前世は皆に恐れられた優しき英雄、今世は出来損ないの英雄
五話 オリヒメ後編
「イ.....セイ...セイッ」
自分を呼ぶ声が聞こえ目を開けると、そこは真白な空間だった。その空間は、どっちが下で上なのかわからなかった。そもそも自分は立っているのか、横になっているのかさえもわからない。そんな事を考えていると、
「ここは、セイ貴方の意識の中」
声がした方を見ると、和服姿の女性が立っていた。
「オリヒメ...!」
となぜかすっと女性の、名を呼べた。
「私の名前は思い出せたみたいね」
と彼女は言った。
「君は、一体何者なんだ...それに君はここを僕の意識の中と言ったが、それなら君はなぜここに居るの...?」
「それは、私が貴方の相棒だから....」
と僕の質問に答えた。
「...?、僕の相棒は夜美だし姿も服装も君とは違う...」
と僕が言うと、オリヒメの姿が一瞬で夜美の姿になった。
「これで信じてもらえる...?それに今はそんなにゆっくり話してられない。...セイ貴方が起きる前に、貴方にこれから必要になる記憶を思い出してもらう...」
と言って僕に近ずいて来る。オリヒメは、僕の前に立つと、僕の頭に触れた。
「っ...!?いっ頭がッ」
「大丈夫...すぐ...終わるから.....」
僕が右手で頭を抑え痛そうにしていると、オリヒメがそう言った。頭痛を必死に我慢している間忘れていたはずの記憶がどんどん頭の中に思い出されて行く。数秒後にはもう終わった。
「セイ、まだ全てを思い出したわけじゃないけど...また近いうちに、貴方は自力で思い出すはずよ...あと、今貴方の相棒である私の半身、夜美を使えば一時的に本当の力を使えるから、どうしても使わないといけない時にだけ使って...」
「うん、僕も面倒なことはできるだけ避けたいから」
と言うと、オリヒメの体が透けてきた。
「もうそろそろ時間みたいだね...」
「...そうみたいね..」
と僕が言うと、オリヒメが少し悲しそうに言った。
「じゃあ...また、オリヒメ」
「ええ.....また」
と別れを告げる。そして僕の意識はだんだんと覚醒していった。
——————————————————
「やっ....せいやっ....星夜っ」
また僕を呼ぶ声が聞こえる。ゆっくり目を開けると、そこには見知った顔が三人いた。
「...八雲に美鶴、春風じゃないかどうした?」
と不思議に思った僕が聞くと、
「「「星夜っ」」」
起き上がろうとした僕に三人が涙目で抱きついてきた。
「おわっと!!どうしたどうした!?」
「どうしたじゃねえよ、みんな心配したんだぞ!」
と八雲が答えた。そこでどうして自分がこの状況なのか思い出した。
「あっ....そっか僕、倒れちゃったのか」
「そうよ!まぶしい光が広がって光が収まってまだ目がチカチカする中周りを見渡したら、星夜だけが倒れてたんだから。それにさっき、急にうなされ始めたんだから」
と春風が言った。
「心配したんだぞ...」
「そうだよ」
と八雲の言葉に美鶴が同意した。
「僕はどれぐらい意識がなかった?」
「せいぜい、十五分ぐらいだよ」
と涙をぬぐいながら、美鶴が答えた。
「ところで、誰が僕を運んでくれたの?それに海は?」
「お前を運んだのは、なんか突然現れた和服の女の人だった。海は、今校長室にあの最後に星剣を握った、湖世美って子と一緒に呼ばれて行ってる」
と八雲が答えてくれた。
「...今更だけど、あの和服の女の人誰だったんだろう?星夜を運んだ後すぐ居なくなっちゃて、不思議ね?」
と春香が言った。
「まぁいいじゃん。星夜も目覚めたことだしさ」
と八雲が答えると、春風もそれ以上は気にしなかった。そんな事を話していると保健室の扉が開き海が入ってきた。
「あ、海君だ....海君こっちこっち」
と美鶴が呼んだ。
「...星夜、明日の模擬戦で僕と本気で戦ってほしい」
といきなり頼まれるのだった。
