幼馴染を追って異世界へ 〜3億課金した最強アカウント × 【超重力属性】を使って〜
18話 節目
あれから、10日が経過した。俺はレベル25に到達しており、さらに色々なスキル、魔法を覚えた。
ステータスもかなり上昇しており、努力値の恩恵もあってかOOPARTSの時より良いステータスになっていた。
そしてレベル25になった恩恵が、やっと武器を装備できる。これまで俺は武器を持っ
てはいたが低レベル武器は基本売却してなかった。だから今はレベル25以上の装備をして
いる。次目指すのはレベル30以上の武器だ。
ちなみにOOPARTSでは武闘家を極めているので、基本腕や手ににはめる武器になる。
武器と同じだが装備品も25以上のものがつけられるようになる。道具も同様だ。
そして、レベル50になると上級職へステップアップでき、その先一つの職業を極めレベル100になった時それぞれの職業ごとに称号が付き、ステータス上昇に加え、様々な効果が付く。
レベル25になった最後の恩恵だが、それは固有スキルの発現だ、これは通常のスキルと
は違いその属性固有の効果を持ったスキル、なので強力なものが多い。
固有スキルは1つの属性の属性ポイントがある一定のラインに達すると発現する、これは
属性によって様々あり、俺の場合は重力にポイントを15ポイント振ることで発現する。
俺は装備品を一新し、ステータスがさらに上昇するのを感じつつ、俺は思考を変え目の前にいる15体のスケルトンを見据える。
初日じゃ考えられないくらい増えている。今ではもう1日中動いてもバテることはなくなった(勿論疲れはあるよ)
10日間やってみたがあとこれの2倍と考えるとなかなかにハードだが、何故だか今は高揚している。
単純にOOPARTSの初期の頃に戻ったみたいで楽しすぎるのだ。レベル100になってからは案外退屈だったことが多かったから今みたいなレベルを上げて試行錯誤するといった感覚を忘れていた。
「さてと、やりますかね」
シロネは木の上でスケルトンの操作に集中している。今いる15体+外で活動しているスケルトンが100体以上近くいる、全てオートにしてもいいのだがそうすると統制が取れなくなり後々面倒なことになりかねないので100体近くのうち30体を同時操作している。
ちなみに、目の前にいるスケルトン15体はオートだ。
ある程度までレベルが上がったらスケルトン派遣をやめてもらい、シロネにはこちらに集中してもらうつもりだ。
スケルトンは数が増えただけではない、全てのスケルトンが魔法やスキルを使い尚且つスケルトンの上位個体もいる。
俺は息を整え、3秒カウントする。
3…2…1
ゼロの瞬間、俺は地を蹴り15体のスケルトンに急接近する。
今日も1日頑張りますかね。
♢
あれから少し時間が経ち今は昼休憩だ。昼ご飯を食べている最中にシロネは何か怪訝そうな顔で唸っていた。
「どうかしたのか?」
「いやの、この森に置いてあるスケルトン達が次々殺られているのじゃ。これまでは1日に殺られて1、2体だったんじゃがの、今日はもう20体殺られておる」
確かにそれはおかしい、冒険者の依頼にたまたまこの場所の数が増えた?いや、そんなこと急にあるのか…
一応、警戒する必要があるなーー
頭の片隅にこのことを置きつつ、俺たちは再びレベル上げを開始した。
**
沈んでゆく太陽、辺りの木々が朱色に染まり物体の影が周りの朱さによりさらに黒々しくなった頃。
俺は息を荒くし、朱く染まった上空を見上げていた。倒したスケルトンは今日で135体、今日はこれで最後のスケルトン召喚になるだろう……
シロネも派遣しているスケルトンを戻しており、今は木の上からこの場を見ている……シロネはスキルを発動する。
円形の魔法陣が俺の前に出現し、15体のスケルトンが出現する。
