伝説の遊騎士
試験~VS黒夜2~
楓の視界には二つの光景が広がっていた。
ひとつは自分に迫ってくる三本の槍だ。これは自分の不注意でもう避けることはできない。それが分かった楓はもうひとつの光景に・・・黒夜の上空に目を向ける。
そこには空を飛んでいる臙城がいた。
いや、正確には上空から落下してきているのだ。その手には先程とは違い銀色の鈍い光を放つ刀を握っている。
落下のスピードは早くはない。
それでも確実に勝利を勝ち取るための刃は黒夜に迫っていた。
黒夜までの距離が数十メートルほどになった所で臙城はその刃を振り上げる。
後は振り下ろすだけ。
そこまでで臙城の姿は迫ってくる槍の陰に隠れてしまう。
そこからはもう自分を貫くだけの槍を見ていることしか出来なかった・・・覚悟はしていた。それでもやはり恐怖心が込み上げる。楓は反射的に目を閉じた。
何秒が経過しただろう。
いつまで経っても痛みが来ることはない。
不審に思った楓は目を開くと、目の前には楓を守るようにそびえ立つ壁が作られていた。
「何だ・・これ」
不思議に思い、その壁に触れる。
壁は土と砂で出来ていたようで触れた部分は簡単に崩れ落ちた。
『♪~♪♪~~』
不意に楽器の音が耳に入ってくる。とても力強くキレイな音色だ。その音を聴いているだけで楓の心は落ち着きを取り戻す。まるで守られているような、何かに包みこまれるような感覚。
楓が音のする方向を振り替えると、そこには横笛を吹く風花がいた。
風花の周りでは粒子〈エクア〉が音に合わせて踊るように浮遊している。そんな中で演奏をする風花はただただキレイで思わず見とれてしまう。
(んなこと、考えてる場合じゃなかった)
楓は自分の置かれている状況を思いだし砂の壁を出て黒夜の姿を探す。
目的の相手は直ぐに見つかった。そこには臙城と斬り合いを繰り広げる黒夜がいた。黒夜の手には先程まで持っていなかった漆黒の剣が握られている。
まだ黒夜が生きている・・・ということはさっきの奇襲は失敗したのだろう。打ち合わせなしの奇襲だったが成功したと確信していた楓は茫然と見ていることしか出来なかった。
ひとつは自分に迫ってくる三本の槍だ。これは自分の不注意でもう避けることはできない。それが分かった楓はもうひとつの光景に・・・黒夜の上空に目を向ける。
そこには空を飛んでいる臙城がいた。
いや、正確には上空から落下してきているのだ。その手には先程とは違い銀色の鈍い光を放つ刀を握っている。
落下のスピードは早くはない。
それでも確実に勝利を勝ち取るための刃は黒夜に迫っていた。
黒夜までの距離が数十メートルほどになった所で臙城はその刃を振り上げる。
後は振り下ろすだけ。
そこまでで臙城の姿は迫ってくる槍の陰に隠れてしまう。
そこからはもう自分を貫くだけの槍を見ていることしか出来なかった・・・覚悟はしていた。それでもやはり恐怖心が込み上げる。楓は反射的に目を閉じた。
何秒が経過しただろう。
いつまで経っても痛みが来ることはない。
不審に思った楓は目を開くと、目の前には楓を守るようにそびえ立つ壁が作られていた。
「何だ・・これ」
不思議に思い、その壁に触れる。
壁は土と砂で出来ていたようで触れた部分は簡単に崩れ落ちた。
『♪~♪♪~~』
不意に楽器の音が耳に入ってくる。とても力強くキレイな音色だ。その音を聴いているだけで楓の心は落ち着きを取り戻す。まるで守られているような、何かに包みこまれるような感覚。
楓が音のする方向を振り替えると、そこには横笛を吹く風花がいた。
風花の周りでは粒子〈エクア〉が音に合わせて踊るように浮遊している。そんな中で演奏をする風花はただただキレイで思わず見とれてしまう。
(んなこと、考えてる場合じゃなかった)
楓は自分の置かれている状況を思いだし砂の壁を出て黒夜の姿を探す。
目的の相手は直ぐに見つかった。そこには臙城と斬り合いを繰り広げる黒夜がいた。黒夜の手には先程まで持っていなかった漆黒の剣が握られている。
まだ黒夜が生きている・・・ということはさっきの奇襲は失敗したのだろう。打ち合わせなしの奇襲だったが成功したと確信していた楓は茫然と見ていることしか出来なかった。
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