自称『整備士』の異世界生活
31
先日、新車で買ったばかりの単車で転倒してしまい当分は右半身が動きません。
二週間ほど入院生活になるので今週と来週に二話ずつ投稿できそうです。
その後。冒険者ギルドに父ちゃんを残して、一足先に俺は宿屋で休む事になった。
っと言っても、昨夜泊まろうとしていた"鷹の山"は出禁になってるし、他の宿屋だ。
気を利かせてギルド長のウィックが手配してくれた。
安宿だが、昼夜関係なく泊まれて、食事が美味しい宿屋らしい。
ちなみに、前の宿屋の修繕は冒険者ギルドが責任を持ってしてくれるらしく、全て直ったら出禁は解除らしい。
ベッドに背中から飛び込んで、天井をボーッと眺める。
昨夜は大変だったな、と思いながら。
うつらうつらと瞼が重くなっていく感覚に身を任せて、微睡みの中へと落ちて行く。
○○○
昼頃に空腹で目を覚まして、軽く周囲を見回す。
あまり熟睡できた気分はしなくて、「くあぁぁ…」と大きな欠伸をして身体を起こす。
寝ている時の俺は無防備になる。そんな時に狙われた一大事だ。昨夜の一件で街中でも安全だと限られたわけじゃないって学んだからな。
だから、こんな事もあろうかと張っておいた罠があったんだけど、どうやら何人かが引っ掛かったようだ。
部屋内にマナの残留が残っているのが何よりの証拠。
使用した罠は転移魔法だ。
それを記した簡易スクロールを床に散りばめておくと、踏んだ奴は有無を言わさずにどこかへ飛ばされてしまう。
とは言っても、動作の確認はしたけど、どこへ飛ばされているのかは俺でも分かってないけどな。自分で試すのが怖くてやってないんだ。
まぁ、寝込みを襲おうとした奴が悪い。飛ばされた場所が空や地中とかなら運が悪かったと諦めて欲しい。
「行く、か」
まだ床に残っている簡易スクロールを回収して宿の食堂へと向かう。
○○○
食事を終えて小休憩を挟んだ後、食後に必ず行うようにしているトレーニングを済まし、部屋に戻る。
今日はこれと言ってしなきゃならない用事とかないし、オモチャでも作っていようと思った次第だ。
…そうだな。試作バイクの作成も中途半端だし、その続きでも作っていようかな。
現在はエンジン、ミッション、キャブ、フレームなど。バイクの大切な身体が完成している状態。
残すはタイヤやらチェーンやらと、人間に例えると眼球や皮膚などの小物をチョコチョコと作るだけだ。それが面倒で手が止まっていたけれど、そろそろ手を付けなきゃいつまで経っても完成させれない。
さて、やるかっ!
○○○
………ああ。
どうも俺は一つ大きな自惚れを持っていたようだ。
俺は、金属の類はどんな物であろうと魔法で創り出す事が出来ていた。
それこそ金や銀と言った物までマナの消費量を気にしなければ創り出せる。
だけど、それが出来るからと言って大きな勘違いをしていた。
想像さえ出来れば何だって創り出せると自惚れていたんだ。完璧に想像したはずのバイク一台すら創り出せないのに、とんだ傲慢さだ。
俺の手元には試作バイクに取り付ける予定のホイールがある。けれど、肝心のタイヤがない。……そう。何を隠そう、ゴム製の物質が創り出せなかったんだ。
トレッド、サイドウォール、ベルト、カーカス、ビードによって構成される多重構造のタイヤ。ゴム以外にもさまざまな部材で構成されているが…それでもゴムは必要不可欠な物質だ。
金属でゴムの代わりをさせるのは無理がある。っと言うか、不可能だ。
摩擦抵抗、強度、硬度、弾力、高い反発弾性、それらはゴムしか持っていない優れた性質だ。
だが、俺は余りゴムに詳しくない。
最後に回したのが仇になったか…。ゴムを使わなきゃならない箇所はタイヤ以外にも、エンジンやフレームやホイールなどと沢山ある。色々な箇所で振動を吸収させる役割を補うんだ。それがないと、路面の振動、エンジンの振動、摩擦力や抵抗力などを抑える事ができない。
