幼馴染を追って異世界へ 〜3億課金した最強アカウント × 【超重力属性】を使って〜
6話 死地
12月21日
僕は、一人ログインし、ジグさんとオフ会の日程について話合っていた。
「分かりました。12月22日ですね」
「お仕事に差し支えないですか?」
「大丈夫ですよ」
ジグさんはにこやかに答える
「場所はどうされます?」
「場所はちゃんと決めてあります。僕の家はどうでしょう?」
僕は、一瞬ためらったが即座に切り替えなるべく早く答える
「ジグさんが良ければ、お願いします」
いつも通りの笑顔を崩さず答える。
これで、場所、日時が決まった。
それから、ジグさんとの集合場所を決め、僕はログアウトしようとした時。
「あぁそうそう、ちゃんと2人で来てくださいね。待ってます」
この言葉で、僕の疑惑は確信へと変わる。
「はい、では明日」
ログアウトし、僕はベットに寝っ転がる。
明日は人生最悪の日になるだろうなぁ、そう思いつつもついにやけてしまう。
ベットから起き上がり、明日の準備を始める。
♢
次の日、僕は昨日決めた集合場所へと足を運んでいた。
予定時刻の5分前、すでにジグさんは来ていた。
集合時刻は昼の2時。
「こんにちは、ジグさんですか?ラミルです」
ラミルは僕のゲームプレイヤーネームだ。
「はい、こんにちは」
ジグさんは何かに気づいたのかまるではてなを浮かべたような表情で質問して来る。
「あれ?カルアさんはどうされたのですか?」
カルアというのは僕の幼馴染、藤重璃屠≪ふじしげあきと≫(通称あっきー)のプレイヤーネームだ。
「ちょっと体調が悪いそうで、今日はパスするそうです」
いかにも本当っぽく、なおかつ嘘は入れずギリギリのラインで答える。
あっきーは常に体調わるそうだし、嘘ではないよね?
「そうですか、それは残念です。お大事にとお伝えください」
ジグさんは本当に残念そうに表情を曇らせる。
「では、案内しますね。車回してあるのでどうぞ」
僕はジグさんの案内に従い、そのまま車に乗車する。普通の車で内装は特にいじってないうえ綺麗な状態に保たれている。
それから10分くらい車を走らせ、ジグさんの家に着く。
かなり大きい一軒家で、まさに豪邸といった感じだ。
僕が呆けてると、ジグさんは家の中へと誘導してくる。
覚悟を決める。さぁ頑張りますか、僕はそう心の中で言い自分を鼓舞する。
セキュリティを抜け大きな扉の前に立つと自動で扉が開く。
ジグさんは僕をリビングへ案内したあと、お茶を入れに行くといってキッチンへ向かった。
「どうぞ」
お茶とお菓子が置かれ、ジグさんは僕の向かいのソファに座る。
「まずは、自己紹介から。僕は本名を刹那悠紀といいます、改めてよろしく」
いきなり本名を名乗ってきた。こちらも名乗ろうと思った時、悠紀さんは君は言わなくても大丈夫と言うかのように僕の前に手を出し静止してきた。
「よろしくお願いします」
この一言だけ僕は、返しておいた。
そして、数泊おいたのち、普段気になっていたことを質問してみた。
「悠紀さんはOOPARTSの他に何かゲームしてるんですか?」
悠紀さんは少し考えるそぶりをみせてから答えてくれた。
「はいそうですね……OOPARTSの他に1つだけはまっているゲームがあるんですよ。それが課金制度がないのにとてもおもしろいんです、OOPARTSの片手間にやってるんですよ」
へぇ今時課金制度のないゲームか、どんなゲームかは気になるところだがその気持ちをぐっと堪える。
いかんいかんついゲームとなると興奮気味になってしまう。
「けんさんもぜひやってみてください、後で教えますよ」
「はい、ぜひお願いします」
うん、そりゃ聞きますとも。
悠紀さんは僕の返事を聞くと、軽く微笑み話を変える。
「僕らも、もう次の結社戦<クラン戦>TOP5入りしそうですね」
「はい、このまま順当にいつも通りに戦えば勝てると思います。もちろん気を抜く気はありませんが」
結社戦は報酬がいい、それにTOP10とTOP5では報酬の差がでかい。これで上位に入れれば通常なら報酬を何十人規模で山分けだが、僕らの場合は3人での山分けになるので、一人頭の貰える報酬が他の結社の数十倍になる。
