幼馴染を追って異世界へ 〜3億課金した最強アカウント × 【超重力属性】を使って〜
9話 転生ってこんな感じだっけ?
大抵のオンラインゲームは、始めた時チュートリアルで操作方法や自分の強化の仕方など基礎的なことを教えてもらえる。
そこで大概、経験値が貰え大体レベル10から20くらいまでは一気に上がるものだ。
レベルが上がるごとに使える項目が増えて行き、項目ごとに説明を受けるものだ。
OOPARTSオンラインでは、チュートリアルが進むに連れて使える項目が徐々に増えていく型であり、チュートリアルでレベル10までは上がるようになっている。
このチュートリアルはあくまでもゲームの話であって、現実ましてや異世界なんかでそんなことがあるわけもなく……
*****
俺は辺りが草木が鬱蒼と生い茂る森の中で目が覚めた。
今、大の字で仰向けに寝ている、どうやら転生したらしい。
起き上がり、ステータスを確認する。
この辺りは、ゲームとほとんど変わらない。ステータスを見たいと少し思うだけでそれに反応し、目の前に表示される。
「レベル1か……」
そのことを確認すると、まずはこの辺り一帯を歩いてみることにした。
**
10分程歩いてみて気づいたことがある、多分この森はかなり広い。まだ憶測にしかすぎないがなんか森が終わる気配が感じられない。
そして、魔物(ゲームでいう敵モンスター)の姿すら見えなかった。まぁレベル1で遭遇したら終わるんですけどね。
あと気づいたことが1つ、アイテムボックス欄とか装備欄とかその他諸々見れないというか無い。
恐らくだが、レベル1なのでその辺りがまだ解放されていない状態なのだろう。
なので装備品も使用できない、アイテムも使えない、かなり危機的状況だ。
女神が言っていたが、OOPARTSオンラインではステータスは自分で割り振ることができる、だがこっちの世界ではその割り振った通りに上がるだけだからもう自分でステータスをどこに振るかと考えることは出来ない。
つまるところ過去の自分を信じるしかない。
まぁ止まってても仕方ないので、俺は適当にまっすぐ歩く。
途中湧き水を見つけ水分補給しつつ、今はご飯について考える。
OOPARTSオンラインは料理の再現度も凄かった。
実際にある料理もそうだが、ゲームだけでしか味わえない果物や野菜、肉といった物からそれらを使った料理は頬が蕩けるほど美味しかった。
だが、この森には植物は生えていてもそういった果物、果実といった類の物が一切見当たらない。
嫌な予感しかない。
♢
嫌な予感的中。
1日中歩いた結果全く先が見えないことが判明。
そして、空腹、疲労、水分不足といった問題の諸々が出てくる。
今は真暗な中、適当な大きな葉っぱを何枚か見繕い布団代わりにして寝ている。
灯?そんな物は無い。
火を付けようと頑張ってはみたがあんなの素人に出来るはずもなくただの体力の消耗にしかならなかった。
今は疲労の方が大きいが次第に空腹や水分不足が如実に現れるだろう。
レベル1のままではスキルも魔法もままならない。
半分諦め掛けていた。
その日は1日中あるたのもあるのかすぐに寝れた。
次の日。
俺は目を覚ますと目の前にとんでもない物が現れた。
真っ白な骨で構成された小学生くらいの身長のスケルトンだ、なぜか1体。
俺は心の中で確信する「絶対殺される」と。
スケルトンはOOPARTSオンラインでは大体10から20レベルの敵だ、今の俺には倒す手立てがない。
もうやけになり俺は2度寝を敢行する。
さらば俺の命〜♪
**
おかしい、通常の敵ならプレイヤーを見つけた時点で自動的に攻撃してくるはずだが全く動く様子がない。
目をゆっくりと開け、今の状況を確認する。
こうなるともう一つ考えられることがある、それは誰かに使役されている魔物ということ。
そうなると近くに誰かしらいるはず……
だが、今の俺には人を探す気すら起きない。
結局このスケルトンは俺が動こうが、小突こうが微動だにしなかった。
そこで、俺は考える「こいつ倒したら経験値入るんじゃね」と。
なので思いっきり振りかぶりスケルトンの顔面にパンチしてみた。
うん、なんとなくわかってたけど俺が思いっきりダメージを受けた。
めっちゃ痛い、少しHPバーが削れる。
スケルトン討伐は即座に諦め、また森の終わりを見つけるべく俺は歩き出す。
