私の幻想はホントにあった

COLK

38.ギーゼフの秘密と魔法差別

その後、宿屋を探した。




ギーゼフが「あ!あそこに宿屋があるぞ!!泊まろう!!」と言った。
ゼドルが「そうだな!!」と言った。




「すいませ~ん!!ここに泊めてください!!」
「はいよ」




ゼドル達は、その宿屋に泊まる事になった。
その夜、ゼドルとミリカは、外で話した。




「今日のゼドルもカッコ良かった~!!皆、手こずるような相手の弱点を見つけて倒すなんて、さすがゼドルだね!!それに、私は、魔法の事、良く知らないから良く分かんないんだけど、難しい魔法も使えるみたいだし、さすがリーダーだね!!」
「そうか?」
「うん!!」
「まぁ、俺は、リーダーとして、重い責任を背負ってるし、依頼人だけじゃなく、仲間の皆も守らないといけないからな」
「そっか!やっぱり凄いね!!17歳なのに、威厳と責任感が凄くあるね!!さすがリーダー!!」
「ありがとう」
「あ、でもさ・・・」
「ん?」




「そういえば、ギーゼフさんって、何で、戦う時、いつも魔法を
使わないの?」
「あ~・・・・・・、アイツは、〝使わない〟んじゃなくて、〝使えない〟んだ。魔法を」
「そうなの!?」
「うん。アイツは、昔、魔法が使えない事で、たくさんの人達に差別されてたんだ」
「そうなの!?」
「うん。けど、まぁ、元からの才能もあったから出来たんだけど、差別されないように、血が滲むほど鍛えて、身体能力をかなり高めて、魔法使いと互角に戦えるようになったんだよ。アイツは、この店で唯一、魔法が使えないメンバーなんだ」
「へ~!!そうなんだ~!!すご~い!!!魔法が使えないのに、
魔法使いと互角に戦えるなんて、カッコ良い~!!!」
「だろ?!」




「うん!!でも、この世界には、魔法を使えない人もいるんだね」
「うん。魔法が使えるか使えないかは体質の問題だからね。使える人も多いけど、使えない人も多いんだ。で、魔法が上手く使える人ほど優位に立てるけど、使えない人は、差別されたり、奴隷にされたりしてて、身分も低いんだ」
「そうなんだ・・・・・・大変なんだね・・・・・・あ!もしかして、この前、ゼドルが言ってた、〝魔法が使える事は良い事ばっかりじゃないって、そういう事なの・・・・・・?」
「まぁ、それもある。ギーゼフも、とても大変だったらしいからな」
「でも、ギーゼフさんは、ちゃんと居場所を見つけられて良かったね!!」
「そうだな!!」




その日、ベッドで横になりながら、ミリカは考え事をしていた。




そういえば、ギーゼフさん、いつも、1人だけガムを噛んでなかったな~。それにしても、魔法によって差別があるなんて・・・・・・
ここは、私がずっと夢見てたような、ただ〝ロマン〟があるだけの世界じゃないんだ・・・・・・とても過酷なんだ・・・・・・

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