「戦闘力を上げとかないといけませんねぇ」
悠紀さんは頭をかきながら目をキラキラしたような表情で答える。
この人もゲームが好きなのだろう。
数時間もの間、OOPARTSの話に花を咲かせ、各々の部屋の内装のこだわりや、趣味(OOPARTS内の)だったりと長い間喋っていた。
時計を見るともう夕方の6時、時間的には頃合いだろう。悠紀さんもそう思ったのか目が合いしばしの間静寂が広いリビングを包む。
先に言い出したのは僕だった。ここからが勝負どころかな。
震える足を押さえつけ、噛みすぎた唇は赤みがまして真紅に染まっている。
「ここに僕たちを呼びつけた理由を知りたいのですが。嘘なしで答えてくれませんかね」
ここで、表情を一瞬で切り替え相手を見据える。睨むでもなくただ見るだけでもなく、相手を威圧するように。
ただ、悠紀さんはそれをものともせず笑顔いやこれは笑顔ではないただにやけているだけだろう。ここにいる餌をどう調理するかしか考えていないだろう。
背中から溢れる脂汗を感じながら僕は息を飲む。
「嘘なしだなんて僕はただゲームについてお話したかっただけですよ?」
とぼけるように、話すが彼の顔下半分は笑っているが上半分は笑っていない。
よく言う。
「この部屋の状況を見て正常でいられる方がおかしいと思いますけどね」
そう、この部屋中血だらけで、まだ血液もどろっとしていて新しいし匂いも酷い。
この現状を見て平常心で入れた僕を褒めて欲しいものだ。はぁ。
「ふ、ふふ冗談ですよ♪ いやぁ最初入った時に声をあらげようとしたらやっちゃうつもりだったんですけどねぇ、流石ですよ」
よく言うよ、僕を先に部屋に入れてすぐさま鍵をわかりやすく閉めたのはどこのどいつだよ。絶対恐怖心を煽るつもりでやりやって。
「いつから、お気付きで?」
「最初会った時は気付きませんでした、ただ僕らと長くいたのが悪かったですね。僕は大抵の嘘は少し付き合えば分かるので」
「あなたが、所々に嘘と真実を散りばめていたのは気づいてたのですが、その目的が読めなかったです今日までね」
まぁ、まさか予想していたもっとも悪い状況になるとはね。
詐欺や、個人情報、僕らのお金名等々いろいろ考えていたんだけどね。
「まさかここまで酷いとは思ってもいいなかったですが……」
悠紀さんはなるほどと言ったように頷き、すぐさまさっきの笑顔に戻る。
「いやいやここまで感のいい人だとは思いませんでしたよ」
テーブルの上に並べられているコーヒー、お菓子を見定める。
恐らく、毒か何かを盛ってるのだろう。いやいやこんな部屋に入った時点でどんなものでもお断りなんだけどね……
「この家も、借屋かなにかだろ?」
正解と言わんばかりの笑顔を見せ、喜んでいる。
「素晴らしい、そうです、ここはただ借りてるだけ……1年前からね」
「こんな生活感ない家はなかなか見ないですからね」
僕は引き気味に答えると、すぐさまズボンのウエストのあたりに隠してあるものに手を触れ臨戦態勢を作る。
「まぁそんなに怖い目をしないで。ゆっくり話でもしましょう、どうせ今日で終わりですから♪」
悠紀さんは血に染まったソファに染まったまま、遠くを見据え話を始める。まるで僕が眼中にないと言わんばかりに。
「僕はね、ゲームが好きなんですよ。OOPARTSはたまたま適任者を探す為に始めたのですがね徐々にはまっていって僕も驚きました」
僕は常に気を張りいつでも大丈夫なように、警戒する。
「ああいうゲーム昔は好きじゃなかったんですがね……」
「で、1年前から僕はさっき紹介したゲームをしててね。」
さっき話してた課金システムがないのに面白いって言ってたゲームか。
「実は、それ自分で作ったゲームなんですよ。僕はゲームには刺激をいつも求めていたんです、ただ最近のゲームは刺激がありませんでしたからねだったら自分で作っちゃおうと思いまして」
「OOPARTSにもう少し早く出会って入ればこうなることも無かったんでしょうねぇ残念です」
ちっとも残念そうには思えない表情で悲しんでいる。
ただ、刺激があるゲームなんてそんなに簡単い作れるもなのか・・いかんなこの人の話にはなぜだかひきこまれてしまう意識が変な方向へ向けさせられる。