俺は歩き出して数分後すぐに休憩していた、思った以上に水分不足と空腹がダブルパンチで効いている。しかも、さっきのスケルトンのせいで無駄に疲れてしまったのもあるだろう。
休憩を繰り返し、少しずつだが進んでいる気がした。
あと、もう一つすんごく気になることがある。
俺は後ろを振り返りそいつを見る。
さっきのスケルトンがずっと付いて来ている。
俺との距離をうまーく保ちながら、まるでストーカーだ。
ただ、そいつに構うほどの体力は無い。
今はただ前を向いて歩くだけだ。
♢
あれから数日がたった。
まだ、この森の中でさまよっている最中です。
ただもう昨日から彷徨うことさえ出来ず、もう昨日からずっと寝ている(これは彷徨っているとは言えないな)
空腹はもう限界突破してもうお腹空いていないし、水分は昨日の雨でなんとかなった。ただ、疲労が抜けることはなくもう諦めて寝ているというわけだ。
ちなみに、今だにスケルトンは付いて来ている。
あ〜今なら犬の気持ちがよくわかる、スケルトンを見ながらもうよく分からないことを考えている。
恐らく今は昼あたりなんだろうなぁ、そう思いながら目を閉じる。
寝ると言っても俺の体質上殆ど寝た気にならないから今でもクマはくっきりある、ただもうこれ以上体力を消費しないようにしているだけだ。
♢
何時間たったのであろうか、疲労が限界を迎えたのか意外とぐっすりと寝れた。俺の中ではめちゃくちゃ久しぶりだったのでもうちょっと寝てたかったが目を開ける。するとすっかり辺りは暗くなっていた。
そして、驚いたことが3つある。
一つ、さっきまでの寝ていた場所とは違う。
二つ、向かい側に人がいる。
三つ、スケルトンが増えている。
脳内でおぼつかない頭で整理しようとしていると、その向かい側にいる人物が声をかけてくる。
「おお、やっと起きたのじゃな」
そう言うと近づいて来た。
今まで俺と焚き火を挟んだ向かいだったので姿がうまく見えなかったが、こいつは・・
背丈は女子小学生4年生の平均身長くらいで、肩あたりまでの長さ、ラムネのような透き通った水色の髪、綺麗な青い瞳で八重歯が象徴的で、着物を着ている、見た目はすごく若い女の子だーーうん和風幼女
「大分疲弊しているの、まずは水でもの飲むのじゃ」
その子はOOPARTSオンラインでよく見るアイテムボックス(ボックスと言っているが実際は空間に手を入れアイテムを取り出す)から透明な入れ物に入った水を渡して来た。
俺はそれを受け取ると一気に飲み干し、さらにおかわりをもらう。
その子はこちらを見ながら驚いていた。
「すごい飲みっぷりじゃの、あそうだ食べ物もあるぞ」
そういって焚き火の俺からは見えない側から焼かれた果物、肉、魚などを俺に振舞ってくれた。
それを俺は無我夢中で食べ尽くした。
一息つくと、俺は落ち着きを取り戻す。
「心から感謝します」
俺は土下座していた。
「な、な、なにをしとるのじゃ。そこまでせんくてよい」
その子は慌てて止めに来る。
なんていい子なんだろう女神よりも女神だ。
そして焚き火を真ん中に向かい合うように座った(先ほどの位置だ)
改めて自己紹介をする。
「わしの名はシロネ・ラムじゃ。よろしくの」
「シロネさん……」
「さん付けはやめんか、むず痒くなる。呼び捨てで構わん」
怒られた。
初対面の相手でさん付けは基本だと思うんだけどなぁ。
そういう堅苦しいのが嫌いな人もいるのか……
「俺の名前は……」
そう言おうとして固まる。いや本名を言うべきか、プレイヤーネームを言うべきか迷う。
女神からは好きな名前を名乗っても問題ないとは言われてるが。
アキトかカルアどっちにするか・・・。
やっぱりアキトでいくか、プレイヤーネームあれランダムで決めたくらいだし。
「璃屠です。よろしく」
「敬語もやめんか。普通に喋ってくれて構わん」
また、怒られる。
うーん、こういうことに慣れていないからなぁ。難しい。
「なぜ、アキトはこんな森におったんじゃ?」
これは、返答に困るなぁ。俺は女神に女神の情報を出せないように細工されている。
だから適当に訳を作る必要がある。
嘘をつくときは少し本当のことを入れると説得力がます、本当のことが入ってることにより全てが作り物ではなくなるのでバレにくいのだ。
まぁ別に相手を傷つけるような嘘ではないのでそこまで気にすることはないけどね。
「とある人を探して旅をしていてね、そこでこの森で迷ってしまって食料も水も尽きてしまったんだ」
ふーんと軽く二つ返事をしてから、シロネはにやりと笑う。
