WORLD END-終焉の鐘の音-

成瀬瑛理

第5章―死と恐怖―20

「やめとけ、お前も死ぬぞっ!? お前はアイツ等の怖さを知らないようだ……! アイツ等は命を奪う事になんの躊躇いも迷いも抵抗感すらない非道な連中達だ! お前までアイツ等に殺されるぞ!?」

 後ろから取り押さえた中年の男が思わずそのことを話した。

「話がまともに通じる相手じゃないんだ! 命を無駄に粗末にするな!」

 中年の男がそう言うと、オーチスを信じていた男はそこで怖じ気づいて、急に大人しくなった。男はやり場のない怒りが込み上げると雪で埋まっている地面を拳でおもいっきり叩いたのだった。

『クソォォォッッ!』

 仲間を救えないもどかしさにその場でやりきれなくなると、男は雪吹雪きが舞う中で悔しい声を上げて叫んだのだった。男達が騒いでるとリオファーレが不意に現れた。

「一体なんの騒ぎだ!」

 リオファーレの登場に其処で騒ぎたっていた看守達は一斉に静まり返った。そして、彼らをみるなり凛とした口調で話した。

「お前達、其処で何をしている。逃げた囚人は見つかったのか?」

 彼そうが尋ねると1人の看守が答えた。

「いえ、まだ捜索中です……!」

 男の顔色に気がついたリオファーレはその場で問いただした。

「お前達そこに集まって一体、何の話をしていたんだ?」

 彼がそのことを尋ねると、1人の看守が逆に尋ねた。

「あっ……あの……! リオファーレ様に聞きたい事があります……!」

 彼はそう言うと、自分の頭に被っているフードを肩に下ろした。男の畏まったその様子にリオファーレは、凛とした口調で話した。

「なんだ?」

 切れ長の目に鋭い視線が男に向けられた。まるで威圧感さえ感じてしまう程の雰囲気だった。男は自分に向けられた視線におもわず息をのんで緊張した。彼は一瞬、そこで尋ねようか迷った。側にいた違う看守が横から口を挟んで、止めたほうがいいと言うと彼は意を決してリオファーレに尋ねたのだった。

「リオファーレ様にお尋ねたしたいことがあります……! 我々の仲間の1人が、さき程から姿が見当たりません……! 中から出てきた看守の話によれば、彼が罪人を逃がした容疑で拷問部屋で拷問を受けているとの話です……! その話は本当でしょうか……!?」

「何……!?」

 その話しに彼は眉を細めた。

「リオファーレ様なら、何か知っているかも知れないと思い聞いてみました……!」

 男はそう話すと最後に改まって一礼をしたのだった。その話にリオファーレはそこで驚愕した。

「何だと、その話は本当か……!?」

 リオファーレは男の話しを聞くや否や、ようやく事態をのみこんだ。周りにいた看守達も自分達も彼らに拷問されるんじゃないかという恐怖心が半ば渦巻いたのだった。雪が吹き荒れる中、男達は無言で吹雪の中を立ち止まっていた。時たま松明が燃える音が静寂の中で歪な音をたてていた。シンと静まり返る中でリオファーレは、中から出てきた看守に声をかけた。

「中から出てきた看守の男はお前か? それともお前か?」

 1人ずつの顔を見ながらリオファーレはそう話した。すると端の方に居た男が恐る恐る手を上げたのだった。彼は怖じ気づきながら答えた。

「わっ、わたしです……!」

 そう言って返事をすると、びくびくした態度でリオファーレの前に出てきた。

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