自分を呼ぶ声が聞こえ目を開けると、そこは真白な空間だった。その空間は、どっちが下で上なのかわからなかった。そもそも自分は立っているのか、横になっているのかさえもわからない。そんな事を考えていると、
「ここは、セイ貴方の意識の中」
声がした方を見ると、和服姿の女性が立っていた。
「オリヒメ...!」
となぜかすっと女性の、名を呼べた。
「私の名前は思い出せたみたいね」
と彼女は言った。
「君は、一体何者なんだ...それに君はここを僕の意識の中と言ったが、それなら君はなぜここに居るの...?」
「それは、私が貴方の相棒だから....」
と僕の質問に答えた。
「...?、僕の相棒は夜美だし姿も服装も君とは違う...」
と僕が言うと、オリヒメの姿が一瞬で夜美の姿になった。
「これで信じてもらえる...?それに今はそんなにゆっくり話してられない。...セイ貴方が起きる前に、貴方にこれから必要になる記憶を思い出してもらう...」
と言って僕に近ずいて来る。オリヒメは、僕の前に立つと、僕の頭に触れた。
「っ...!?いっ頭がッ」
「大丈夫...すぐ...終わるから.....」
僕が右手で頭を抑え痛そうにしていると、オリヒメがそう言った。頭痛を必死に我慢している間忘れていたはずの記憶がどんどん頭の中に思い出されて行く。数秒後にはもう終わった。
「セイ、まだ全てを思い出したわけじゃないけど...また近いうちに、貴方は自力で思い出すはずよ...あと、今貴方の相棒である私の半身、夜美を使えば一時的に本当の力を使えるから、どうしても使わないといけない時にだけ使って...」
「うん、僕も面倒なことはできるだけ避けたいから」
と言うと、オリヒメの体が透けてきた。
「もうそろそろ時間みたいだね...」
「...そうみたいね..」
と僕が言うと、オリヒメが少し悲しそうに言った。
「じゃあ...また、オリヒメ」
「ええ.....また」
と別れを告げる。そして僕の意識はだんだんと覚醒していった。
——————————————————
「やっ....せいやっ....星夜っ」
また僕を呼ぶ声が聞こえる。ゆっくり目を開けると、そこには見知った顔が三人いた。
「...八雲に美鶴、春風じゃないかどうした?」
と不思議に思った僕が聞くと、
「「「星夜っ」」」
起き上がろうとした僕に三人が涙目で抱きついてきた。
「おわっと!!どうしたどうした!?」
「どうしたじゃねえよ、みんな心配したんだぞ!」
と八雲が答えた。そこでどうして自分がこの状況なのか思い出した。
「あっ....そっか僕、倒れちゃったのか」
「そうよ!まぶしい光が広がって光が収まってまだ目がチカチカする中周りを見渡したら、星夜だけが倒れてたんだから。それにさっき、急にうなされ始めたんだから」
と春風が言った。
「心配したんだぞ...」
「そうだよ」
と八雲の言葉に美鶴が同意した。
「僕はどれぐらい意識がなかった?」
「せいぜい、十五分ぐらいだよ」
と涙をぬぐいながら、美鶴が答えた。
「ところで、誰が僕を運んでくれたの?それに海は?」
「お前を運んだのは、なんか突然現れた和服の女の人だった。海は、今校長室にあの最後に星剣を握った、湖世美って子と一緒に呼ばれて行ってる」
と八雲が答えてくれた。
「...今更だけど、あの和服の女の人誰だったんだろう?星夜を運んだ後すぐ居なくなっちゃて、不思議ね?」
と春香が言った。
「まぁいいじゃん。星夜も目覚めたことだしさ」
と八雲が答えると、春風もそれ以上は気にしなかった。そんな事を話していると保健室の扉が開き海が入ってきた。
「あ、海君だ....海君こっちこっち」
と美鶴が呼んだ。
「...星夜、明日の模擬戦で僕と本気で戦ってほしい」
といきなり頼まれるのだった。
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