「そのゲームというのがですね……99人を殺害するまで終われないという内容でしてね。なかなか大変だったですよ。あ、今から説明しますね♪」
また変に明るい表情になり、さらに饒舌に語り出す。
「えーと、まず1から99というこの数字はですね、人間の年齢を表しているんですよ。この1才から99歳まで
の人間をその年齢1人ごとに殺していくんですね。殺し方も99通りで……」
「それと男女は問わず、期限は1年……なのでちょうど今日になるね。どの年齢から殺していっても構わない、ただ誰かに知られたり捕まった場合はGAMEOVERでその場合は僕が死ぬ」
「GAMECLEARの条件は誰にも見つからずに殺しきる。その場合でも僕が死ぬ。誰かに知られGAMEOVERに
なった場合警察に自首をする。年齢を間違えて殺してしまった場合はその場で自害とまぁこんな感じさ他に
もいろいろあるけどもう言っても無意味だしね♪」
と、あっけらかんに答えているが頭がおかしいとしか言いようがない。
ただ、人を殺して満足するだけでは飽き足らず自分までそのまま死ぬなんて、ふざけてる。
「だから、君に知られた時点でGAMEOVERなのさ。あとカルアくんが来ない時点でもね。君たち2人を殺せばちょうど揃ったんだけど」
そう言うと机の上に置いてあったアルバムを開いてくる。
そこには1才から99歳(僕らを抜いた)人たちの死亡したことがわかる写真と死亡時刻が記入されていた。
「というより、君に負けたといったほうがいいのかなぁ」
そう言うと思いっきり顔を近づけてくる。
僕は震える唇をなんとか開き喋る。
「そういうことだと思うよ。とっとと自首したらどうなんだい?」
小さな抵抗だが、相手を挑発する。さっき言ったことが本当なら大丈夫なはずだ。
「そういうことになるね……」
「君を殺したあとでね」
彼の笑顔は消え失せる。
そう言った瞬間机にあった中身の入ったコーヒーカップを掴み、僕めがけて投げつける。
それを僕は間一髪のところで右側に飛びつきかわす。
そしてやつはすでに机を踏み台にし飛びついてくる。手には隠し持っていただろうナイフを持っていた。
そこに僕は蹴りをかます……がそこを間一髪で受け切られ足にナイフを思いっきり刺され大量の血が滲む。
やつは蹴りの反動を受け後ろのソファにぶつかる。
「アァつい」
一瞬痛みで意識が落ちそうになったがなんとか堪え再びやつを見据える。
ここまでの痛みとはーー流石にやばいか。
「言い忘れてたけど、僕のゲームを邪魔したやつは問答無用で殺すから♪」
ただの殺人鬼決定……
すぐさま今度は新たな包丁を持ち出し、飛びかかろうとした瞬間、僕は机をさっきナイフで刺された逆の足で蹴り上げぶつける。
一瞬ひるんだ隙にズボンのウエストのあたりに隠しておいた草刈り用の鎌を手に持ち、起き上がり立っている机の左側からやつめがけて鎌を振りかざす。
しかし、やつの姿は無かった。
刹那
後ろにあったはずの立ち上がった机がこちらに飛んで僕に直撃したが、なんとか払いのける。
やつは僕が左からいった瞬間、感だけで右側に飛び机の裏側にいるはずの僕めがけて包丁
をふるった、さらには机の裏側に僕がいないとわかった瞬間、すぐさまこのことの逆のこと
を考え、さっき自分がいたであろう場所に飛んだと予測し後ろにある立ち上がった机を蹴り
飛ばしてきたのだ。
そして、倒れた僕に飛びかかりやつは僕の首を掻き切ろうとしたが、僕がとっさに手を出したため腕が切れる。
だが、もう相手にマウントを取られている状態、僕はのどを再び狙われ包丁が突き刺さる。
最後の抵抗として、僕は動かせるナイフを持った手で上に振り上げるそれがたまたま奴の片目に当たり、出血する。
ざまぁ見やがれ……だんだん意識が薄くなる。
やつも確実に死んだと思ったのかこれ以上の追い打ちはなかった。
そりゃそうだ喉に包丁が突き刺さってるんだから。
「今のは楽しかった。やっぱりこういうスリルは現実でしか味わえない。フフ、ふはははははは……」
「また、やろう」
彼は笑い、そのまま扉を開け出て言ってしまった。