どれだけ頑丈で硬度が高いものであっても、激しい振動を与え続けられれば形を歪ませるし、酷い場合は割れてしまう。
それに、硬度が高ければ高いほど衝撃に弱く割れやすいから、物と物の隙間などにゴムなどの緩和剤を挟まなきゃならない。
ゴムが無ければ、バイクや車なんて作るのは夢のまた夢だ。出来たとしても、壊れやすくて木製の車輪を付けた乗り物ぐらいが関の山だろう。
向こうの技術を持ってくるのはまだ難しいか…。
取り敢えず、部屋に散らばった荷物を片付けて、気分転換がてら外出の準備をする。
時刻はおおよそ夕方。夕陽でも見に行くのも悪くない。
作業に行き詰まってしまったから、試作バイクの作成は良いアイディアが出るまで一旦停止だ。
○○○
人通りが多い大通りは今日も賑わっている。
露店や屋台などを冷やかしつつ、たまに興味が唆られた物を購入しながら街中をフラつく。
特にやりたい事もしたい事も今はなく、行き詰まってしまって落ち込み気味な心を入れ替えようとしている真っ最中だ。
「そこの坊ちゃん!ちょっと寄ってかないか?面白いもんを仕入れたばっかだぞ!」
なんて呼び掛けられてはフラフラと立ち寄ってみるを繰り返してばかりいる。
さて、今度はどんな物なんだろうな。
「これを見てくれ!」
ふむふむ。俺が作るアクセサリーに似ているな。こう、なんて言うか、鉄で出来ている所とか、無駄な装飾が一切ないところとか、不恰好じゃないけどアクセサリーにしては飾りっ気のないところとか。
「これはな、最近巷で噂の魔法のアクセサリーで、誰でも簡単に魔法を使えるようにするって言う代物だ!どうだ!?凄いだろっ!?今ならこれを…坊ちゃんなら金貨一枚で売ってやるぞ!?」
どうだっ!?とでも言わんばかりに言ってきた。
金貨一枚か…。これと同じような物を大量に売った時の値段は全部纏めて金貨一枚だった。
やっぱり、こう言った魔法の道具は素人が作った物よりも、熟練者が作った物の方が高いんだな。
姿形はソックリでも、きっと俺よりも物作りに優れた奴が作ったんだろうって言うのが値段で分かる。
後学のために買うか?
でも、金貨一枚だろ?少し高い。
アクセサリー作りはあくまでも暇潰しだ。その程度で無駄使いをしていたら、ただでさえ無駄使いし過ぎてる所持金が底をついてしまう。
そんな物を買うよりも…。
「これ、買う」
コッチの方が遥かに有用性が高いな。
この世界の住人が手掛けたであろう紙の巻物…スクロール。俺が作った簡易スクロールなんかよりも歴史と伝統のある叡智の結晶だ。
「坊ちゃんに買えるのか?」
「幾ら、だ?」
「一番安い『クリーン』が金貨2枚。一番高いので、この『ヒール』のスクロールだな。金貨30枚だ」
なるほど。
『クリーン』ってのは…日本語に直すと清浄、か?んで、『ヒール』は回復だな。これは分かる。
『ヒール』のスクロールが欲しい所だが、そんな金はない。ここは『クリーン』で我慢するか。
「『クリーン』、くれ」
「あいよ。金貨2枚だ」
「ああ」
初めての本物のスクロールを手に入れた。調べるのが待ち遠しい。
その後もウロウロと露店を覗いては買い物をしたりして時間を潰していると、徐々に辺りが暗くなり始めて人通りが少なくなってくる。
さて、そろそろ良いか。
大通りから逸れて、人通りが全くない小道へと足を踏み入れる。
脳内マッピングによると、ここから突き当たりまで行って右に行けば俺が泊まっている宿屋に着く。
けど、俺がこの路地に入ったのは宿屋に行くためじゃない。そのついでに、と言えば楽観的すぎる気がするけど別の目的がある。
「まさか自分から人気のない場所に来るなんてな。もしかして、それで誘ってるつもりか?」
