き出して膝をついた。レオは驚愕の表情を浮かべたまま倒れていくオルセインを見る事も無くまだまだ数の減らない団員に目を向ける。
「体力使わせやがって……」
『破邪開眼』とは、幻術や偽りを見抜く目を開眼する技。その分体力や集中力を限りなく消費する技でもある。
「そ、そんな……三剣獣が……」
「こいつ、何者なんだ」
「来い、この支部はおれがぶった斬って潰す」
「ひぃぃ……」
オルセインら三人があまりにもあっさりとやられた事で流石にレオの脅威がより具体的に団員達にのしかかり、冷や汗が流れる。
支部にいる団員を総動員して攻撃しているにも関わらず鈍らない動き、すでに半分以上がやられているという事実、切り札があっけなくやられてしまったという三つの事象が団員達の戦意を削っている。
とはいえ流石のレオも無傷ではない。休みなく動き続け、もともと体力や集中力を消費する至天破邪剣征流を連続で使っている。常人ならば倒れていてもおかしくはないだろう。
「ひ、怯むな……かかれぇ!! 数はこっちが勝ってるんだ! 相手も無敵じゃない!疲れだって出てるぞ!」
「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」
周りに群がる団員を薙ぎ払いで一掃し、更にはその風圧で周りにいた団員達を跳ね飛ばす。
「ハァ……ハァ……流石に多いな」
「へばってきたか?」
「俺たちの兵力はまだまだこんなもんじゃないぜ」
「一人で乗り込んでくるなんざ馬鹿のするこさ」
「フッ……いいハンデだろっ!」
勢いに任せて振った銀月から豪快な斬撃が飛ぶ。とはいえ力任せに飛ばしたせいもあり、狙いは大きく逸れ、アジトの壁に衝突した。
「おいおい、やめてくれるか。お前一人の為に部下が何人もやられてるんだ。更にはアジトまで破壊する気か? 被害が計り知れない」
いつの間にやらレオの正面に三人の男女が立っていた。
赤紫色の髪に赤紫色のフレアコートを着たオルセイン。青紫色の髪をロングに伸ばし、同じ色のフレアコートを着たダーリア。そして赤色の髪をショートにし、赤色のフレアコートを着たカーミンだ。
「オルセイン様!」
「君達は下がっていろ。俺達が出る」
「は、はっ!」
「誰だお前ら」
「我らウェヌス盗賊団が三番手。三剣獣と言えば聞いた事はあるだろう」
「知らん」
「なっ……癪に触る。そんなに死にたいなら殺してやろう。カーミン、ダーリア、行け!」
「「はい!」」
オルセインの後ろに控えていたカーミン、ダーリアが一歩前に出て剣を抜く。その立ち姿からただ剣を構えているだけでも強者とわかる。
「至天破邪剣征流 薙払の型 『剣征之斬……」
「行くぞ!」
「覚悟!」
お互いに一気に距離を詰め、剣を交える。
「……大輪、花火』」
二人の一直線な斬撃をレオは横回転の斬撃と上方への打ち上げにより弾き、防御する。そのまま流れるように二人を通り過ぎ、レオが背後を取る。
「『燕返し』!」
カーミンの背中を斜めに斬り下ろし、返す刀でダーリアを斬り上げる。そしてそのまま振り返りオルセインを視界に入れ、銀月を鞘にしまう。
「一撃……? ふ、ふふふ……炎術 陽炎幻影!」
辺りの温度が一気に上昇し、周囲を歪ませながら陽炎が立ち昇る。それに包まれると消える様にオルセインは姿を消した。
「『画竜点睛』!」
脱力した腕から繰り出される強靭な一撃が横一文字に振り抜かれ、砂煙と共に陽炎が吹き飛ばされる。だが、オルセインは完全に姿を消しているのか、斬撃はそのまた後ろで控えていた団員達を一気に吹き飛ばしたが、オルセインには届かなかった。
そして陽炎を吹き飛ばしたのも一瞬の事で、すぐにまた陽炎が一帯を包む。
「この術は陽炎を利用した幻術で自分の姿を消すだけでなく自分の姿を偽る事も可能!」
その言葉通り、レオの周囲から次々にオルセインが現れ、合計七人のオルセインがレオを囲っている。それぞれがゆらゆらと揺らぎ、幻術だとわかるものの本物がどれかはわからない。
「ハァ……ハァ……ふぅー、確かに見分ける手段はなさそうだが……それもおれの前では無意味だ」
「何を?」
「至天破邪剣征流 相殺の型 『破邪開眼』」
破邪開眼とは突破の型なら『至天失斬烈風斬り』、薙払の型なら『剣征之斬』の様に、その型の起源になるような技で、相殺の型の中で一番最初に作られた技と言われている。
「なんだ? そのオーラ」
独特の雰囲気が目を瞑ったレオを取り囲み、なんとも言えない圧が周囲にのしかかる。
抜刀の構えを取ったまま動かないレオに対し、焦ったようにオルセインが駆け出す。七人のオルセインが前方を塞ぎながらも来るが、レオは未だ動かない。
「見掛け倒しか……いや、違う!?」
レオが目を開けると同時に周囲の圧が渦巻き、周囲を巻き込んで陽炎を吹き飛ばす。
「な、なにぃ……」
断末魔に似た叫びを響かせながらオルセインは胴体から血を吹き出して膝をついた。レオは驚愕の表情を浮かべたまま倒れていくオルセインを見る事も無くまだまだ数の減らない団員に目を向ける。
「体力使わせやがって……」
『破邪開眼』とは、幻術や偽りを見抜く目を開眼する技。その分体力や集中力を限りなく消費する技でもある。
「そ、そんな……三剣獣が……」
「こいつ、何者なんだ」
「来い、この支部はおれがぶった斬って潰す」
「ひぃぃ……」
オルセインら三人があまりにもあっさりとやられた事で流石にレオの脅威がより具体的に団員達にのしかかり、冷や汗が流れる。
支部にいる団員を総動員して攻撃しているにも関わらず鈍らない動き、すでに半分以上がやられているという事実、切り札があっけなくやられてしまったという三つの事象が団員達の戦意を削っている。
とはいえ流石のレオも無傷ではない。休みなく動き続け、もともと体力や集中力を消費する至天破邪剣征流を連続で使っている。常人ならば倒れていてもおかしくはないだろう。
「ひ、怯むな……かかれぇ!! 数はこっちが勝ってるんだ! 相手も無敵じゃない!疲れだって出てるぞ!」
「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」
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