自称『整備士』の異世界生活

九九 零

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この世界には魔法がある。
それは体内に存在するマナを消費して顕現させる事ができる超常現象だ。神のみわざといっても良いぐらい便利で素晴らしい力だ。

でも、この世界では超常現象でもなければ、神秘でもない。常識的な現象だと言う認識に落ち着いている。

だから俺のしてる事は所詮お遊びだ。人に聞けば一発で分かる事を、俺は一人でコツコツと調べて知識欲を満たしている。

それがまた楽しいんだ。

それはさておき、マナは体内のマナタンクに保管されている。

マナタンクの容量が空になるまで魔法を使えば、酷い倦怠感。頭痛。吐き気を覚え、最悪の場合は意識を失う。

けれど、マナは飯を食って寝れば自然と回復する。

呼吸をしているだけでも回復するし、ちょっとした裏技を使えば半永続的に回復させ続ける事だって出来る。周囲に降り掛かる影響を気にしなければの話だけど。

なにはともあれ、それが出来るのも一重にマナが存在するのは体内だけではないからだ。大気中や草や地面。生物や大地の全てがマナを保有している。
唯一マナを持っていないのは加工済みの物だけ。

もし、そんなマナを体内以外のマナタンクに保管できるとしたら?

そんな事を俺は考えた事があった。
もしそれが可能だったなら…。と何度も思った事があるし、何度も試したし、色々な物を使って実験した事も多々あった。
だけど、一つ例外を除けば、どれも失敗に終わっている。他の物にマナを保管すると必ずと言っていいほど爆散するんだ。

でも、今。俺はそれを可能とさせる物を前にして超絶に興奮していた。

「これは…鉱石?宝石?」

街を囲う壁の近くには四方に四つの塔が建っている。俺はその中の一つに来ていた。

目の前には、俺の体がスッポリ収まりそうなほど巨大な宝石のように輝く石がある。
ただの石じゃあないのは見て明らかだ。内側には莫大な量のマナが保管されてて、見た限りでは人の体内にあるマナタンクと良く似た感じをしている。

違う点と言えば、人の体内にあるのは石でも内蔵でもなく、目に見えない"何か"であって、目の前にあるのは石と言うことだな。

「いんや。これは魔石つってな、魔力を溜め込んでおけるもんだ。この街には魔物が寄り付かないように結界が張られてて、それを維持する為のもんだ。一年に一度だけコイツに街のみんなで魔力を注ぎ込む祭りが開かれてるから、坊主も興味があるんならその日にまた来てみなよ」

と言うのは、俺をここまで連れてきてくれた衛兵のセリフだ。

「マシェキ…マリク…」

言い難いな…。
慣れるまで少し時間がかかりそうだ。

話から察するに、魔力とはマナの事で間違いないだろう。
と、言う事は、マナタンクは魔力タンクと呼称した方が良いか?そう言えるようになるまで少し時間が掛かりそうだな…。今はマナのままでいいか。

「マシェキ、手に、欲しい」

「ん?魔石自体はどこででも手に入るだろうが、この大きさの魔石は滅多に見られないぞ?なんせ、大昔に居た伝説の勇者様が倒したドラゴンの魔石っつーらしいからな」

自慢気に語る衛兵。
どうも大きさを自慢したいようだが…そうじゃない。

大きさ云々はどうでもいい。俺は魔石が欲しいんだ。それさえあれば、愛車の完成にまた一歩近づくんだ!

どこで手に入るのかさえ教えてくれれば良いんだ!!

「どこだ、手に、欲しい」

「普通に店で売ってるぞ?」

……は?

「どこ?どこ、店で?」

まさか、普通に店で売ってるとは思わずに軽く動揺してしまった。が、冷静を保つ為に興奮し始める心を落ち着か、

「そりゃ、宝石店とかーー」

「宝石店っ!?分かった!感謝!」

礼を言って、素早くその場から立ち去る。
向かうは宝石店だ。

宝石店と言えば値段が高いイメージがあるが、前世では案外そうでもなかった。一般人でも買える値段のヤツもある。

例え魔石の値段が高くとも買えると分かった以上行くしかないだろう。いや、行かなければならない。

俺の目的のためだ。
まずは下調べ。その後、購入。または購入資金の調達だ。

善は急げと言うし、早く宝石店に向かわなければっ!


