WORLD END-終焉の鐘の音-

成瀬瑛理

第5章―死と恐怖―23

「俺を醜いと呼ぶな!」

 腹の辺りにナイフを突きつけられた瞬間、ギュータスは一瞬驚いた。

 ジャントゥーユは冗談でナイフを彼に突きつけたわけでもなく、本気でナイフをギュータスに向かって突きつけたのだった。

「下からナイフを上に向けてあげたらどうなる?」

 ジャントゥーユは薄気味悪い笑いを浮かべながら彼にそう話すと、ニタニタしながら其処で笑った。

「まず、引き裂かれた腹の中から腸が出てくる……それから内臓にすい臓だ……床にお前の胃袋をぶちまけてやろうか……?」

 醜い顔に狂気じみた笑いを浮かべると、そのことをギュータスに言った。

「俺は……お前が床にぶちまけた内臓を……焼いて食う……」

 ジャントゥーユはイカれた感じでそう話すと、ギュータスは「冗談だろ?」と言って一歩彼から身を退いた。一歩身を退いて側から離れると思わず言い返した。

「――俺もイカれてるがお前の方がよっぽど頭がイカれてるぜ! そのイカれた頭は父親似か? さすが何人も人を殺してきただけにあるな!」

 ギュータスがそう言うと、ジャントゥーユは壊れた人形のように首を傾げた。

「俺、イカれてる……? そうか……俺はイカれてるのか……」

 ジャントゥーユは壊れたように首を傾げると、ブツブツと何かを独り言を呟いていた。そして、目の前の鉄格子に向かって自分の頭を何回もうちつけてはそのことを呟いたのだった。

 ジャントゥーユが壁に自分の頭を打ちつけていると、ギュータスは呆れて暫く黙って傍で見ていた。そして我に返ると、ジャントゥーユは自分の頭を壁に打ちつけることを止めた。

「気が済んだかよ?」

 彼が呆れた顔で尋ねると、ジャントゥーユは額から血を少し流しながら頷いて返事をした。

「ああ……!」

 ギュータスは牢屋の外でさっき何をやっていたかを尋ねた。するとジャントゥーユは、牢屋の前にある鉄格子の傍に黙って近づいた。半分壊れている鉄格子の前に佇むとギュータスを手招きで呼んだ。ジャントゥーユに呼ばれるとギュータスは、鉄格子の前まで歩いて移動した。そして、彼は壊れた箇所を指差して話したのだった。

「ギュータス、これをみろ……!」

 ジャントゥーユがそう言うと、指を指した方向をギュータスは不思議そうに目を向けた。

「なんだよ?」

 ジャントゥーユは壊れている鉄格子の前に立つとギュータスに話した。

「囚人……ここから逃げた……」

 彼は壊れている鉄格子を前に指をさすと、そのことを話した。ギュータスは、壊れている鉄格子の目の前に立つと自分の目で確認したのだった。

「確かにここの鉄格子は壊れているな、囚人の野郎ここから脱走したのか!」

 ギュータスはそう呟くと、鉄格子を触って確かめた。


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