最弱属性魔剣士の雷鳴轟く
59話 vs虎
「至天破邪剣征流 薙払の型 『横一文字斬り』!!」
レオは素早く抜刀し、横一文字に斬り付ける。斬撃は歯を剥き出していた虎の牙に当たり、痛みと衝撃に虎は一瞬怯む。
その隙に俺は馬車を止め、エヴァを起こす。
「エヴァ! 馬車止まったぞ。今からあの虎と戦う。行けるか?」
「う、うん」
まだ顔色が悪そうなエヴァを一旦馬車に残し、俺は馬車から降りる。エヴァならすぐに回復出来るだろうが、少し時間をあげないと流石に酷だ。とりあえずは俺とレオで抑え込むしかない。
レオの様子を確認すると、虎と睨み合ったまま一定の間隔を開けて牽制し合っている。
俺はテンペスターとシュデュンヤーを抜きレオの隣まで歩いていく。レオの一撃で怯んでいた虎も、もう立て直している。
「至天破邪剣征流 突破の型 『突き立てる牙』!」
ジャンプと同時に抜刀、左手を伸ばし、右手に持った刀をまっすぐ構えそのまま突く。虎は見た目とは裏腹に素早い動きでかわすが、斬撃の衝撃で毛を持っていかれる。
素早い機動力はあるが、避けきるにはその巨体が邪魔なんだろう。
「黒帝流 剣狼・極」
テンペスターを持った右手を曲げ、シュデュンヤーを持った左手をまっすぐ構え、瞬動術で突っ込む。
そのままシュデュンヤーで突き、次に右手を突き出し、テンペスターで虎の左足を突き刺す。刺突の剣狼を二刀流に応用させた二段構えの刺突。威力も当然上がっている。
「よし、攻撃は通るな」
テリア山の魔物みたく体毛で弾かれたりしたらたまったもんじゃない。剣を引き抜き、後ろに下がる。
レオも少し離れたところにいる。この虎の一番の脅威はやはりあの高エネルギーを放出するあの技。あれをされたらこっちにも被害が出るだろう。となると、やっぱり速攻で決めるしかない。
「雷術奥義 雷化・天装衣!!」
全身から放電し雷化する。
もう鏡盾無しでも雷化はできる。地獄での修行の賜物で、自力で雷化出来る程魔力量を増幅させた。更に雷化の新しい活用法で、この状態の俺なら相手や自然発生の雷を吸収して魔力に変換できる。
「なんだそれ?」
「自分の体質を雷に変える魔術だ。さっさと決めるぜ……」
「おう……至天破邪剣征流 突破の型 『地を這う大蛇』」
「神鳴術 神鳴放電砲」
レオはサッと二代銀月を抜き両手で頭上に掲げ、そのまま地面に叩きつける。
叩きつけられた剣先から斬撃が飛び出し、ガガガガと地面を削りながら、蛇の如くくねり虎へ迫る。
俺は手のひらを向かい合わせ、超高電圧の雷を放出する。地面にバチバチと電流が流れるほどの大砲が駆け抜け虎に直撃。
レオの斬撃と相まって大爆発を起こす。
「こいつ、本当に何なんだ」
「さぁな。とにかく、これで少しは……いや、駄目みたいだな」
土煙が収まると球体の透明な膜のようなもので守られた虎が現れる。どうやらさっきの攻撃はあの膜が守ったらしい。
イザベラさんが使っていた球状聖域に似ているが、魔術を使える魔物って事だろうか。
「全く効いてない、か」
「グウォォォォォォ!!!」
咆哮と共に球状の膜が破れ風が吹き抜ける。と、その風に合わせて小さな稲妻が虎を中心に落ちる。
小さな稲妻とはいえ、雷をも自在に操れるのか……
と、考えていた時左肩に稲妻が落ちる。
「クロト!」
「大丈夫だ」
俺は左肩に当たった雷を吸収し自分の魔力に変換させる。
「うお、なんだそれ。無敵か?」
「雷属性だけだがな。さっさと決めるぜ」
俺はテンペスターとシュデュンヤーを地面に突き刺し手を離す。
拳を握って腕に力を込め、腕の周りに肘から先だけの雷の腕を複数作り出す。片手に六本ずつ、本体も合わせて計十四本の腕だ。
「行くぜ……」
瞬動術で虎の懐に飛び込む。雷化して居る時の瞬動術はまさに雷の如き速度で、離脱にも接近にも、何でも使える汎用性が強い。当然虎もまだ俺の異場所に気付けていない。
腰を落とし、全力の力を込めて右手、左手の順に虎の腹に拳をねじ込む。更に作り出した腕も連動して虎を殴る。
「神鳴術 雷崩連拳撃」
「グギャァァ?」
突然下からの強力な衝撃を与えられ虎は間抜けな声を上げる。これだけ図体がでかくても十四連弾の拳により体が持ち上がる。
「レオ!!」
「ああ。至天破邪剣征流 薙払の型 『麒麟駆け』!」
レオは一気に虎に肉薄し、素早く抜刀。
目にも止まらぬ連撃を虎に叩き込む。刀が弧を描き、斬撃が目に見えるほどのスピードで何度も何度も斬る。虎は体勢も立て直す事が出来ないまま空中で何度も斬撃を浴びる。
「グ、グァァ」
一際大きな斬撃を受け虎はそのまま地面に背中から倒れる。
「はぁ……はぁ……十一連撃、か」
「すごいな。レオ」
「ああ……だが体力消費が激しいんだ……」
俺は雷化を解き、地面に突き刺したままのテンペスターとシュデュンヤーを抜き鞘におさめる。