ずっと俺の跡を付けていた奴と話すためだ。
服装はその辺で歩いている奴等とそう変わらない。見たところ武器の類も持ち歩いてなさそうだし、相手の体内マナは微動だにしていない。
ヒョロリとした体型に、警戒を含んだ鷹のような鋭い目。見た目以上に怪しい奴だ。
コイツが何者かは知らないけど警戒は止めない。だって、宿屋を出た所辺りからずっと付いてきていたんだ。
ストーカーされるような覚えもないし、おそらくは昨晩からずっと付け狙ってくる奴等の一味だろう。
出来うる限り俺が優位な立場に立つ為にも、試作小型マナ濃度応用型爆弾…通称、試作小型爆弾を取り出して、いつでも投げれるように軽く握り締める。
この爆弾は、魔石の中にあるエーテルを容れ物…極限まで薄くしたアルミの中に封入しているだけのものだ。もっと簡単に説明してしまうと、アルミ缶の中に入れただけと言うことになる。
とは言っては、大きさはビー玉サイズ。威力は人を弾き飛ばすぐらいだ。
「だったら、その物騒な物を仕舞ってくれ。私は君と敵対する気はない」
両手を挙げて降参のポーズを取る男。
コイツの口振りからして…これを知ってるのか?でも、人前に出すのは始めてだし…それに、このサイズだぞ?
あ、そうか。
これは俺が独自に開発した物であって現状では大きさ=威力だ。それに、俺でも開発できるぐらい簡単な構造をしている。
それなら、この世界の長年の研究やらで威力の向上とか縮小化やらして、もっと威力の大きい。それこそ手榴弾ぐらいの物を作れているはずだ。
魔法のある世界だ。とっくの昔に開発していてもおかしくないだろう。
そう考えると合点が行く。
「っと言っても無理か。さすがは"破壊王子"の二つ名を冠するだけはある…か」
ん?誰だって?
「それに、私はお前をただの子供だと侮りすぎていたようだ。これほどまで損害を出されては此方としても困ってしまうんだよ」
「………」
損害って言うと、俺が壊した宿屋か?
でもそれはウィックが責任を持って直してくれるって言ってたし、それ以外だと…うーん…思い当たる節がないな。
人違いじゃね?
「我々としてはこれ以上の損害をお前一人に出すわけにはいかないんでな」
なにやら剣呑な雰囲気を感じ取って、小型爆弾を持つ手に力が篭る。不思議と負ける気はしないけれど、決して慢心はしない。
爆弾はいつでも投げれる。なんなら、検証用の爆弾がまだまだ沢山あるし、気紛れで作った街一つ吹き飛ばせるサイズの爆弾もある。
試した事ないから本当にその威力が出るかは分からないけど、あのエーテルの量だとそれぐらいの威力が出てもおかしくない。
「おっと、待て待て。私は敵対しに来たわけじゃない。あくまで話し合いに来たんだ」
ゆっくりと降ろしていた腕を慌てたように上げると、ニタニタと薄気味悪い笑みを浮かべ始めた。
胡散臭い奴だ。
襲ってくるなら容赦せずに投げるけど、おそらくは軽い怪我で済むだろう。……上手く爆発すれば、だけど。
試作品段階だからってのもあるけど、硬いものにぶつけないと爆発しないんだよな。
まぁ、使用するにしても、見せるだけにしても、今こうして脅しには使えてるから問題はないけど。
「………」
顎で話せと言外に促すと、男は「ふぅ…」と息を吐きつつゆっくりと腕を下ろしながら話し始めた。
「お前を狙うよう我々に依頼を出したのはブルタークの野郎だ。お前が依頼すればソイツの首を取ってこよう。そうすれば、お前はもう狙われなくなる。どうだ?悪い話じゃないだろ?」
ブルターク…?あぁ、あのデブ男の事か。
あのデブ男に関する事ってのは十中八九厄介ごとに違いない。
そんでもって、コイツの話している内容を頭の中で反復させて考えてみるに…デブ男が俺を殺すように命じた?