僕は薄れる意識の中、携帯を取り出しメッセージを打つ。
「ごめん」
その数十秒後……彼は絶命する。
僕は、一人ログインし、ジグさんとオフ会の日程について話合っていた。
「分かりました。12月22日ですね」
「お仕事に差し支えないですか?」
「大丈夫ですよ」
ジグさんはにこやかに答える
「場所はどうされます?」
「場所はちゃんと決めてあります。僕の家はどうでしょう?」
僕は、一瞬ためらったが即座に切り替えなるべく早く答える
「ジグさんが良ければ、お願いします」
いつも通りの笑顔を崩さず答える。
これで、場所、日時が決まった。
それから、ジグさんとの集合場所を決め、僕はログアウトしようとした時。
「あぁそうそう、ちゃんと2人で来てくださいね。待ってます」
この言葉で、僕の疑惑は確信へと変わる。
「はい、では明日」
ログアウトし、僕はベットに寝っ転がる。
明日は人生最悪の日になるだろうなぁ、そう思いつつもついにやけてしまう。
ベットから起き上がり、明日の準備を始める。
♢
次の日、僕は昨日決めた集合場所へと足を運んでいた。
予定時刻の5分前、すでにジグさんは来ていた。
集合時刻は昼の2時。
「こんにちは、ジグさんですか?ラミルです」
ラミルは僕のゲームプレイヤーネームだ。
「はい、こんにちは」
ジグさんは何かに気づいたのかまるではてなを浮かべたような表情で質問して来る。
「あれ?カルアさんはどうされたのですか?」
カルアというのは僕の幼馴染、藤重璃屠≪ふじしげあきと≫(通称あっきー)のプレイヤーネームだ。
「ちょっと体調が悪いそうで、今日はパスするそうです」
いかにも本当っぽく、なおかつ嘘は入れずギリギリのラインで答える。
あっきーは常に体調わるそうだし、嘘ではないよね?
「そうですか、それは残念です。お大事にとお伝えください」
ジグさんは本当に残念そうに表情を曇らせる。
「では、案内しますね。車回してあるのでどうぞ」
僕はジグさんの案内に従い、そのまま車に乗車する。普通の車で内装は特にいじってないうえ綺麗な状態に保たれている。
それから10分くらい車を走らせ、ジグさんの家に着く。
かなり大きい一軒家で、まさに豪邸といった感じだ。
僕が呆けてると、ジグさんは家の中へと誘導してくる。
覚悟を決める。さぁ頑張りますか、僕はそう心の中で言い自分を鼓舞する。
セキュリティを抜け大きな扉の前に立つと自動で扉が開く。
ジグさんは僕をリビングへ案内したあと、お茶を入れに行くといってキッチンへ向かった。
「どうぞ」
お茶とお菓子が置かれ、ジグさんは僕の向かいのソファに座る。
「まずは、自己紹介から。僕は本名を刹那悠紀といいます、改めてよろしく」
いきなり本名を名乗ってきた。こちらも名乗ろうと思った時、悠紀さんは君は言わなくても大丈夫と言うかのように僕の前に手を出し静止してきた。
「よろしくお願いします」
この一言だけ僕は、返しておいた。
そして、数泊おいたのち、普段気になっていたことを質問してみた。
「悠紀さんはOOPARTSの他に何かゲームしてるんですか?」
悠紀さんは少し考えるそぶりをみせてから答えてくれた。
「はいそうですね……OOPARTSの他に1つだけはまっているゲームがあるんですよ。それが課金制度がないのにとてもおもしろいんです、OOPARTSの片手間にやってるんですよ」
へぇ今時課金制度のないゲームか、どんなゲームかは気になるところだがその気持ちをぐっと堪える。
いかんいかんついゲームとなると興奮気味になってしまう。
「けんさんもぜひやってみてください、後で教えますよ」
「はい、ぜひお願いします」
うん、そりゃ聞きますとも。
悠紀さんは僕の返事を聞くと、軽く微笑み話を変える。
「僕らも、もう次の結社戦<クラン戦>TOP5入りしそうですね」
「はい、このまま順当にいつも通りに戦えば勝てると思います。もちろん気を抜く気はありませんが」
結社戦は報酬がいい、それにTOP10とTOP5では報酬の差がでかい。これで上位に入れれば通常なら報酬を何十人規模で山分けだが、僕らの場合は3人での山分けになるので、一人頭の貰える報酬が他の結社の数十倍になる。