もうSPもMPも残り僅か……ここからが正念場、成長できるか否かの分かれ道になる。
もう何度も対峙した風景、そのスケルトンを夕日が朱色に染め普段は負のオーラを持つスケルトンもなんだか可愛く見える。
あれ、頭おかしくなってる…とボケを自分の中で刻みつつ若干震える手足を振り立たせるため二発ほど頬を叩く。
「さぁこれで今日は最後じゃ、わしも魔力空っぽじゃ」
そう、シロネは俺に喝を入れる。今日でやっと3分の1が終わる……長かったような短かったような。
こんなに頑張ったのはいつぶりだろうかOOPARTSのレベル上げすらサボっていたぐらいだからなぁ……よくけんに怒られた。
まぁまだまだレベル100までの道のりは長いがレベル100になった時のことを考えると今からでもにやけてしまう。
さぁていっちょやりますかね。
俺は自分の中でテンポを刻む、目を閉じ体全体の力を抜く……
そして自分の中の最高のタイミングに合わせるーー
あと、少し……スケルトンは10日目までは俺が動くまでスケルトンが動かないようにしてもらっている。
それももう今日まで明日からはこちらのタイミング無視でスケルトンは攻撃を開始する。
だからこそこの感じを忘れないよう脳に鮮明に刻み込む。
スケルトンの少しの動き、視線(目なかった)、全てを観察し俺は踏み出すーー
これまでとは違い一瞬でスケルトンの前衛の間合いまで近づく…
そして、1撃目を入れようとスキルを発動する態勢に入った
ーー瞬間だった
背筋にゾックと冷や汗が溢れ出し、避けろと俺の勘がこれまでにないくらいの警告音で鳴り響く。
何が来るかはわからないが俺は自分自身を信じ一瞬で近づいたスケルトンを尻目に一気に緊急回避するため俺はスキル『重力圧縮波/グラヴィティウェブ』を放ちその反動でを利用しその場を退避しようとした瞬間。
俺は意識が吹き飛んだ。
*
はっと俺は意識を戻す。
何だ!何があったんだ……時間にして数十秒、俺は意識を飛ばされていた。
辺りを見渡すとさっきまでの夕日による綺麗な朱色は皆無、今は人血のような真っ赤な…いやそれよりも濃い真紅に染まり木々が焼け落ち火の粉が降り注いでいる。
「大丈夫か!!アキト!」
シロネが後ろから話しかけてくる。
俺は振り向こうとするがうまく動くことができなかった…今日の疲れと今の何らかのダメージにより体力はとっくに限界を迎えていた。
あの時緊急回避をしていなかったら恐らく重症もしくは死んでいたかもしれない。そう思うだけで鳥肌が全身を駆け巡る。
意識が回復すると同時に身体中が火傷を負っているいることに気がつく…ジリジリと痛みが意識の回復と共に追いついてきた。
皮膚がやけ、少し剥がれている…俺はすぐさまアイテムボックスからポーションを取り出し振りかける。
すると、少し回復したのか振り向けるようになる。
「すまん、油断したシロネ。今どうなってるんだ」
「何らかの魔法かスキルじゃろうこんな広範囲の高威力な魔法わしと恐らく同等もしくはそれ以上じゃ」
シロネも疲弊していたからギリギリだったのだろう、少し火傷を負い目に余裕がない。
相変わらず辺り一面燃え盛っている、木々は炭となり崩れ落ち葉は灰となり積もっていく。
それにものすごい煙と砂埃、火柱ができ今も炎は勢いが衰えることなく燃え盛っている、空気も熱く辺りの温度が急上昇している。
そして、俺達の眼前の一番大きな火柱から人影が写る。
「おいおい、スケルトンがこんなにいるとは聞いてないんだけどなぁ!たっくめんどくせぇいっそ森ごと炭にして野原に変えちまった方がいいんじゃねぇか」
ーーその声と同時に炎の中から1人の少女が俺たちの前に姿を表す。
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