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凡人勇者の異世界英雄譚Ⅱ 〜転移したら無敵になってました〜

雨猫

Ep1/act.23 引き抜き

実技選考試験から二週間が経った。
ジンとはあれから会話していないが、勝ちを知らされて心底喜んでいたと聞く。
エナも自分の手で勝てなかったことを悔やんではいたが、感謝を言いに来た。

そして今日は引き抜き発表の日。
事実上、優勝者だから何かが得られるわけではないが、名誉として名は刻まれる。
しかし、だから引き抜かれる訳でもない。
初戦に負けたとしても属性魔法が使えそうだと判断されれば引き抜きは起こる。

「それじゃあこのクラスの引き抜き候補を発表して行く。自分で断るのも良し、そのまま所属も良し。あとはお前ら次第だ」

一年の参加者を集めた教室で、強面の先生は参加者に告げた。

「まずエナ・アルフォア。君は国家騎士団と魔法騎士団、共に引き抜きが来ている。君は王女だから当たり前だが、他の国からの引き抜きはない。君はどうする」

エナは俯いた後に答えた。

「私は魔法騎士団に所属します」

俺にもよく分からないが、リオンから聞いた話によると、国家騎士団は他国との戦争が目的。警備のためにモンスターとの戦いも稀にある。魔法騎士団は国に属してる訳ではない。しかし、国と対等な関係にあったり、国に雇われている魔法騎士団もいる。基本的には依頼を請け負うのが魔法騎士団だ。

「わかった。伝えておこう」

この答えは誰もが容易に想像できた。
エナは対人は嫌だろう。国家騎士団は国に雇われた正式な騎士団な訳だから、王女のエナが行っても騎士団本部は気を使うだけなのだ。

「次にアルス・ケンドラー。君は国家騎士団から引き抜きが来た。どうする?」

「所属します」

「伝えておこう」

アルスの返事は即答だった。
それもまた、誰もが頷けるものだった。

「最後に、シルド・ギル。君は魔法騎士団から引き抜きが来ている。どうする?」

俺は結構悩んだが、学校にも飽きたと理由で所属することにした。
リオンとも動きやすくなりそうだし。

「所属します」

晴れて俺は一週間後の引き抜き卒業を果たした。
学校で学んだことは何一つなかったが、騎士団に入ればヒーローにも近づけると思った。

勝手に決めたけど、爺さんも許してくれんだろ。

そして、一週間後はすぐに訪れた。
俺とエナは、F級魔法騎士としてデビューを果たした。

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