昨日の今日だぞ?この情報伝達率が低い世界で、そんなに早く連絡が出来るもんなのか?いや、でも、昨晩ぐらいから命を狙われる事が多々あったし…もしかして、何らかの連絡手段がある…?
「そうか」
分かったぞ。
「………」
きっと、この世界にも携帯のような連絡手段があるんだな。それは俺には想像も付かないような代物なんだろう。
それこそ、魔法を応用した凄い物に違いない。今度作ってみよう。
「何を渋る必要があんだ?簡易スクロールに露店で売り捌いたアクセサリーの数々。金がないって訳じゃないだろ?」
え?金?ちょっと待って。なんの話してるんだ?話聞いてなかった。
「ブルタークが提示した金額は金貨50枚だが、こちらとしてはこれ以上お前に関わりたくもないんでな。ブルタークの暗殺依頼は半額の金貨25枚で請け負おう。どうだ?」
「………」
暗殺依頼?一体、いつからそんなに物騒な話になったんだ?
デブ男は確かにウザかったけど殺すほどじゃないだろ。それに、お仕置きは十分にした。
あとは金が払われるのを待つだけだ。殺してしまったら金が貰えなくなる。
「どうした?金はあるだろ?ほら、早く依頼しろよ」
「断る」
「その言葉、後で後悔するなよ」
そう言って立ち去ろうとし始める男。
随分と不穏なセリフを残して立ち去ろうとするもんだから、思わず男を足止めしてしまう。
「なっ…」
男の前に立ち塞がると、なぜか驚かれた。
普通に頭上を飛び越えただけなんだけど、何を驚いているのか分からない。この世界の人間なら出来て当然の行動だ。
「どこ、行く?」
さっきの不穏な発言。その真意を確かめてからじゃないと不安で夜も寝られないからな。
「そう簡単に逃してはくれないか」
やれやれと言った風に首を振るった後、軽く腕を振るうと男の着ている服の裾から短剣が出てきた。
暗器ってやつか。男心がくすぐられる。
実際に見れる機会が来るなんて思いもしなかった。今度試してみよう。
「俺を甘く見るなよ?」
前屈みになり、左手に持った短剣を眼前に。肩の高さで横にして構え、真っ直ぐに俺を見据えている。右手は背後に隠している事から考えるに、まだ何か隠しているんだろう。
相手は武器を持った大人の男だ。
真っ正面で面と向かって戦う事なんて、これまで一度たりとも…いや、ナルガンと模擬戦をした時ぐらいか。
だが、あれはあくまでも模擬戦だ。ナルガンだって、俺が子供だからと手加減してくれていた。
だからこそ、甘く見るなんてそんなバカな事は決してしない。俺が出来る事は相手にも出来ると考えてもおかしくはない。
俺に勝機があるとすれば、男が攻撃してくる初撃。付け入る隙はそこしかない。そこしか俺が武器を持った大人の男に勝てる術はないだろう。
「どうした?来ないのか?」
「………」
俺は構えない。構えてしまえば相手をより警戒させてしまう。攻撃の初手を見られたら、地力で負けている俺に勝ち目なんてありはしない。
「それなら俺から行かせてもらう…ぞっ!」
言い終わるや否や、短剣を持つ左手を背中に隠して、何も持っていない右手を突き出してきた。
なんだか歪な戦い方だ。
たった一歩で男と俺との距離が瞬時に縮まり、男の手が俺の首を掴もうと襲い来る。
男の手はただの手だ。何も持っていない。素早い挙動で服の裾が揺らいで中をチラチラと見せる。が、その中には何も隠されていない。
だが、何かあるに違いない。
わざわざ短剣を使わずに掴みに来たんだ。
そう思って、一歩退がろうとーー。
「ーーっ」
男の足が二歩目を踏んだ。踏ん張るための足じゃない。俺と男との距離は一歩で十分に縮まる距離。なのに、これは無意味に近い行動だ。
だけど、二歩目を踏み込んだと言う事は…。
男の足のつま先が明後日を向く。そこから導き出される次の動きは、回転っ!