●●●


エルが立ち去った後、既に影も形も見えなくなったエルを見送りつつ、衛兵は後頭部を掻いて苦笑いを浮かべた。

「あー、行っちまったか。宝石店だけじゃなく、雑貨屋でも売ってるのになぁ。まぁ、坊主が満足したのならそれでいいか」

それにしても随分と物好きな奴だったな。と、呑気な事を呟きながら衛兵は持ち場へと戻って行く。

その頃、エルはと言うと…。

「……あ。場所、聞く、忘れる、した」

衛兵と別れてから、少し走った所で立ち止まって振り返っていた。

戻る事は容易い。
100mの距離を3秒足らずで駆け抜ける事が可能な超人的な肉体を持つエルならば、50mもない距離に行くなんて朝飯前だ。

しかし。

「まぁいい」

戻るのをめんどくさがり、『探せば見つかるだろう』と安直な考えで前を向いて再び足を動かし始めた。


●●●


時刻は夕方近く。
陽の傾きから考えて時間にしてみれば16時前後ぐらい。

ちなみに、この辺りは季節の変わり目がなく、雪なんて見た事がない。猛暑か、少し暑いか、あったかいかぐらいの季節しかない。
赤道近くなのかな?

それはともかく、あれから3時間ほど街中を歩き続けて、ようやくお目当ての建物を見つける事ができた。

その建物には、この世界に来てから初めて見るガラス張りのショーウィンドウが採用されていて、その向こう側には指輪やネックレスなど宝石が取り付けられたアクセサリーが幾つも飾られている。

いかにも高価な物を取り扱っていそうな雰囲気が出ているし、庶民は立ち入り難い雰囲気が醸し出されている。

看板の文字は『〜石店』としか読めないものの、飾られている物を見る限りでは俺のお目当ての建物ーー宝石店で合っている筈だ。
それに、建物の中からは微弱なマナが大量に感じ取れるしな。

宝石店を見つけた俺は迷いなくそちらへと足を進める。心なしか気持ちが昂ぶって足取りが軽い。

いや、この辺りは比較的に人が少ないし、人の波に流される事もないので歩きやすいんだろう。
そうに違いない。

宝石店に入ると、カランカランッと小気味良い鐘の音が鳴る。

カウンターで暇そうにしている店員が営業スマイルを浮かべて俺の方を向き、一瞬で興味を失せたかのように視線を元の場所に戻した。

なんだか腹立つ奴だな。

まぁいい。そんな事よりも魔石だ。
魔石さえあれば色々な可能性が増える。出来る幅が増えるし、夢も広がる。
これまで諦めてきた物も作れるかもしれないんだ。

早速、俺は店内を物色し始める。

店員の厳しい眼差しが突き刺さるけど、おそらく万引き防止を疑っているんだろう。気に留めていたって仕方がない。

「宝石、ばっかり…」

ウンザリするぐらい宝石率が高い。

魔石もあるにはあるんだけども、指輪に嵌め込まれている物やネックレスに嵌め込まれている物など、どれも小さく、邪魔なものがオマケで付いている。

だけど、物色してて分かった事がある。どうやら魔石は小さければ小さいほど内部の魔力容量は少ないみたいだ。
逆に、大きければ大きいほど魔力容量は多い。

容量=大きさと捉える方が考えやすいな。

それで、気になる魔石の値段だが…。

一番小さいサイズで金貨1枚。
一番大きのが白金貨8枚。

俺の所持金は…金貨50枚ぐらいと銀貨が沢山。
…ああ、買えるな。

よし、買おう。

安い順に魔石付きの指輪を手に取ると、店員がギョッとした顔をしてから険しい瞳で睨み付けてきた。
そんな事など御構い無しに、所持金の足りる範囲で大量の指輪を手に、睨み付けてくる店員の元に向かう。

と、店員が焦燥に染まった顔で近くにあった杖を手に…いや、この感じからすると魔石だな。魔石が付いている先端を俺に向けてきた。

「それ以上動くなっ!?少しでも動いたら攻撃するからなっ!!」

どうやら、店員はなにか勘違いしているようだ。
訂正してやろうと口を開けた途端、

「『ウォーターアローッ!!』」

俺の頬を水の矢が掠めた。

……攻撃された?

