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凡人勇者の異世界英雄譚Ⅱ 〜転移したら無敵になってました〜

雨猫

Ep1/act.7 王女エナ・アルフォア

翌日、俺は今までの人生で感じたことがないくらい登校が面倒くさかった。

「何か少しでも楽しいことがあればなー」

しかし、俺を待ち受けていたのは昨日とは全く違う日々の始まりだった。

「なあギルくん!君は大賢者シルド・バンの後継者なのかい!?」
「アルスを殴ったのもデマらしいね!」
「すごいね!アルフォア家にすごく気に入られてるみたいだけど何をしたのさ!」

俺を囲んで大賑わい。これはこれで疲れる。

「ちょ、ちょっと待て。順番に答える。バンの爺さんの元で暮らしてはいたが別に後継者でもなんでもない。アルスのことは確かに殴ってはいないが傷付けてしまったのは事実だし、それは俺が悪い。でアルフォア家って何だ」

「ふふ、皆さん、そんなに質問責めにしてしまってはギルさんが大変ですよ?」

「あ、アンタは!」

昨日突如現れた赤髪のエナと名乗る少女だった。

「あ!エナ様!エナ・アルフォア様!」

「は?エナ・アルフォア様?」

「そうです。昨日は伏せていましたが、私はこのアルフォア国の国王の実娘、エナ・アルフォアと申します」

まさか昨日突如現れて適当に会話した人物がこの国の国王の娘だとは誰も思うまい。
そもそも俺はこの国の名前すら爺さんに聞かされてはいなかったのだ。

貴族とは言え、王族には逆らえないってか。

「ありがたいけど、こう言うのも面倒だしいいよ。俺は平凡でいいんだ。普通に暮らしたい」

「あなたにはそれは無理ですよ」

「なんでだ?」

「この世界で唯一の存在、大賢者の元で暮らし、この国の中心部にある学校に国王の推薦で入学を決めた。そんなこと今までに一度もない異例中の異例です。私も大きく目立たせたいわけではないですが、その内知られて、コソコソと噂立てられるよりかは公表してしまった方が、あなたの為にも、そして私の為にもなります」

確かにその通りだ。この力だって隠し通せるはずもないし、名前の時点で爺さんと関係がある噂は立てられるだろう。

「ふふ、噂は噂。すぐに消えますよ」

俺は立ちすくんでしまった。
こう見えても社会人、自分が今助けられていることくらい分かっている。

しかし、あの子は「私のワガママ」と言う風を吹かし、俺がみんなに偉そうに自慢したわけではないことを強調させたのだ。

エナ・アルフォア、覚えておくか。

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