予測通り、男は二歩目の足を軸足にして、一回転しつつ左手の短剣を回転の力を上乗せして振るってきた。
だが、狙いがおかしい。短剣の刃先の向きを先読みするに、このままだと短剣の軌道は俺の頭上を通過するんだ。
これは誘導…本命は別にある?
刹那、左手のみが俺の頭上スレスレを通過した。そちらへ意識が僅かに取られた一瞬を使って、短剣を握った右手が視界外から俺の首を刎ねようと襲い掛かる。
いや、これもおかしい。何かおかしい。簡単すぎる。これも避ける必要がない攻撃なんだ。
男の重心。地面の踏み込み方。肘の角度。そこから察するに短剣の軌道は俺の首には届かない。
っにしても、なんだこの攻撃は。連続技は一つ一つが鋭く、素早い。次に繋げる手も上手く、フェイントだってしてきている。
その動きを見ていれば、かなりの実力者だと判断できる。
なのに、違和感しかない。牽制にしては随分とギリギリを狙ってばかりいる。当てようと思えば当てれる筈なのに、当たるスレスレをワザと狙っている風を受けるんだ。
まるで俺が避けるように仕向けているように……俺の背後に何かあるのか?
しかし、戦闘中に振り返る訳にはいかない。か弱い子供である俺が戦闘中にも関わらず、そんな隙を作っていれば殺してくれと言ってるみたいなものだ。
相手が俺を子供だと侮っていてくれてるのかは定かではないけど、今の状況だと次の攻撃も当てに来ないはずだ。
いや、その考えは早急すぎるか?
そんな俺の思いとは裏腹に、男の踏み締める足がワンステップで入れ替わり、鋭い中段蹴りが眼前に繰り出された。
そう。眼前だ。厳密に言えば、口元と言えばいいだろうか。俺の口を蹴り抜けたにも関わらず、ワンステップする際に僅かに身体を後方にズラしてそうしなかった。
なぜだ?
風圧が頬を撫で、髪を揺らす。だけど、俺の身には一つ足りとも傷を受けていない。
蹴りをした後に、そのまま停止。
男の眼は俺を冷静に見据えている。この後にも何か来るのかと内心で身構えるも、何も来ない。
本当に何がしたいんだ…?
うーん…考えても分からないな。
取り敢えず反撃でもしておくか?
「ふっ。どうした?速すぎて見えなかったか?」
足を上げたまま突然不敵に笑った男。隙だらけだ。その隙をワザと見せている可能性もあるが、体制は余りにも不安定すぎる。即座に反撃に回せるような体制じゃない。
何を考えてそうしているのか分からないが、今が一番の反撃のタイミングだな。
男の突き出す足を掻い潜る為に一歩踏み出し、その勢いで男の股間目掛けて正拳突きを繰り出してみる。
「〜〜〜っ!ぬおおぉぉぉぉっ!?」
てっきり防御されるのかと思って軽く放ったんだけど、そんな素振りすらなく命中した。
見事に男の股間を打ち抜き、男は股間を抑えて激痛に地面をのたうちまわる。
もしかして…バカなのか?
その戦闘技術は素直に賞賛すべき点が多かった。特に、連撃技は見事だった。死角で短剣を持ち替えたり、攻撃を次の攻撃に繋げるのも上手かった。
今の俺じゃ決して出来ない芸当だ。
なのに、最後がお粗末すぎる。こうもアッサリと急所に一撃をもらって倒れるなんて…酷すぎる。
本当にコイツは何がしたいんだ…?
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コメント
トラ
エル君の無自覚さも相当だと思うんだよなぁ
更新お疲れ様です
右半身動かないとか大丈夫ですか!?
更新早いのは嬉しいですが自分の体も大事にしてくださいね