最弱属性魔剣士の雷鳴轟く
43話 成長と予感
「はぁぁぁ!!」
テンペスターを向けた方向へ雷が迸り、小さな稲妻が降り注ぐ。数十体のゾンビが感電し、爆発を起こす。体の原型が無くなるほどに爆散させれば、機能が停止するということをついさっき知り、この戦法を取っている。
アンデットに感電が効くのかと少し驚いたが、小難しい事は無視無視。楽に倒せるならそれに越したことは無い。
「はぁ……しかし多いな」
あれから約三十分。
前、後ろ、左、右。ありとあらゆる方向から仕掛けてくるアンデット達を斬って斬って斬りまくってるが、一向に数が減らない。
ヒュウっという風を切る音が後ろの方から聞こえ、視界の端で確認するとスケルトンが矢を飛ばしてきている。それを右手のテンペスターで撃ち落とし左手のシュデュンヤーから斬撃を飛ばしスケルトンを無力化。両サイドからよってきたゾンビをテンペスターとシュデュンヤーを振り下ろし切り裂く。
テンペスターで斬った方のゾンビはまだ死んでいないのでシュデュンヤーをフルスイングしてゾンビにとどめを刺す。
その時に周りの数体を道連れにする。
「……っ!」
突然目の前のゾンビたちが吹き飛び砂煙が舞う。砂煙の向こうからダークナイトが現れる。三メートル近くあるスケルトンに黒い鎧とマントを受けた魔物で、右手には大剣を握っている。確か一級魔物、気は抜けねぇ。
上から振り下ろしてくるダークナイトの大剣をテンペスターを斜めにして受け流し地面に流す。そこへすかさず瞬動術で股下を掻い潜りマントを突き抜け後ろへ回る。
だが、マントで見えなかった後ろ側にはスケルトンやゾンビがうようよ待ち構えていた。
「びっくりするな! 雷帝流 雷撃一閃」
半円に薙ぎ払ったシュデュンヤーから放たれた雷撃により前線にいたゾンビ達は退けるが後ろからまだまだやってくる。
更にダークナイトも消えた俺が後ろに回り込んでいると気づき振り返る。
「くそ……どうしたもんか」
目の前にはダークナイト。後ろにはアンデッド軍団。
ダークナイトが大剣を再び振り上げ、振り下ろす。咄嗟にテンペスターとシュデュンヤーを交差させ腰を落として受け止める。二年前の俺なら重みと衝撃で潰れそうだが、このぐらいの攻撃であれば今の俺には効かない。
「この……おらぁぁ!」
大剣を跳ね除け攻撃に転じる。
テンペスターとシュデュンヤーを素早く鞘に直し、一気にダークナイトの胸元に飛び込む。
「ぶっ倒れろ。雷術 雷撃」
ダークナイトの体中に衝撃と雷が迸り、落雷が起きたのと同等の威力を発揮する。プシューと黒い煙を上げながら倒れるダークナイト。
だが、こいつはアンデッド……まだ生きてる。
ダークナイトの肋骨の部分をはしごの様にして顔の高さまで登り、シュデュンヤーを抜いて頭を真っ二つに斬る。
「ガ、ガガ グガァァァァ」
バキバキと骨が折れ断末魔の叫びをあげながらダークナイトは動かなくなる。
「よし、でも……これはまずいな……」
「カラカラカラカラ」
「うぁぁぁぁぁ」
「おぉぉぉぉぉぉ」
アンデットが隊列を組み俺を狙っていた。
円形に組まれた隊列の前列にゾンビの大群。その後ろで弓を構えるスケルトン。更にその後ろで構えるオークゾンビ。
こんな隊列が組めるなんて、やっぱりただのアンデッドじゃない。
「ここまで数で負けてると、どうにもならねぇような気がするな……」
そして何を合図にしたか知らないが突然ゾンビ軍団が迫ってくる。スケルトンも弓を引き絞る。前衛の陰に隠れながら遠距離とは、いやらしい奴らだ。
「氷術 雹絶世界」
次の瞬間辺り一面氷に覆われる。
すぐ数センチにまで迫っていたゾンビも奥で待ち構えていたオークゾンビも、みんな残らず凍りきってしまった。
「これは……」
「クロト!」
突然暗くなったかと思うとアルギュロスに乗ったエヴァが飛んできてすぐ近くに着地する。
「エヴァか! 助かったぜ」
「間に合ってよかった……!」
「よし、このまま……」
次の瞬間、後方から風が吹き抜ける。
振り返るとそこでは大爆発が起きていた。だが、ただの爆炎じゃない。真っ白な炎だ。
あんな規模の魔術を使える奴がこの戦場にいるとは思えない。一瞬グレイド達の魔術かと思ったが、この二年間一緒にいて、一度も見た事が無いので恐らく違うだろう。
となれば敵襲か。いや、違う。この感じ……懐かしい気配。もしかして……
ーあとがきーーーーーーーーーーーーーー
だいたい1500文字ぐらい目安で書いてますが、長さどうですかね?
