奴隷を助けたはずが奴隷になったのでタスケテください!

金丸@一般ユーザー

1 最強の奴隷、誕生

音楽聴きながら寝落ちしたら、イヤホンで首がしまってシにました。

女神はそう言った後、なんだか事務的に処理を進めてゆくと、俺ーー山方赤也やまがたあかやにカタログを渡す。

オフィスにぽつんと立つ俺は、それをぱらぱらと眺める。

カタログには、あらゆるチートが掲載されていた。

「これから行く先は、魔法のある世界です。それを持たない人がそこへ行く場合、補てんを行なっています」

「見てみたけどさあ、どれもありきたりでショボいチートばっか。興味ないな」

「それでしたら、これはどうでしょう。もっとも強力で、誰にも扱えなかったスキルーー【赤爆せきばく】」

「じゃ、それでいいです」

「転生と転移どちらにしますか?」

俺は記憶を持ったままの転移にした。
体はどうしても変わるらしい。



目を開けると、見知らぬ森の中にいた。

「イヤ! 誰か助けて、もう働きたくない」

声の方向へ行く。

鎖のついた首輪を付けた金髪の女の子が、ムチで叩かれていた。

ああ、奴隷か。

男の数は数人ほど。

「おい、子どもに暴力はやめろよ」

「なんだてめえ、おい殺すぞ!」

やれやれ、どんだけ倫理観の発達が遅れてるんだ。

「もう痛いのはイヤなの、おなかすいた」

泣きじゃくる女の子。

男たちが斧を構える。

「もう後悔しても遅せえからな!」

「分かったから、こいよ」

男が斧を振り下ろす。

ひょいとよける。

魔法で炎剣ーープロメテウスを作り出す。

習ってなくとも、できるじゃないか。

「コイツ、戦闘用の魔法を!」

プロメテウスでその男を焼き切る。

男はまっぷたつになるなり焼却された。

余波で周囲の植物が炭になる。

「しゃべってないで、さっさとこい」

いっけね、加減はまだできないようだ。

残りの男たちが逃げ出すと、黒い甲冑をきた大剣を持つヤツが現れる。

「ブロディアスさん!」
「ブロディアスさん!」
「ブロディアスさん!」

「おいおい 、ウチの従業員がワンカケじゃないか。

オマエ、とうぜん働くよなあ?」

「肉体労働は趣味じゃない」

ブロディアスの剣に炎が巻きついてゆく。

「プロメテウスの炎剣……、並の魔法労働者にしては」

俺は彼を切り払う。

ブロディアスは大剣で軽く俺の剣を弾いた。

「あいにくだったな小僧。
炎を使う魔法では、このカリュ大陸で俺の右に出るものはいない」

笑う。

「助かる、新しい力を試したいんだ」

プロメテウスの炎剣を消し、赤黒い球体を手の平に浮かべる。

「なんだ、見たこともない魔法だな。

だが、我が剣技の前では意味がない!」

秒間16発の炎斬撃と火の大蛇が俺を襲う。

遅いんだよ、音速ぐらい超えてこい。

「赤爆の衝度を味わえ」

ブロディアスを周囲ごと焼いてしまえ。

あの球体を放つ。

ブロディアスは攻撃ごと火柱に包まれた。

火柱は大気圏まで及び、星のマントルまで到達する。

「ブロディアスさん!」
「ブロディアスさん!」
「ブロディアスさん!」

なんだよこのゴミスキルは、抑えて撃ったとは言え、この程度か。

「ままっまままま、まさか、禁忌の炎!」

「なんだそれ?」

「知らねえで使ってんのかよ、ありえねえぞ。見てみろ炎を」

炎は消えることなく広がってゆく。

「その炎はな、術者が念じたものを焼くまで 追いかける。しかも、触れた瞬間に炭さえ残さずに焼き尽くす」

全て燃やすように念じちゃった。

消えろって念じとこう。

とりあえず、女の子を助けたからいいか。

「あの、ありがとうございます!
リーシェ助かりました!」

「気にしなくていいんだよ、辛かったね」

頭をぽんぽんと撫でる。

リーシェは目を閉じて微笑む。

「リーシェとっても嬉しいです、お嫁さんになっていいですか?」

きっと、ライク(like)って意味だろう。

「まあ、いいよ」

彼女は俺に首輪をつける。

「じゃ、リーシェものデス。独占して離しません!」

なんだ、一途な子だな。

リーシェは、限りなく全開に近い瞳孔を俺に向ける。

「 浮気したら、許さないから」

こうして、俺の奴隷生活始まった。

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