近距離魔法使いの異世界冒険記 ~妹と二人で転生しました~
第6話 再び、あの世界
あの後私は、猪を家族に見せた。いつもはウサギや鹿などのおとなしい動物を狩ってきていたので少し驚かれたが、割とすぐに、そんなものだろうと納得された。驚くべき理解の速さで助かる。
さて、時間は飛んで今はあれから約2年後、私とエイリーの7歳の誕生日である。魔法の練習をしていると時間はあっという間に過ぎ、まだ2年も経ったという感覚がない。それはさておき、私たちは今から……
「行ってらっしゃい。教会は近くだけど、道中は気を付けるのよ」
「父さんみたいな良いスキルを貰えるといいな」
「「行ってきまーす」」
「……スルーされた」
スキルと職業を貰いに教会へ行くのだ。
私の視界の中は全て真っ白。だけど、見覚えがある。死んだときに「自称」神に出会った場所だ。
「自称とはひどいな。本当に神だって」
「……勝手に心を読むな」
「これで神って信じてくれただろう?まぁ、それはそれとして、久しぶりだね」
「……」
私の目の前にはランぺスがいた。
あまり好きじゃないから、会いたくなかったんだけど。「神様からのお告げを書に書き写すので、しばらくスキルと職業を授けてくださるよう祈っていてください」と言われたから祈っていただけなのに、なぜまたここに来てしまったのか。
「教会はほかの場所よりも天界に近いところだからね」
「だから、勝手に心を読むな」
「……どうして僕はそんなに嫌われてるんだい?」
自称神……いや、神のランぺスは笑っていたが、困惑しているようだ。
「まぁまぁ、いくら胡散臭いからってそんなに不機嫌にならなくてもいいんじゃない?」
「うーん、エイリーがそう言うなら……って、エイリーも来てたのね」
「そりゃあ、君たちにこの世界についての追加情報をあげようとして呼んだからね。2人一緒じゃないと意味がないだろう?」
「なるほど。で、追加情報って何?」
私が聞くと、ランぺスは笑顔を更に笑わせた。
「君たちが喜びそうなシステムだ」
「そういう曖昧な言い方はいいから。さっさと具体的に教えて」
ランぺスは口を尖らせた。予想していた反応と違ったのだろう。
「もうちょっと焦らさせてくれたっていいじゃないか。……僕が伝えたいのは、この世界のレベルシステムについてだ」
「レベルシステムって……ゲームとかでよくある?」
「そう、ゲームとかでよくある」
ランペスはニヤリと笑った。
「君たちはスキルと職業を貰うと同時に、レベルの概念も貰うことになる。レベルは戦えば戦うほど、研究すれば研究するほど上がっていく」
「研究?」
「そう。中には、戦えないスキルや職業を貰う人もいるからね。その人たちだけ上がらないのは不公平だろ?」
「なるほどね」
確かに不公平だ。どうしてもレベルを上げたくて、無理に戦って死んでしまったら意味がないし。
「次は、レベルを上げることのメリットを教えよう。レベルを上げると、まず体力と魔力量が多くなる」
私はなんとなく理解したが、エイリーはよくわかっていないようだ。首をかしげている。
「まぁ、簡単に言えば、長時間動けるようになって、魔法を多く撃てるようになるということだ」
エイリーは「なるほど」とうなずいていた。
「そしてもう一つメリットがあってね、30レベル毎に、新しく一つスキルを貰えるか、スキルが強化されるんだ」
「強化ってどんな感じなの?」
「そうだな……例えば、視力を強化するスキルを持っていたとする。それが強化されると、さらに遠くまで見えるようになるって感じかな。スキルによっては説明しにくいから、全部がこうとは限らないけどね。そこは運としか言いようがない」
「神の力をもってしても?」
「運だね」
神でも曲げられない力とは……スキルってそんなにすごい力なのか。
「あとはたまに職業も強化されることがあるってことくらいかな。説明終わり!」
説明を省いたということは、職業の強化も似たような感じなのだろう。
さて、説明が終わったのなら早く帰りたいのだけど。
「帰りたいなら、『帰りたい』って願えば帰れるからね」
「最後まで心を読むな」
「ごめんごめん、それじゃあね」