レオは二代銀月を杖代わりにしながら休憩している。
エヴァは……? 後ろを振り返ると荷台に腰掛けながら手を振ってる。無事みたいだな。
さて、早いうちに離れるか。またこいつが暴れだしても困るからな。
レオは素早く抜刀し、横一文字に斬り付ける。斬撃は歯を剥き出していた虎の牙に当たり、痛みと衝撃に虎は一瞬怯む。
その隙に俺は馬車を止め、エヴァを起こす。
「エヴァ! 馬車止まったぞ。今からあの虎と戦う。行けるか?」
「う、うん」
まだ顔色が悪そうなエヴァを一旦馬車に残し、俺は馬車から降りる。エヴァならすぐに回復出来るだろうが、少し時間をあげないと流石に酷だ。とりあえずは俺とレオで抑え込むしかない。
レオの様子を確認すると、虎と睨み合ったまま一定の間隔を開けて牽制し合っている。
俺はテンペスターとシュデュンヤーを抜きレオの隣まで歩いていく。レオの一撃で怯んでいた虎も、もう立て直している。
「至天破邪剣征流 突破の型 『突き立てる牙』!」
ジャンプと同時に抜刀、左手を伸ばし、右手に持った刀をまっすぐ構えそのまま突く。虎は見た目とは裏腹に素早い動きでかわすが、斬撃の衝撃で毛を持っていかれる。
素早い機動力はあるが、避けきるにはその巨体が邪魔なんだろう。
「黒帝流 剣狼・極」
テンペスターを持った右手を曲げ、シュデュンヤーを持った左手をまっすぐ構え、瞬動術で突っ込む。
そのままシュデュンヤーで突き、次に右手を突き出し、テンペスターで虎の左足を突き刺す。刺突の剣狼を二刀流に応用させた二段構えの刺突。威力も当然上がっている。
「よし、攻撃は通るな」
テリア山の魔物みたく体毛で弾かれたりしたらたまったもんじゃない。剣を引き抜き、後ろに下がる。
レオも少し離れたところにいる。この虎の一番の脅威はやはりあの高エネルギーを放出するあの技。あれをされたらこっちにも被害が出るだろう。となると、やっぱり速攻で決めるしかない。
「雷術奥義 雷化・天装衣!!」
全身から放電し雷化する。
もう鏡盾無しでも雷化はできる。地獄での修行の賜物で、自力で雷化出来る程魔力量を増幅させた。更に雷化の新しい活用法で、この状態の俺なら相手や自然発生の雷を吸収して魔力に変換できる。
「なんだそれ?」
「自分の体質を雷に変える魔術だ。さっさと決めるぜ……」
「おう……至天破邪剣征流 突破の型 『地を這う大蛇』」
「神鳴術 神鳴放電砲」
レオはサッと二代銀月を抜き両手で頭上に掲げ、そのまま地面に叩きつける。
叩きつけられた剣先から斬撃が飛び出し、ガガガガと地面を削りながら、蛇の如くくねり虎へ迫る。
俺は手のひらを向かい合わせ、超高電圧の雷を放出する。地面にバチバチと電流が流れるほどの大砲が駆け抜け虎に直撃。
レオの斬撃と相まって大爆発を起こす。
「こいつ、本当に何なんだ」
「さぁな。とにかく、これで少しは……いや、駄目みたいだな」
土煙が収まると球体の透明な膜のようなもので守られた虎が現れる。どうやらさっきの攻撃はあの膜が守ったらしい。
イザベラさんが使っていた球状聖域に似ているが、魔術を使える魔物って事だろうか。
「全く効いてない、か」
「グウォォォォォォ!!!」
咆哮と共に球状の膜が破れ風が吹き抜ける。と、その風に合わせて小さな稲妻が虎を中心に落ちる。
小さな稲妻とはいえ、雷をも自在に操れるのか……
と、考えていた時左肩に稲妻が落ちる。
「クロト!」
「大丈夫だ」
俺は左肩に当たった雷を吸収し自分の魔力に変換させる。
「うお、なんだそれ。無敵か?」
「雷属性だけだがな。さっさと決めるぜ」
俺はテンペスターとシュデュンヤーを地面に突き刺し手を離す。
拳を握って腕に力を込め、腕の周りに肘から先だけの雷の腕を複数作り出す。片手に六本ずつ、本体も合わせて計十四本の腕だ。
「行くぜ……」
瞬動術で虎の懐に飛び込む。雷化して居る時の瞬動術はまさに雷の如き速度で、離脱にも接近にも、何でも使える汎用性が強い。当然虎もまだ俺の異場所に気付けていない。
腰を落とし、全力の力を込めて右手、左手の順に虎の腹に拳をねじ込む。更に作り出した腕も連動して虎を殴る。
「神鳴術 雷崩連拳撃」
「グギャァァ?」
突然下からの強力な衝撃を与えられ虎は間抜けな声を上げる。これだけ図体がでかくても十四連弾の拳により体が持ち上がる。
「レオ!!」
「ああ。至天破邪剣征流 薙払の型 『麒麟駆け』!」
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目にも止まらぬ連撃を虎に叩き込む。刀が弧を描き、斬撃が目に見えるほどのスピードで何度も何度も斬る。虎は体勢も立て直す事が出来ないまま空中で何度も斬撃を浴びる。
「グ、グァァ」
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