「戦闘力を上げとかないといけませんねぇ」
悠紀さんは頭をかきながら目をキラキラしたような表情で答える。
この人もゲームが好きなのだろう。
数時間もの間、OOPARTSの話に花を咲かせ、各々の部屋の内装のこだわりや、趣味(OOPARTS内の)だったりと長い間喋っていた。
時計を見るともう夕方の6時、時間的には頃合いだろう。悠紀さんもそう思ったのか目が合いしばしの間静寂が広いリビングを包む。
先に言い出したのは僕だった。ここからが勝負どころかな。
震える足を押さえつけ、噛みすぎた唇は赤みがまして真紅に染まっている。
「ここに僕たちを呼びつけた理由を知りたいのですが。嘘なしで答えてくれませんかね」
ここで、表情を一瞬で切り替え相手を見据える。睨むでもなくただ見るだけでもなく、相手を威圧するように。
ただ、悠紀さんはそれをものともせず笑顔いやこれは笑顔ではないただにやけているだけだろう。ここにいる餌をどう調理するかしか考えていないだろう。
背中から溢れる脂汗を感じながら僕は息を飲む。
「嘘なしだなんて僕はただゲームについてお話したかっただけですよ?」
とぼけるように、話すが彼の顔下半分は笑っているが上半分は笑っていない。
よく言う。
「この部屋の状況を見て正常でいられる方がおかしいと思いますけどね」
そう、この部屋中血だらけで、まだ血液もどろっとしていて新しいし匂いも酷い。
この現状を見て平常心で入れた僕を褒めて欲しいものだ。はぁ。
「ふ、ふふ冗談ですよ♪ いやぁ最初入った時に声をあらげようとしたらやっちゃうつもりだったんですけどねぇ、流石ですよ」
よく言うよ、僕を先に部屋に入れてすぐさま鍵をわかりやすく閉めたのはどこのどいつだよ。絶対恐怖心を煽るつもりでやりやって。
「いつから、お気付きで?」
「最初会った時は気付きませんでした、ただ僕らと長くいたのが悪かったですね。僕は大抵の嘘は少し付き合えば分かるので」
「あなたが、所々に嘘と真実を散りばめていたのは気づいてたのですが、その目的が読めなかったです今日までね」
まぁ、まさか予想していたもっとも悪い状況になるとはね。
詐欺や、個人情報、僕らのお金名等々いろいろ考えていたんだけどね。
「まさかここまで酷いとは思ってもいいなかったですが……」
悠紀さんはなるほどと言ったように頷き、すぐさまさっきの笑顔に戻る。
「いやいやここまで感のいい人だとは思いませんでしたよ」
テーブルの上に並べられているコーヒー、お菓子を見定める。
恐らく、毒か何かを盛ってるのだろう。いやいやこんな部屋に入った時点でどんなものでもお断りなんだけどね……
「この家も、借屋かなにかだろ?」
正解と言わんばかりの笑顔を見せ、喜んでいる。
「素晴らしい、そうです、ここはただ借りてるだけ……1年前からね」
「こんな生活感ない家はなかなか見ないですからね」
僕は引き気味に答えると、すぐさまズボンのウエストのあたりに隠してあるものに手を触れ臨戦態勢を作る。
「まぁそんなに怖い目をしないで。ゆっくり話でもしましょう、どうせ今日で終わりですから♪」
悠紀さんは血に染まったソファに染まったまま、遠くを見据え話を始める。まるで僕が眼中にないと言わんばかりに。
「僕はね、ゲームが好きなんですよ。OOPARTSはたまたま適任者を探す為に始めたのですがね徐々にはまっていって僕も驚きました」
僕は常に気を張りいつでも大丈夫なように、警戒する。
「ああいうゲーム昔は好きじゃなかったんですがね……」
「で、1年前から僕はさっき紹介したゲームをしててね。」
さっき話してた課金システムがないのに面白いって言ってたゲームか。
「実は、それ自分で作ったゲームなんですよ。僕はゲームには刺激をいつも求めていたんです、ただ最近のゲームは刺激がありませんでしたからねだったら自分で作っちゃおうと思いまして」
「OOPARTSにもう少し早く出会って入ればこうなることも無かったんでしょうねぇ残念です」
ちっとも残念そうには思えない表情で悲しんでいる。
ただ、刺激があるゲームなんてそんなに簡単い作れるもなのか・・いかんなこの人の話にはなぜだかひきこまれてしまう意識が変な方向へ向けさせられる。
