WORLD END-終焉の鐘の音-

成瀬瑛理

第5章―死と恐怖― 2

「ほう、これは良い! なかなか面白い……!」

 クロビスは新しい玩具に鬼畜の表情を浮かべた。そして、彼の傷口に塩を塗り込ませながら尋問を続けた。痛みで叫ぶオーチスとは対照に、彼はいたって冷静だった。

「何で牢屋の鉄格子が腐っていた? 囚人を逃がす為にお前がワザと腐らせたんじゃないのか? 手引きは誰だ、今すぐ答えろ!」

 クロビスはそう言うと傷口にさらに塩を塗った。オーチスは、激痛に身を震わせながら答えた。

「て、手引きなど私は知りません ……! 私は決して囚人を逃がしたりはしていません、どうか信じて下さい!」

 オーチスは必死にそう訴えた。するとジャントゥーユが、彼を拷問したい衝動に抑えられなくなり、熱々に熱した焼きごてでオーチスの脇腹にそれをいきなり押しつけた。皮膚を焼くような激痛にオーチスは苦しんでもがいた。その様子を壊れた人間のような表情でジャントゥーユは眺めた。

「イヒヒヒヒ……ウへへへ……」

 ジャントゥーユは口からヨダレを垂らしながら、苦痛の表情を浮かべる彼を眺めた。あまりの激しい痛みに耐えられなくなった彼は、尿失禁して完全に意識を失った。クロビスは気絶したオーチスに向かって舌打ちすると、ジャントゥーユの顔を見るなり、片手で顔をひっぱたいた。突然叩かれると、彼は怯える仕草でケイバーの後ろに直ぐに隠れた。クロビスは怒りを露にしたまま、ギュータスに次の指示をだした。

「鞭はもういい、コイツを椅子に座らせろ…――!」

 クロビスの命令にギュータスは無言で頷くと、立ったまま拘束されている彼の両手の鎖を外して椅子に座らせた。そして、ケイバーがオーチスの両手を椅子に備えてある輪っかの拘束手錠で両手をガチリと嵌めた。こうして、狂気が渦巻くような尋問はまだまだ続いた――。

 気を失ったオーチスは、座らされた椅子の上でハッと意識を取り戻した。気がつくと自分の周りに恐怖の4人の看守が囲んでいるのが目に入った。ケイバーは持っている林檎をひとかじりするとクロビスに話しかけた。
 
「なあ、こいつどうする? 口を割らないなら一層のこと手っとり早く腸を引き裂いて白状させるか?」
 
 ケイバーはそう言うと自分の持っているナイフを舌でベロリと、猟奇的な表情で舐めた。彼がそう話すと、ギュータスは側にあった斧を持った。
 
「おいおい、待てよ。そんなナイフなんかよりもこっちの斧で奴の首をスパッとはねるのはどうだ? 最近は御無沙汰だからな、この斧がはやく新鮮な血を吸いたくてたまらねぇんだよ。なあ、オーチスの野郎をこの斧で一思いに殺らせてくれないか?」

 ギュータスは鬼畜な顔を浮かべながら、クロビスにそう言ったのだった。

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