その狂気の中に少しの愛を

ふみゅうひぅ

第5話

?「えへへ……」

ここはにわとり村。
かなり過疎ってる村だ。
この村にはある掟がある。

村人「おい、たまこ!何ニヤニヤしてやがる!」

たまこ「え、別になんでもな……」

村人「まさかお前……卵を割ることを楽しんでるんじゃないだろうな!」

たまこ「そ、そんなわけないじゃん!」

そう、この村では卵を割ることを楽しむと怒られるのだ。

村人「……とにかく、卵を割る時は無心で割れ。いいな?」

たまこ「うう……はい……」






たまこ「ただいまー……ってまだ帰ってないか」

私の家は父、母、そして私の3人暮らしである。
にわとり村はこんな世の中では信じられないほど平和だった。
しかし……



村人「お、おーい!!皆!大変だぁ!」

たまこ「ん〜、何事……?」

村人「ダーク様が……」

たまこ「え、ダーク様って……あの支配者と呼ばれる……」




村人「これはこれは……ダーク様……今日はどうしてこのようなへんぴな村なんかに……?」

ダーク「うむ……ここに脱走者が逃げてこなかったか?」

村人「い、いえ……見てないですね……それどころかここ数年は来客なんて……」

ダーク「そうか……」

たまこ「…………」

ダーク「……ん?」

たまこ「(っ……見られてる……)」

ダーク「おい、そこの女」

たまこ「は、はい!」

村人「たまこがどうかしましたか!?」

ダーク「たまこか……良い名ではないか」

たまこ「あ、ありがとうございます……」

ダーク「……気に入った。貴様、我が下僕となれ」

たまこ「!?!?」

村人「そ、そんな……たまこが……!」

父「ダーク様!それだけは……どうかそれだけは……!!」

母「お願いします!!私を代わりに!!」

ダーク「ほう……?俺に逆らうのか……面白い。これよりにわとり村はやきとり村になる!」

たまこ「ま、待ってください!」

たまこ「私……なります!貴方様の下僕にしてください!!」

母「たまこ!!」

ダーク「それでいい。脱走者を追ってこんな過疎が進んでいそうな村に来てみればとんだ拾い物をしたな」

両親「たまこおおおおおおぉぉ!!」






たまこ「(……これからどうなるんだろう、私……)」

たまこ「(これも私が掟を破り、卵を割ることを楽しんじゃったからにわとりの神様からの罰なのかな……)」


城に近づくにつれて私の震えは強くなり、涙で目の前が歪んでいきました。
あの恐怖の支配者として有名なダーク……
その下僕としての生活は奴隷以下だと悟りました。

ダーク「着いたぞ。ここが我が城だ」

たまこ「…………」

ダーク「……にしても腹が空いたな。たまこ、料理を作れ。」

たまこ「……はい……」


不味い物を出せば殺される。いや、もはやこれまでと思いました。


ダーク「……卵料理が食いたいぞ」

たまこ「えっ……」

ダーク「どうした、早く作れ。」

ダーク「……沢山な」

たまこ「は、はいっ!」


それからの私はお花畑にいるかのように幸せでした


ダーク「おい、たまこ。プリンを作れ」

たまこ「はい!」


ダーク「オムライスが食べたい」

たまこ「はい、どうぞ♡」

ダーク「……誰がケチャップでハートを描けと言った……」



きっと村の皆は恐怖の支配者に言われてやっていることだと思っていることでしょう
だけど私は幸せです

ああ……ダーク様……私たちの幸せの卵……
割れたら何が産まれて来るの……?
ダーク様……ダーク様……






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