「お主、嘘ついとるじゃろ」
おっと〜、さっき嘘を混ぜればとかドヤ顔してたの誰だろう……
俺が困った顔をしているといたずらっこのような笑顔でシロネは答える。
ポーカーフェイスできない時点で嘘はつけません。
「すまん、すまん。このアイテムを試したくての」
そう言って取り出したのは、Cランクアイテムの嘘発見勾≪うそはっけんき≫。
これはOOPARTSで見たことあるアイテムだ。
OOPARTSではアイテムのランクをE〜Sの段階で格付けする。
なのでCランクアイテムはそこそこ高いアイテムだが、嘘を見破るってだけのアイテムだったからあの時はNPC相手に使ったり、プレイヤーにも使えたが、別に100%じゃなかったのでガチャの外れアイテムであり影が薄かった。
「このアイテムは相手の嘘を見破ることができるのじゃ、試すようなまねしてすまんかったの」
「別にお主の嘘を言及するつもりはもとよりないから安心せい」
それは、良かった。危うく嘘ついたなとか言われて刺されるかと思ったよー
「それにしても人を探すか。今の謝罪の代わりと言ってはなんだが知っている範囲で協力するぞ。なんていう名前だ?」
お〜それはありがたいが、名前か・・けんがこっちでどう名乗ってるか知らんしなあ。
適当にゲームのときの名前でも言ってみるか。
「ラミルって言うんだが……」
それを聞いて少しシロネは悩む。
だが、すぐ悩むのをやめて結論を出す。
「すまん、知らんの〜」
申し訳なさそうに言って来る。
「最初から自分で探すつもりだったから大丈夫だ、わざわざありがとうな」
「礼はよさんか、さっきも言ったが謝礼がわりじゃ」
いいやっちゃなーと思いつつ、再びお腹が空いたので食べ物を要求する。
図々しいと言いつつ食べ物をくれる・・可愛い奴だ。
不思議とどこか一葉を感じさせる雰囲気がある。
だからこんなにも早く打ち解けられたんだろう、普段ならもう少し時間がかかるからな。
「貰えるものもらったんだ、わしとの会話に付き合ってもらうぞ」
そう言うとまた小悪魔のような表情で微笑む。
まだ、夜は長い……
あと、いつこのスケルトンいなくなるんだろう....
そこで大概、経験値が貰え大体レベル10から20くらいまでは一気に上がるものだ。
レベルが上がるごとに使える項目が増えて行き、項目ごとに説明を受けるものだ。
OOPARTSオンラインでは、チュートリアルが進むに連れて使える項目が徐々に増えていく型であり、チュートリアルでレベル10までは上がるようになっている。
このチュートリアルはあくまでもゲームの話であって、現実ましてや異世界なんかでそんなことがあるわけもなく……
*****
俺は辺りが草木が鬱蒼と生い茂る森の中で目が覚めた。
今、大の字で仰向けに寝ている、どうやら転生したらしい。
起き上がり、ステータスを確認する。
この辺りは、ゲームとほとんど変わらない。ステータスを見たいと少し思うだけでそれに反応し、目の前に表示される。
「レベル1か……」
そのことを確認すると、まずはこの辺り一帯を歩いてみることにした。
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10分程歩いてみて気づいたことがある、多分この森はかなり広い。まだ憶測にしかすぎないがなんか森が終わる気配が感じられない。
そして、魔物(ゲームでいう敵モンスター)の姿すら見えなかった。まぁレベル1で遭遇したら終わるんですけどね。
あと気づいたことが1つ、アイテムボックス欄とか装備欄とかその他諸々見れないというか無い。
恐らくだが、レベル1なのでその辺りがまだ解放されていない状態なのだろう。
なので装備品も使用できない、アイテムも使えない、かなり危機的状況だ。
女神が言っていたが、OOPARTSオンラインではステータスは自分で割り振ることができる、だがこっちの世界ではその割り振った通りに上がるだけだからもう自分でステータスをどこに振るかと考えることは出来ない。
つまるところ過去の自分を信じるしかない。
まぁ止まってても仕方ないので、俺は適当にまっすぐ歩く。
途中湧き水を見つけ水分補給しつつ、今はご飯について考える。
OOPARTSオンラインは料理の再現度も凄かった。
実際にある料理もそうだが、ゲームだけでしか味わえない果物や野菜、肉といった物からそれらを使った料理は頬が蕩けるほど美味しかった。