39話〜物語を改変、増筆しました!
テンペスターを向けた方向へ雷が迸り、小さな稲妻が降り注ぐ。数十体のゾンビが感電し、爆発を起こす。体の原型が無くなるほどに爆散させれば、機能が停止するということをついさっき知り、この戦法を取っている。
アンデットに感電が効くのかと少し驚いたが、小難しい事は無視無視。楽に倒せるならそれに越したことは無い。
「はぁ……しかし多いな」
あれから約三十分。
前、後ろ、左、右。ありとあらゆる方向から仕掛けてくるアンデット達を斬って斬って斬りまくってるが、一向に数が減らない。
ヒュウっという風を切る音が後ろの方から聞こえ、視界の端で確認するとスケルトンが矢を飛ばしてきている。それを右手のテンペスターで撃ち落とし左手のシュデュンヤーから斬撃を飛ばしスケルトンを無力化。両サイドからよってきたゾンビをテンペスターとシュデュンヤーを振り下ろし切り裂く。
テンペスターで斬った方のゾンビはまだ死んでいないのでシュデュンヤーをフルスイングしてゾンビにとどめを刺す。
その時に周りの数体を道連れにする。
「……っ!」
突然目の前のゾンビたちが吹き飛び砂煙が舞う。砂煙の向こうからダークナイトが現れる。三メートル近くあるスケルトンに黒い鎧とマントを受けた魔物で、右手には大剣を握っている。確か一級魔物、気は抜けねぇ。
上から振り下ろしてくるダークナイトの大剣をテンペスターを斜めにして受け流し地面に流す。そこへすかさず瞬動術で股下を掻い潜りマントを突き抜け後ろへ回る。
だが、マントで見えなかった後ろ側にはスケルトンやゾンビがうようよ待ち構えていた。
「びっくりするな! 雷帝流 雷撃一閃」
半円に薙ぎ払ったシュデュンヤーから放たれた雷撃により前線にいたゾンビ達は退けるが後ろからまだまだやってくる。
更にダークナイトも消えた俺が後ろに回り込んでいると気づき振り返る。
「くそ……どうしたもんか」
目の前にはダークナイト。後ろにはアンデッド軍団。
ダークナイトが大剣を再び振り上げ、振り下ろす。咄嗟にテンペスターとシュデュンヤーを交差させ腰を落として受け止める。二年前の俺なら重みと衝撃で潰れそうだが、このぐらいの攻撃であれば今の俺には効かない。
「この……おらぁぁ!」
大剣を跳ね除け攻撃に転じる。
テンペスターとシュデュンヤーを素早く鞘に直し、一気にダークナイトの胸元に飛び込む。
「ぶっ倒れろ。雷術 雷撃」
ダークナイトの体中に衝撃と雷が迸り、落雷が起きたのと同等の威力を発揮する。プシューと黒い煙を上げながら倒れるダークナイト。
だが、こいつはアンデッド……まだ生きてる。
ダークナイトの肋骨の部分をはしごの様にして顔の高さまで登り、シュデュンヤーを抜いて頭を真っ二つに斬る。
「ガ、ガガ グガァァァァ」
バキバキと骨が折れ断末魔の叫びをあげながらダークナイトは動かなくなる。
「よし、でも……これはまずいな……」
「カラカラカラカラ」
「うぁぁぁぁぁ」
「おぉぉぉぉぉぉ」
アンデットが隊列を組み俺を狙っていた。
円形に組まれた隊列の前列にゾンビの大群。その後ろで弓を構えるスケルトン。更にその後ろで構えるオークゾンビ。
こんな隊列が組めるなんて、やっぱりただのアンデッドじゃない。
「ここまで数で負けてると、どうにもならねぇような気がするな……」
そして何を合図にしたか知らないが突然ゾンビ軍団が迫ってくる。スケルトンも弓を引き絞る。前衛の陰に隠れながら遠距離とは、いやらしい奴らだ。
「氷術 雹絶世界」
次の瞬間辺り一面氷に覆われる。
すぐ数センチにまで迫っていたゾンビも奥で待ち構えていたオークゾンビも、みんな残らず凍りきってしまった。
「これは……」
「クロト!」
突然暗くなったかと思うとアルギュロスに乗ったエヴァが飛んできてすぐ近くに着地する。
「エヴァか! 助かったぜ」
「間に合ってよかった……!」
「よし、このまま……」
次の瞬間、後方から風が吹き抜ける。
振り返るとそこでは大爆発が起きていた。だが、ただの爆炎じゃない。真っ白な炎だ。
あんな規模の魔術を使える奴がこの戦場にいるとは思えない。一瞬グレイド達の魔術かと思ったが、この二年間一緒にいて、一度も見た事が無いので恐らく違うだろう。
となれば敵襲か。いや、違う。この感じ……懐かしい気配。もしかして……
ーあとがきーーーーーーーーーーーーーー
だいたい1500文字ぐらい目安で書いてますが、長さどうですかね?
39話〜物語を改変、増筆しました!
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