背後を振り返ると、壁に深々と水の矢が突き刺さっている。

「動くなと言ってるだろっ!!衛兵に突き出してやる!このクソガキっ!!」

「はぁ…」

視線を元に戻すと、店員は親の仇でも見るような瞳で俺を見据えて、再び魔法を放とうと体内の魔力を杖の先端に移動させていた。

杖の先端に取り付けられているのは魔石からも魔力が供給されている所からすると、魔法を使用する際に二箇所から魔力を供給しているようだ。
こんな使い方もできるなんて…覚えておこう。

っと、そんな事を考えている場合ではなかったな。

「杖下ろす、しろ。俺はーー」

「黙れ!ガキ!!『ウォーターアローッ!』」

俺の脚を狙って、再び水の矢が放たれた。
聞く耳すら持たないのか。

取り敢えず、当たると怪我じゃ済まなさそうなので、片手を開けてから魔法を掴み取り、内包されている魔力を吸収しておく。

要は、手に取って消した。

「人の話を、ぐらい、聞く」

「な、何をしたっ!?」

何をと言われても口では説明し辛いから、その質問には答えない。

「俺、客。これ買う、来た。攻撃する、な」

「私は騙されないぞ!そう言って盗む気なんだろ!?」

話は聞いてくれたけれど、それを信用する気はゼロのようだ。
このままじゃ埒が明かないな。

いっそのこと本当に万引きしてやろうか?

なんて思っていると、カランカランッと小気味良い鐘の音が店内に鳴り響いた。

店の扉を開くと鳴る音だ。と言う事は、来客か?

視線を転じると、銀色の鎧を着込んだ男が入店してきていた。胸の心臓辺りに、赤い菱形の中に鷹のマークが描かれている。

何かのチームのシンボルか?

「何事だ?」

「騎士様!丁度良かった!盗人です!このガキが私の店から指輪を盗もうとしてるんです!助けて下さい!!」

あぁ、キシサマか。
で、キシサマってなんだ?

「なに?それは本当か?」

「はい!見てください!あのガキ!あんなにも指輪を盗もうとしてるんです!」

「そうか。おい、お前。今からお前を衛兵に引き渡す。大人しくしなければ腕の一本か二本は覚悟してもらうぞ」

カチャリとワザとらしく腰に携えている剣に手を置いて音を鳴らすキシサマ。

度重なる盗人呼ばわり。
話を全く聞いてもらえず、聞いたとしても信じようともしてくれない。終いには、キシサマの威圧的な態度。

さすがの俺でも腹が立ってくる。
一言、キツイ言葉を言ってやろうかと思っていると…。

「どうしたの?」

ひょっこりとキシサマの背後から顔を出した少女の登場に、込み上げていた怒りが引っ込んだ。

少女は、幼い。余りにも幼い。俺と同じぐらいの歳の女の子。
年相応の反応。その瞳には好奇心と無邪気さが伺える。この険悪な空気の漂う場に似つかわしくない存在だ。

そんな少女が、頭の上に『?』を浮かべて、俺と店員とキシを巡視している。

「ミリア様!?どうしてここに!?馬車で待っていた筈では!?」

キシサマの反応を見る限り、知り合いのようだけど…態度から察するに上司の娘とかそんな感じかな?