だが、この森には植物は生えていてもそういった果物、果実といった類の物が一切見当たらない。
嫌な予感しかない。
♢
嫌な予感的中。
1日中歩いた結果全く先が見えないことが判明。
そして、空腹、疲労、水分不足といった問題の諸々が出てくる。
今は真暗な中、適当な大きな葉っぱを何枚か見繕い布団代わりにして寝ている。
灯?そんな物は無い。
火を付けようと頑張ってはみたがあんなの素人に出来るはずもなくただの体力の消耗にしかならなかった。
今は疲労の方が大きいが次第に空腹や水分不足が如実に現れるだろう。
レベル1のままではスキルも魔法もままならない。
半分諦め掛けていた。
その日は1日中あるたのもあるのかすぐに寝れた。
次の日。
俺は目を覚ますと目の前にとんでもない物が現れた。
真っ白な骨で構成された小学生くらいの身長のスケルトンだ、なぜか1体。
俺は心の中で確信する「絶対殺される」と。
スケルトンはOOPARTSオンラインでは大体10から20レベルの敵だ、今の俺には倒す手立てがない。
もうやけになり俺は2度寝を敢行する。
さらば俺の命〜♪
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おかしい、通常の敵ならプレイヤーを見つけた時点で自動的に攻撃してくるはずだが全く動く様子がない。
目をゆっくりと開け、今の状況を確認する。
こうなるともう一つ考えられることがある、それは誰かに使役されている魔物ということ。
そうなると近くに誰かしらいるはず……
だが、今の俺には人を探す気すら起きない。
結局このスケルトンは俺が動こうが、小突こうが微動だにしなかった。
そこで、俺は考える「こいつ倒したら経験値入るんじゃね」と。
なので思いっきり振りかぶりスケルトンの顔面にパンチしてみた。
うん、なんとなくわかってたけど俺が思いっきりダメージを受けた。
めっちゃ痛い、少しHPバーが削れる。
スケルトン討伐は即座に諦め、また森の終わりを見つけるべく俺は歩き出す。
俺は歩き出して数分後すぐに休憩していた、思った以上に水分不足と空腹がダブルパンチで効いている。しかも、さっきのスケルトンのせいで無駄に疲れてしまったのもあるだろう。
休憩を繰り返し、少しずつだが進んでいる気がした。
あと、もう一つすんごく気になることがある。
俺は後ろを振り返りそいつを見る。
さっきのスケルトンがずっと付いて来ている。
俺との距離をうまーく保ちながら、まるでストーカーだ。
ただ、そいつに構うほどの体力は無い。
今はただ前を向いて歩くだけだ。
♢
あれから数日がたった。
まだ、この森の中でさまよっている最中です。
ただもう昨日から彷徨うことさえ出来ず、もう昨日からずっと寝ている(これは彷徨っているとは言えないな)
空腹はもう限界突破してもうお腹空いていないし、水分は昨日の雨でなんとかなった。ただ、疲労が抜けることはなくもう諦めて寝ているというわけだ。
ちなみに、今だにスケルトンは付いて来ている。
あ〜今なら犬の気持ちがよくわかる、スケルトンを見ながらもうよく分からないことを考えている。
恐らく今は昼あたりなんだろうなぁ、そう思いながら目を閉じる。
寝ると言っても俺の体質上殆ど寝た気にならないから今でもクマはくっきりある、ただもうこれ以上体力を消費しないようにしているだけだ。
♢
何時間たったのであろうか、疲労が限界を迎えたのか意外とぐっすりと寝れた。俺の中ではめちゃくちゃ久しぶりだったのでもうちょっと寝てたかったが目を開ける。するとすっかり辺りは暗くなっていた。
そして、驚いたことが3つある。
一つ、さっきまでの寝ていた場所とは違う。
二つ、向かい側に人がいる。
三つ、スケルトンが増えている。
脳内でおぼつかない頭で整理しようとしていると、その向かい側にいる人物が声をかけてくる。
「おお、やっと起きたのじゃな」
そう言うと近づいて来た。
今まで俺と焚き火を挟んだ向かいだったので姿がうまく見えなかったが、こいつは・・
背丈は女子小学生4年生の平均身長くらいで、肩あたりまでの長さ、ラムネのような透き通った水色の髪、綺麗な青い瞳で八重歯が象徴的で、着物を着ている、見た目はすごく若い女の子だーーうん和風幼女
「大分疲弊しているの、まずは水でもの飲むのじゃ」
その子はOOPARTSオンラインでよく見るアイテムボックス(ボックスと言っているが実際は空間に手を入れアイテムを取り出す)から透明な入れ物に入った水を渡して来た。
