最弱属性魔剣士の雷鳴轟く

アイズ

36話 それぞれの想い

クロト達が出て行って少したった頃。
ブルーバードでは……


「結局、サラマンダーを倒しに行った日に言えず、旅立っちまった」

「うむ」

「これで、良かったと思うか?」

「まぁ少なくとも言わない方があいつにとっては良いだろう
自ら犯罪者になれって言っているようなものだ」

「そうだよな」

「うむ
エヴァリオン……あいつは素質があった」

「こっちの道か?」

「いや、バーテンダーとしての……だ」

「ふ、そうか」






俺とエヴァ、そしてアルギュロスはグレイド達と合流するためセントレイシュタンを目指した。
と言ってもブルーバードから歩いて三十分かからない距離なのでなんの問題もなく到着した。


「ここが第二の都市とまで言われてるセントレイシュタンか
でかいしきれいだな」

「城下町とはまた雰囲気が違うね」

「そうだな」

「主よ 我は情報収集と街の把握に向かいます」

「ああ、頼む
特にイザベラさんがいなくなった後の天馬ペガサス騎士団の状況を調べてきてくれ」

「御意」


それだけ言い残すと俺の肩から家々の屋根に飛び乗りすぐに姿を消した。


アルギュロスに関しては街にいる間情報収集をしてもらうことにしたのだ。
一緒にいると人が群がってきて大変だからな。特に女性。


「さて、エヴァ どうしようか」

「そのグレイドさんって人とはどうやって落ち合うことになってるの?」

「んーと、絶対わかる合図を送るからって言われたけど……
仕方ない。それっぽい合図が来るまで歩き回るか」

「うん!」


俺達はセントレイシュタンの大通りをぶらぶら歩きながらいろいろな店を見て回る。


エルトリア城下町国民区大通りと同じく商人たちが店を開き、売り込みをしている。
エヴァはやはり買い物が好きらしく、あっちを見てはこっちを見て、見てるこっちが疲れてくる。


「あんまりはしゃぐなよ」

「わかってる〜」


本当にわかってるんだか……






同時刻。エルトリア城下町騎士団区騎士団墓地。
天馬ペガサス騎士団 元騎士団長 イザベラ墓前。


「エイナさん」

「ん、あーマナちゃん!」

「お久しぶりです」

「久しぶりだね」


そこにはクロトの友、マナティアと新団長のエイナの姿があった。


「お互い大切な人達を失っちゃったね」

「そうですね……
クロトにエヴァ それに続くようにイザベラさん」

「本当に……本当に惜しい人を無くしたわ」

「エイナさん、お墓参りですか?」

「え? あ、まぁそんなところね 
ただこれから少し遠出する予定があるから顔出しておこうと思って
と言ってもお花すら持ってきてないんだけど……」

「じゃあ、その花は……?」


イザベラの墓には一輪の花が置かれていた。


「ほんとだ
誰だろう?」

「確か……ガザニア、でしたっけ」

「よく知ってるわね 花の名前なんて私全然わからないわ」

「母が好きなので お花」

「そっか
将来はどうするつもりなの? 家を継ぐの?」

「いえ、今は兵士になりたいと思ってます」

「兵士……って言ってもいっぱいあるわよ」

「はい、その、できれば天馬ペガサス騎士団に……」

「……ほんとに!
私はもちろん歓迎するわよ
でも騎士団への加入には普通の人とは違う学園の卒業の仕方になるわ」

「えっと、確か……通常学園で四年間勉強してからそれぞれの職についたりするものだけど、
二年間だけ勉強して……えっと」

「実技試験ね
そのあと兵士科と騎士科に分かれて兵士科なら帝国軍、特別精鋭隊、近衛隊の三つ、騎士科ならドラゴン一角獣ユニコーン天馬ペガサスの三つから選択して入団入隊って感じね」