「ミリアね!お姉様に早く魔道具を買ってあげたいのっ!…まだ用事は終わらないの?」

「はい。もう暫くお待ち下さい。これも騎士の務めなのです。大丈夫です。すぐに終わりますよ」

「ほんとー?」

「ええ。我がアーント家の名に掛けて、嘘偽りありません。あの盗人を捕縛し、衛兵に引き渡すだけです。なので、もう暫くお待ち下さい」

跪き、胸に手を当て、首を垂れるキシサマ。その演技じみた動きを見ていて、まるで子供のお遊戯に付き合っている大人を見ているような変な気持ちになる。

演技は終わりなのか。それとも、まだ続いているのか。キシサマは立ち上がると、振り返って俺を睨み付けながら指を指し、声を張り上げて言ってきた。

「子供であろうと大人であろうと、盗みは罪だ!例外はない!よって、貴様はこの私!アーント・ラ・ホラミスが捕らえ、後に法によって裁かれるだろう!大人しく捕まると言うなれば、剣を抜かないでやる!」

とか言いつつ、剣の柄から手を離そうとはしないな。
仰々しい言い方といい。人を見下した態度といい。俺を罪人呼ばわりし続ける事といい…。

コイツ、喧嘩売ってんのか?

再び怒りが沸々と沸き立ってくる。

「決める、する、ダメ。俺、客」

でも、怒りはしない。この程度で怒るほど俺は幼稚じゃない。俺の精神年齢は大人と言うより、オッサンの域に達しているんだ。
ここは冷静に大人らしく話し合いで解決するのが最善の方法だと自分に言い聞かせる。

「お前みたいなガキに買える訳がないだろ!大人しく騎士様に捕まれっ!この盗人がっ!!」

横から店員が口を挟んでくる。
まったく…五月蝿い店員だ。

怒りが一瞬だけ爆発しそうになるけれども、心を落ち着かせる為に床を軽く蹴って心を落ち着かせーー。

ーーバガンッと足元から音が鳴った。

足元を見てみれば…床を蹴り破っていた。
脆い…。腐ってたのか?

「貴様!」

警戒を露わに剣を抜いて険しい瞳で睨み付けてくるキシサマ。

「ヒィィッ!」

悲鳴を上げて尻餅を着く店員。

全く…。低脳かよ…。
少しは建物の老朽化とかを視野に入れて、そうかもしれないって思えよな。
ただの子供が普通に床を蹴り破れる訳がないだろうに。

「はぁ…」

話が通じないし、信じようともしない。挙げ句の果てには、剣を向けられる始末…。名残惜しいけど魔石を買うのは諦めるか?

「最終忠告だ!大人しくしろ!さもなくば、お前をここで処刑する事になる!」

剣を向けてる時点で俺を殺す気満々じゃねぇかよ。
言葉と態度が合ってなさすぎるだろ。せめて、剣を下ろして話し合おうとしろよ。

俺の居た世界でも、せめて話だけは聞いてくれたぞ?証拠がなければ信用されなかったけどな。

……あ、そうか。証拠か。証拠さえあれば信用してもらえるな。

「俺、客。金ある」

手持ちの金貨を纏めた袋をポケット…いや、厳密には別次元に作った空間…異空間倉庫から取り出して、見せ付ける。

ちなみに、異空間倉庫って言うのは、部屋の荷物を片付けてる際に思い付いた事で、俺自身も詳しく分かっていない。
荷物が沢山入る謎空間と認識しているだけだ。

「………」

それは兎も角として…。
疑いの眼差しを止めないキシサマ。

なら、俺が取るべき行動は一つ。

「確認する、しろ」

投げ渡す。

投げた革袋を顔に当たる寸前で片手でキャッチしたキシサマは、俺と革袋を巡視した後、俺を睨み付けてから剣を僅かに下ろして中を覗いた。

そこには、大量の金貨が入っている。

細かく数えていないけれど50枚近くあったはずだ。

これなら証拠として納得してくれる筈だし、客だと再認識し直すはずだ。

そう思っていたんだけど…。

「……貴様…この金貨はどこから盗んだ物だ?」

「あぁ?」

はぁ?