「そのゲームというのがですね……99人を殺害するまで終われないという内容でしてね。なかなか大変だったですよ。あ、今から説明しますね♪」
また変に明るい表情になり、さらに饒舌に語り出す。
「えーと、まず1から99というこの数字はですね、人間の年齢を表しているんですよ。この1才から99歳まで
の人間をその年齢1人ごとに殺していくんですね。殺し方も99通りで……」
「それと男女は問わず、期限は1年……なのでちょうど今日になるね。どの年齢から殺していっても構わない、ただ誰かに知られたり捕まった場合はGAMEOVERでその場合は僕が死ぬ」
「GAMECLEARの条件は誰にも見つからずに殺しきる。その場合でも僕が死ぬ。誰かに知られGAMEOVERに
なった場合警察に自首をする。年齢を間違えて殺してしまった場合はその場で自害とまぁこんな感じさ他に
もいろいろあるけどもう言っても無意味だしね♪」
と、あっけらかんに答えているが頭がおかしいとしか言いようがない。
ただ、人を殺して満足するだけでは飽き足らず自分までそのまま死ぬなんて、ふざけてる。
「だから、君に知られた時点でGAMEOVERなのさ。あとカルアくんが来ない時点でもね。君たち2人を殺せばちょうど揃ったんだけど」
そう言うと机の上に置いてあったアルバムを開いてくる。
そこには1才から99歳(僕らを抜いた)人たちの死亡したことがわかる写真と死亡時刻が記入されていた。
「というより、君に負けたといったほうがいいのかなぁ」
そう言うと思いっきり顔を近づけてくる。
僕は震える唇をなんとか開き喋る。
「そういうことだと思うよ。とっとと自首したらどうなんだい?」
小さな抵抗だが、相手を挑発する。さっき言ったことが本当なら大丈夫なはずだ。
「そういうことになるね……」
「君を殺したあとでね」
彼の笑顔は消え失せる。
そう言った瞬間机にあった中身の入ったコーヒーカップを掴み、僕めがけて投げつける。
それを僕は間一髪のところで右側に飛びつきかわす。
そしてやつはすでに机を踏み台にし飛びついてくる。手には隠し持っていただろうナイフを持っていた。
そこに僕は蹴りをかます……がそこを間一髪で受け切られ足にナイフを思いっきり刺され大量の血が滲む。
やつは蹴りの反動を受け後ろのソファにぶつかる。
「アァつい」
一瞬痛みで意識が落ちそうになったがなんとか堪え再びやつを見据える。
ここまでの痛みとはーー流石にやばいか。
「言い忘れてたけど、僕のゲームを邪魔したやつは問答無用で殺すから♪」
ただの殺人鬼決定……
すぐさま今度は新たな包丁を持ち出し、飛びかかろうとした瞬間、僕は机をさっきナイフで刺された逆の足で蹴り上げぶつける。
一瞬ひるんだ隙にズボンのウエストのあたりに隠しておいた草刈り用の鎌を手に持ち、起き上がり立っている机の左側からやつめがけて鎌を振りかざす。
しかし、やつの姿は無かった。
刹那
後ろにあったはずの立ち上がった机がこちらに飛んで僕に直撃したが、なんとか払いのける。
やつは僕が左からいった瞬間、感だけで右側に飛び机の裏側にいるはずの僕めがけて包丁
をふるった、さらには机の裏側に僕がいないとわかった瞬間、すぐさまこのことの逆のこと
を考え、さっき自分がいたであろう場所に飛んだと予測し後ろにある立ち上がった机を蹴り
飛ばしてきたのだ。
そして、倒れた僕に飛びかかりやつは僕の首を掻き切ろうとしたが、僕がとっさに手を出したため腕が切れる。
だが、もう相手にマウントを取られている状態、僕はのどを再び狙われ包丁が突き刺さる。
最後の抵抗として、僕は動かせるナイフを持った手で上に振り上げるそれがたまたま奴の片目に当たり、出血する。
ざまぁ見やがれ……だんだん意識が薄くなる。
やつも確実に死んだと思ったのかこれ以上の追い打ちはなかった。
そりゃそうだ喉に包丁が突き刺さってるんだから。
「今のは楽しかった。やっぱりこういうスリルは現実でしか味わえない。フフ、ふはははははは……」
「また、やろう」
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