奴隷を助けたはずが奴隷になったのでタスケテください!

金丸@一般ユーザー

6ー1 アポテネスへようこそ

炎天下、岩石と枯れた川ばかりの土地を進む。

パンツさえ、汗でぐっしょりとしている。

アンナと別れて、ゲルヴァシャ国へ向かう途中。

砂漠を越える為に、交易こうえき都市・アポテネスをめざすことになった。

「リーシェ、いきてるかあ……」

「うん……、生きてる」

マントのフードをかぶったリーシェは、口を半開きにしたままやや上を向いて歩いていた。

数時間ほど進んだある時。

岩陰いわかげから、サメの頭部とスカラベの胴体を合わせた様なモンスターが現れた。

体長1メートルほどのモンスターは、口から汁をたらしながらこちらを見ている。

————プロメテウスのハエ叩き。

魔法で作り出したそれで、モンスターの頭を打つ。

ハエ叩きはその体に少し埋まると、頭部をぺしりとつぶす。

モンスターは消えた。

汁にまみれた魔石が、何個か出てくる。

かわくまで触りたくない……、けど、ここで立つのはツラい。

「ねえ、リーシェ」
「イヤ」

一秒さえ感じさせないほどの即答だった。

暑さと戦いつつ魔石を稼ぎながら歩くと、交易都市の入口がようやく見えてきた。

行商人や旅人であふれかえっている。

しかし、様子が変だ。

行商人たちが役人とモメている。

「高い税を俺たちへ課すクセに、行路は封鎖するってどういうことだよ!」

「税は関係ない、モンスターが暴れていることが原因だ。

 言いがかりをつけても、還付は行わないぞ」

お役所仕事かい、もう詐欺さぎだな。

「リーシェ、はぐれない様にね」

俺はそう言って、手をつなごうとする。

リーシェは、マントのそでで自らの手を包んでから、俺と手をつないだ。

都市出入管理所へつく。

「ようこそ、アポテネスへ。どの様な目的でしょうか」

「砂漠を渡る為に通るつもりです」

「通行には、三万五千ルドが必要です」

「今は手持ちがないんですが、金を工面するので、猶予ゆうよをもらえませんか」

「登録済みの行商人なら、出国の際にまとめて納税のうぜいでも可能だけど……。

旅人だとチョットね……、特別扱いしてたら、キリがない」

封鎖中のことは言わずに課税するのかよ。

茶の袋から小さな魔石をひとつ取り出す。

そして、役人の手へ、魔石を握り込ませる。

「納税のときには、個人的なお礼もしたいと考えてます」

役人は微笑ほほえむ。

「そういうことでしたら、少々お待ちください」

ほどなくして、彼は「特別許可証」とかかれた通行書を俺に渡す。

「日没までに、また管理所に来てください。

 許可が失効すると、投獄とうごくされてしまいますので、ご注意ください」

門をくぐり抜けて、都市へ移動する。

リーシェは、去り際にしたを出して「べー」とつぶやいていた。

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