俺はそれを受け取ると一気に飲み干し、さらにおかわりをもらう。
その子はこちらを見ながら驚いていた。
「すごい飲みっぷりじゃの、あそうだ食べ物もあるぞ」
そういって焚き火の俺からは見えない側から焼かれた果物、肉、魚などを俺に振舞ってくれた。
それを俺は無我夢中で食べ尽くした。
一息つくと、俺は落ち着きを取り戻す。
「心から感謝します」
俺は土下座していた。
「な、な、なにをしとるのじゃ。そこまでせんくてよい」
その子は慌てて止めに来る。
なんていい子なんだろう女神よりも女神だ。
そして焚き火を真ん中に向かい合うように座った(先ほどの位置だ)
改めて自己紹介をする。
「わしの名はシロネ・ラムじゃ。よろしくの」
「シロネさん……」
「さん付けはやめんか、むず痒くなる。呼び捨てで構わん」
怒られた。
初対面の相手でさん付けは基本だと思うんだけどなぁ。
そういう堅苦しいのが嫌いな人もいるのか……
「俺の名前は……」
そう言おうとして固まる。いや本名を言うべきか、プレイヤーネームを言うべきか迷う。
女神からは好きな名前を名乗っても問題ないとは言われてるが。
アキトかカルアどっちにするか・・・。
やっぱりアキトでいくか、プレイヤーネームあれランダムで決めたくらいだし。
「璃屠です。よろしく」
「敬語もやめんか。普通に喋ってくれて構わん」
また、怒られる。
うーん、こういうことに慣れていないからなぁ。難しい。
「なぜ、アキトはこんな森におったんじゃ?」
これは、返答に困るなぁ。俺は女神に女神の情報を出せないように細工されている。
だから適当に訳を作る必要がある。
嘘をつくときは少し本当のことを入れると説得力がます、本当のことが入ってることにより全てが作り物ではなくなるのでバレにくいのだ。
まぁ別に相手を傷つけるような嘘ではないのでそこまで気にすることはないけどね。
「とある人を探して旅をしていてね、そこでこの森で迷ってしまって食料も水も尽きてしまったんだ」
ふーんと軽く二つ返事をしてから、シロネはにやりと笑う。
「お主、嘘ついとるじゃろ」
おっと〜、さっき嘘を混ぜればとかドヤ顔してたの誰だろう……
俺が困った顔をしているといたずらっこのような笑顔でシロネは答える。
ポーカーフェイスできない時点で嘘はつけません。
「すまん、すまん。このアイテムを試したくての」
そう言って取り出したのは、Cランクアイテムの嘘発見勾≪うそはっけんき≫。
これはOOPARTSで見たことあるアイテムだ。
OOPARTSではアイテムのランクをE〜Sの段階で格付けする。
なのでCランクアイテムはそこそこ高いアイテムだが、嘘を見破るってだけのアイテムだったからあの時はNPC相手に使ったり、プレイヤーにも使えたが、別に100%じゃなかったのでガチャの外れアイテムであり影が薄かった。
「このアイテムは相手の嘘を見破ることができるのじゃ、試すようなまねしてすまんかったの」
「別にお主の嘘を言及するつもりはもとよりないから安心せい」
それは、良かった。危うく嘘ついたなとか言われて刺されるかと思ったよー
「それにしても人を探すか。今の謝罪の代わりと言ってはなんだが知っている範囲で協力するぞ。なんていう名前だ?」
お〜それはありがたいが、名前か・・けんがこっちでどう名乗ってるか知らんしなあ。
適当にゲームのときの名前でも言ってみるか。
「ラミルって言うんだが……」
それを聞いて少しシロネは悩む。
だが、すぐ悩むのをやめて結論を出す。
「すまん、知らんの〜」
申し訳なさそうに言って来る。
「最初から自分で探すつもりだったから大丈夫だ、わざわざありがとうな」
「礼はよさんか、さっきも言ったが謝礼がわりじゃ」
いいやっちゃなーと思いつつ、再びお腹が空いたので食べ物を要求する。
図々しいと言いつつ食べ物をくれる・・可愛い奴だ。
不思議とどこか一葉を感じさせる雰囲気がある。
だからこんなにも早く打ち解けられたんだろう、普段ならもう少し時間がかかるからな。
「貰えるものもらったんだ、わしとの会話に付き合ってもらうぞ」
そう言うとまた小悪魔のような表情で微笑む。
まだ、夜は長い……
あと、いつこのスケルトンいなくなるんだろう....
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