「なるほど……」

「因みに特別精鋭隊と近衛隊に関しては実技試験上位三十名にのみ選択可能よ」

「そうなんですか
でも私は騎士団志望なのであまり関係ないですね」

「そうね 早くても後一年
新団員歓迎会で会えることを楽しみにしてるわ
じゃあね」


エイナは早足で墓地を抜けた。






ちょいちょい店を覗きながら俺達は街の中心にある巨大な噴水に辿り着いた。
ここにもちらほら露店を出している商人がいるな。


「さて、あれから一時間ぐらい経ったが、一向に連絡が来る気配はないな」

「あ、そういえばこの街、冒険者ギルドがあるんだよ
行ってみよう?」

「冒険者ギルドか
よし、行ってみるか」

「うん!」






???「さて、結果をまずは聞こうか」

リヴァ「ワシらは雪山にて例の二人と交戦した
結果として殺せたかどうかはわからん」

???「どういう事だ」

フロリエル「ひぇひぇひぇひぇひぇ
途中で雪崩が起きましてねぇ
我々も退くしかなかったのです」

???「なるほど アリス お前の方は一応聞いたが、この二人にも話してやれ」

アリス「わかったわ
私とエンリ、リンリでアルバレス公爵領を攻めたわ
結果としてはまぁまぁってところね」

フロリエル「ひぇひぇひぇひぇひぇ
確か帝国にはファリオスとかいう化物がいるらしいですが?」

アリス「ええ、そのファリオスに邪魔されたわ」

リヴァ「どちらも成功とは言えなかったようじゃな」

???「まぁいいさ 今帝国とぶつかったところでこちらに勝ち目はほとんどない
あと二年は準備期間だ まぁその間何もしないわけじゃないがな……ククク」

リヴァ「ところでアリス
今、エンリとリンリはどこにおる?」

アリス「戦いの傷もかなり治ったから休暇がてら人間の大陸に行ってるわ
場所は確か……」






俺達は広場の噴水から少し歩いた大通りとは別の通りにある巨大建物の前にいた。


「ここが……」

「宿兼酒場兼冒険者ギルド……」

「見た目はただのボロい酒場だな
とりあえず入ってみるか?」

「うん!」


俺は少し緊張しながらも重い木の扉を開く。
中は酒場風で若干ブルーバードと似た雰囲気がある。


中は静かだった。
てっきり荒くれ共のどんちゃん騒ぎを想像してただけにかなり意外だ。


「…………うぐ」


薄暗い酒場の中心に立っていた大男がこちら側に倒れた。
そしてさっきまでは大男で見えなかったが、大男より向こう側、カウンターの手前に二人の少女がいた。


二人共褐色の肌で、白い髪。一人はショートでもう一人はロングだ。
ロングの方の少女が、槍を倒れた男の首元に向ける。


「ふん……この程度でシルバー級冒険者か?
がっかりだな」

「う……つぇ」

「エンリ、落ち着いて」


ショートの少女が、ロングの少女ーーエンリーーをなだめる。


「ん?リンリ お前も思わないか?
この程度でシルバー級だ」

「黙って聞いてりゃおいてめぇ」


倒れている大男に負けないほどでかい男が席から立ち上がり二人に近づく。
おいおい。止めなくていいのか?
受付嬢はひきつった笑みを浮かべバーテンダーらしき男も興味がないらしい。


「止めたほうがいいと思うか?」

「うん」

「じゃあ止めるか
エヴァはあっちの女の子を止めてくれ
俺は大男を止める」

「わかった」


俺はテンペスターに手を添える。
相手が素手ならこいつの出番はないな。


「おれぁゴールド級だ
本当の恐ろしさ 教えてやるぜ」


男は拳を振り上げ二人に狙いを定める。
対する二人はリンリと呼ばれたショートの少女は少し後ろに下がり、エンリは槍を構えている。
俺とエヴァは走りより、背中合わせに滑り込んだ。
そして右手に魔力を込める。


「まぁ落ち着けよ
雷術 雷拳」

「氷術 交差する氷クロスアイス


俺の拳が男の顎を捉えそのまま後ろへ吹き飛んだ。
エヴァの方は、地面から何本かの氷の棒を斜めに交差するように突き上げ槍を防いだ。


「な……誰だお前達」

「あんまり暴れるとギルドの人も迷惑」




ーあとがきーーーーーーーーーーーーーー
36話 読んでいただきありがとうございます!


すいません。諸事情で今回はこれだけで。

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コメント

  • アイズ

    ありがとうございます!
    自分で書いた絵じゃないのであれですが……ありがとうございます!

    0
  • 虹ウサギ

    表紙の絵上手ですね!可愛い~(*≧з≦)
    自分はあんまり絵が得意じゃないからな~

    1
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