目を閉じて『帰りたい』と願い目を開けると、教会に戻ってきていた。それに、ちょうどスキルや職業を写すのも終わったらしい。タイミングはナイスだ、ランぺス。
さて、時間は飛んで今はあれから約2年後、私とエイリーの7歳の誕生日である。魔法の練習をしていると時間はあっという間に過ぎ、まだ2年も経ったという感覚がない。それはさておき、私たちは今から……
「行ってらっしゃい。教会は近くだけど、道中は気を付けるのよ」
「父さんみたいな良いスキルを貰えるといいな」
「「行ってきまーす」」
「……スルーされた」
スキルと職業を貰いに教会へ行くのだ。
私の視界の中は全て真っ白。だけど、見覚えがある。死んだときに「自称」神に出会った場所だ。
「自称とはひどいな。本当に神だって」
「……勝手に心を読むな」
「これで神って信じてくれただろう?まぁ、それはそれとして、久しぶりだね」
「……」
私の目の前にはランぺスがいた。
あまり好きじゃないから、会いたくなかったんだけど。「神様からのお告げを書に書き写すので、しばらくスキルと職業を授けてくださるよう祈っていてください」と言われたから祈っていただけなのに、なぜまたここに来てしまったのか。
「教会はほかの場所よりも天界に近いところだからね」
「だから、勝手に心を読むな」
「……どうして僕はそんなに嫌われてるんだい?」
自称神……いや、神のランぺスは笑っていたが、困惑しているようだ。
「まぁまぁ、いくら胡散臭いからってそんなに不機嫌にならなくてもいいんじゃない?」
「うーん、エイリーがそう言うなら……って、エイリーも来てたのね」
「そりゃあ、君たちにこの世界についての追加情報をあげようとして呼んだからね。2人一緒じゃないと意味がないだろう?」
「なるほど。で、追加情報って何?」
私が聞くと、ランぺスは笑顔を更に笑わせた。
「君たちが喜びそうなシステムだ」
「そういう曖昧な言い方はいいから。さっさと具体的に教えて」
ランぺスは口を尖らせた。予想していた反応と違ったのだろう。
「もうちょっと焦らさせてくれたっていいじゃないか。……僕が伝えたいのは、この世界のレベルシステムについてだ」
「レベルシステムって……ゲームとかでよくある?」
「そう、ゲームとかでよくある」
ランペスはニヤリと笑った。
「君たちはスキルと職業を貰うと同時に、レベルの概念も貰うことになる。レベルは戦えば戦うほど、研究すれば研究するほど上がっていく」
「研究?」
「そう。中には、戦えないスキルや職業を貰う人もいるからね。その人たちだけ上がらないのは不公平だろ?」
「なるほどね」
確かに不公平だ。どうしてもレベルを上げたくて、無理に戦って死んでしまったら意味がないし。
「次は、レベルを上げることのメリットを教えよう。レベルを上げると、まず体力と魔力量が多くなる」
私はなんとなく理解したが、エイリーはよくわかっていないようだ。首をかしげている。
「まぁ、簡単に言えば、長時間動けるようになって、魔法を多く撃てるようになるということだ」
エイリーは「なるほど」とうなずいていた。
「そしてもう一つメリットがあってね、30レベル毎に、新しく一つスキルを貰えるか、スキルが強化されるんだ」
「強化ってどんな感じなの?」
「そうだな……例えば、視力を強化するスキルを持っていたとする。それが強化されると、さらに遠くまで見えるようになるって感じかな。スキルによっては説明しにくいから、全部がこうとは限らないけどね。そこは運としか言いようがない」
「神の力をもってしても?」
「運だね」
神でも曲げられない力とは……スキルってそんなにすごい力なのか。
「あとはたまに職業も強化されることがあるってことくらいかな。説明終わり!」
説明を省いたということは、職業の強化も似たような感じなのだろう。
さて、説明が終わったのなら早く帰りたいのだけど。
「帰りたいなら、『帰りたい』って願えば帰れるからね」
「最後まで心を読むな」
「ごめんごめん、それじゃあね」
目を閉じて『帰りたい』と願い目を開けると、教会に戻ってきていた。それに、ちょうどスキルや職業を写すのも終わったらしい。タイミングはナイスだ、ランぺス。
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