WORLD END-終焉の鐘の音-

成瀬瑛理

第5章―死と恐怖―19

 そこにいた誰もがオーチスの安否を気にかけていた。

「本当にオーチスが囚人を逃がしたのか……?」

 1人の男が仲間に問いかけた。すると、違う看守の男がそのことを否定した。

「ウソだ! 俺は信じないぞ! アイツは俺達の仲間じゃないか! オーチスはそんなことは絶対にしない奴だ!」

 そう言って否定すると違う看守の男が、オーチスのことを疑って話した。

「――いや、それはどうかな……。アイツは逃げた囚人が居たエリアの担当をしていた。少なからずアイツが脱獄に加担していてもおかしくない話だ……!」 

 彼はそう言うとタイマツを持ちながら、自分の体を小刻みに震わせた。1人の看守がそう言って彼を疑うと、違う看守達も同じく頷いたのだった。

「オーチスは俺達を裏切ったんだ! ひょっとしたらアイツはどこかのスパイかもしれない! きっとここに潜入する為に看守になりすまして、潜り込んだにちげぇねー! くそっ! オーチスの野郎、仲間の俺達をまんまとだましやがって絶対に許さねぇぞ!」

 怒りを露らにしながらそう言うと、持っているタイマツを雪の地面に叩きつけて怒りを剥き出した。看守達は外で騒ぐと、一部の男達は仲間のオーチスに裏切られたと殺気だった。もはや一つの小石が水の中で波紋を描くように、事態はさらに悪化の一歩を辿った。

「そう言えばあそこのエリアは、オーチスの他に新米の若い看守も一緒に担当していただろ? 名前はそう、確かチェスターって言う男だ! そいつなら何か知っているかも知れない……! 誰かチェスターが何処にいるか知っているか!? 俺がそいつに直接、話を聞いてくる!」

 1人の看守がそう言うと中から出てきた看守が釘を刺すように答えた。

「その男ならさっきクロビス様に呼ばれて拷問部屋に行った……!」

 中から出てきた看守がそのことを言うと、周りは騒然となった。

「何故だ!? ひょっとしてあいつもグルなのか………!?」

 違う看守の男が横から口を挟むと、中から出てきた男は自分が知っていることを全て話した。

「俺が拷問部屋の扉の前で聞いた話しは、オーチスが囚人を逃がす計画を企てていたことをアイツは知っていたらしい……! アイツがクロビス様にそう言ってた話を俺は扉の前でこっそりと聞いたんだ……!」

 中から出てきた男が皆の前でそのことを話すと、再び周りはざわつき始めた。オーチスを信じている男は皆の前で話した。

「俺は今から直接抗議しに行こうと思う! オーチスはそんなヤツじゃないって言って来る!」

 彼はそう言って話すと今にも抗議しに行きそうな雰囲気だった。するとそこにいた複数の看守が、彼をその場で慌てて取り押さえた。

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