告ったら魔王城に連れていかれました。

ff

結婚式当日 - 花嫁強奪バトル勃発!


その後も無事に式を終え、写真撮影をした後、
会食の時間となった。

テーブルには豪華な食事がずらりと並んでいる。

先程も述べたが、呼ばれているのは魔王城職員とその家族、魔王配下の支配者達、魔王城近辺の住民、記者達などである。

会食の時間に、改めて軽い挨拶のスピーチと、
改名についての話をしようと思っていた。
僕達は壇上に上がった。



--事件は起きた--





「改めまして本日は僕達の結婚式に
    来ていただきありがとうございます。
    会食は楽しめていただけていますでしょうか。
    少しばかり耳を傾けていただければ嬉しいです。
    異世界から参りました、ユウ・ホンゴウです。
    僕達から、いくつかご報告があります。」

『まず、私は魔王という名前ではなくなる。
    結婚を機に改名することにしたのだ。
    私の新たな名前は、ナナ・ホンゴウだ。
    記者の者はこれを魔族領全土に広めて欲しい。』

「僕の異世界転移についてもお話します。
    僕は、ナナ様の補佐をするための人材として、
    異世界からやってきました。
    仕事や政治のサポートの他、
    また、迫り来る人族との戦闘員としても
    働く予定です。
    まだわからないこともありますが、
    精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。」

周囲から拍手があがる。
これで言うべきことは終わったはずだ。
僕達はステージを降りようとした。

-だが、1人の大柄な男が机を激しく叩いた。

〔魔王様!なぜ私を選んでくれなかったのです!
    私はこんなにも魔王様に使えてきたというのに
    異世界の男を夫に取るなど……!
    特攻隊長の私は認めませぬぞ!〕

うわぁ……面倒くさそうなのが来たな……
僕は小声で菜南ちゃんに聞いてみた。

「……ねえねえ、あれ何?」

『魔族特攻隊長のホビー・ドラゴンだよ……
    元私のストーカー。
    何度も言い寄られたけど、突っぱねてたの。』

オモチャのドラゴン……(ブフッ…!)
まあ、そういうことか。
状況は理解した。要するに僕をひがんでるのか。

〔そもそも、その男は強いのですか!?
    強くもないのに人族の軍勢と戦えるはずない!
    魔王様!どうなのです!〕

『ユウは強いぞ。
    魔族戦力5本の指に入るお前よりもな。
    そんなに気に食わないなら戦ってみるか?』

〔えぇ!ぜひともお願い致します!
    でないと私の心が休まりません!〕

『ユウちゃん、頼める?』

「うん。良いよ。
    初の実践か〜……楽しみだな!」

〔ユウちゃんですと!?!?!?!?!?
    実に不快な響きであるな……。
    さあ、武器を持って表へ出ろ!勝負だ!〕

「あなたの気持ちなんて関係ありませんが、
    ナナ様のかたわらに居るものとして、
    負けるわけには行きませんよ。
    私が勝ちます。」

軽く挑発して心を乱れさせる。

〔いちいちしゃくに障るやつめ!
    貴様にだけは負けぬぞ!〕

脳筋感全開だぁ〜☆
玩具おもちゃドラゴンは顔を真っ赤にして怒っている。
気を乱させる作戦は成功のようだ。



さて、訓練の成果をお見舞するかな……!

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