奴隷を助けたはずが奴隷になったのでタスケテください!

金丸@一般ユーザー

2ー1 魔石

リーシェの案内で近くの街へ向かう。

もうすでに、夕陽が傾いていた。

手をつないで歩くリーシェの歩幅は、思ったよりも小さい。

「夜になるほど、モンスター出やすいデス」

「キッシャアアアアアアア!」

モンスターの叫びが聞こえた。

言ったそばから奇襲かい。

極彩色の羽を持つクジャクの様なモンスターが、舌を出しながら襲いかかる。

リーシェをひょいと抱きかかえて、突進を回避する。

モンスターが反転してふたたび突進した。

————プロメテウスの炎剣。

陽炎をまとうその剣をモンスターの正面から振り下ろす。

突進の残動を制し、剣はモンスターを焼き切る。

すると、宝石の様な石がふたつ焼け残った。

「魔石、キレイ……」

そう言ったリーシェは、目を輝かせていた。

「一個あげる」

笑顔のリーシェが、喜びの声を出しながら、その石をもう少しで沈む夕陽へ掲げる。

彼女の首にリンゴの様なアザが見えた。

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く