まさかの予想外な発言に、素っ頓狂な声が出てしまった。

「お前のような貴族様でもない子供がこれほどの大金を持っているのは明らかにおかしい。よって、盗んだのは明白だ。危なかったな店主。これを受け取っていればお前も同罪になっていた所だぞ」

おいおい。
お前の考えの方がおかしいだろ。

頭逝かれてんのか?叩いて直してやろうか?

「後日、この金貨は盗まれた者達に返却する事を約束しよう。そして、往来で盗みを働くだけでなく、このような大金を盗んだ貴様はこの場で極刑に処す。しかし、私も慈悲深い。すぐにとは言わない。思い残す事があれば言うといい」

そう言いながら、自身の腰に金貨の入った革袋を吊り下げ、剣先を俺に向けてくるキシサマ。

腰に革袋を引っ掛けている時のキシサマの口元が僅かに緩んでいるのを俺は見逃さない。
それはまるで自分の物にしたかのような。そんな感じを受け…。

……もう我慢ならない。

「ああ…もうーー」

もういい。そう言おうとした。
怒りでこの辺り一帯を吹き飛ばしてやろうかと思っていた。

でも、

「どうして?あの人、お客さんって言ってたよ?お母様はいつも言ってるよ?話はちゃんと最後まで聞きなさいっ!って」

「そ、それは…っ」

それはおそらく怒られている時に別の事をして言われる言葉だ。

いや、そうじゃなくて、思わぬ所からの助け船が入った。

キシサマも、まさか身内から反論されるとは思わず動揺して言葉を詰まらせている。

「俺、客。金、稼ぐ、した。それ、お前の、違う」

「た、ただの子供がこんな大金を稼げる筈がないっ」

お前は子供か。
動揺を隠す為にかどうかは知らんが、他人に怒りをぶつけるなよ。
そんな目で見られてると余計に腹立つ。

はぁ…論より証拠とも言うし、金稼ぎの証拠を見せるか。

「俺、売る物、これ」

ポケットから繋げている異空間空間…名前は…そうだな。ガレージで良いか。
俺が異空間倉庫(ガレージ)から取り出したのは…。

「紙切れ?ハッ!バカにするのも大概にしろっ!そんな物でどうやって稼ぐって言うんだ!?もういい!この私を…私達騎士を侮辱した大罪!貴様にはここで処刑を下す!」

そう言うなり、切り掛かってきた。

証拠が出てきたから焦って激情したのか?
それとも、事情を知る俺は生かしておけないってか?

まぁ、どっちでもいい。

相手が攻撃してきた時点で、穏便に済ませようとしようとしていたのが破綻してしまった。

なら、仕方ない。殺されない為にも。生きる為にも。自分が正しいと主張する為にも。この分からず屋をボコらせてもらおう。

それに、俺はな。そう言う勝ち誇った顔が大嫌いなんだ。特に、嘲笑うような笑みがな。

剣が振りかぶられる瞬間の隙を突いて、キシサマの懐に潜り込み、顔を下から覗き込んで同じ笑みで笑い返してやる。

「ーーッ!?」

秘技、金的!

からの、金的。金的。金的。金的。金的。金的。金的。

これ見よがしに、男の大事な所を潰す勢いで連続金的!いや、潰してやるっ!
テメェの子孫なんて残してなるもんか!!

キシサマが声にならない悲鳴を上げるけども、容赦せずに金的を喰らわせ続けていると遂にキシサマは余りの激痛に堪え兼ねて泡を吹き、痙攣しながら気を失った。

鎧は見事に凹み、内側からは赤い液体が垂れ流されている。

さすがは安全靴だ。先端に鉄を埋め込むのには苦労したけど、作っておいて正解だった。
…こんな時の為に作ったわけじゃないんだけどな…。

でも、ちょっとスカッとしたから良しとしよう。

「な、なんて事を…!」

店員が慌てふためきながら店から脱兎の如く逃走していった。

さっきのはどう見たってこのキシサマが悪いだろうに、なぜだ?

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