告ったら魔王城に連れていかれました。

ff

結婚……早くない?


1週間後に結婚式をやる事をいきなり知らされた。
誰のかって?自分のだよ!

「ハヤク イッテ ホシカッタ……」

『ごめんなさい……』

〔まあ共通理解は出来たし、準備始めようよ!〕

「いや、でも僕達14歳だよ!?
    結婚とか……早くないかな?」

『実は伝えなきゃいけないことがもう1つあるの…』

「まだあるんですか……」

『この世界の感覚的時間軸は、
    優ちゃんの世界の2倍のスピードなんだよ。
    つまり…その、私は28歳なの……。
    だいたい婚期ドンピシャ。』

「マジですか。
    あれ?じゃあ僕はどうなるの?」

『実は優ちゃんも28歳になるはずなの。
    でも、転移してすぐは体を調整出来ないから、
    しばらく体の成長だけが2倍以上の
    スピードで進むことになると思う。』

「ああ、じゃあ最近身体中が痛かったのは
    成長痛のせいでもあったのか……」

〔つまり、年齢は気にしなくて良いってこと。〕

14歳からいきなり28歳になるのか……
どんな風に成長するんだろう……

『たぶん1ヶ月後には大人になってるよ。
    なんか楽しみだな〜……』

菜南ちゃんが悪い笑みを浮かべる。

「やめてくれよ……
    あ……でも菜南ちゃんってあっちの世界と
    あまり外見変わってないよね。
    大きく変わったのは角だけだし。」

『へへっ……ごめんごめん。
    私の今の外見は作ったものだよ。
    いきなり大人になってたら、
    優ちゃんびっくりしちゃうでしょ?
    大人の私は優ちゃんが大人になったら
    見せてあげるよ。楽しみにしてて。
    式の準備はルナウル中心に進めるね。』

「あ、そうなんだね。
    楽しみだな!
    式については了解。」




そんなこんなで、結婚式の準備が始まった。
式場決定、服装決定などを行う。

菜南ちゃんの意向により、
式場は魔王城に決まった。

菜南ちゃんのドレスも2人で選んだ。
僕は本当は白いドレスがよかったのだが、
菜南ちゃんが黒くないと嫌だと言うので、
黒いドレスにした。
式の時は今の姿のまま出るらしい。
大人の姿でも着て欲しかったけどな……

ルナウルはお客様リストや招待状を作り、
ラブラネはコック長と料理について話していた。

それぞれがやるべき事をこなし、
最後に会場の装飾を終えたところで、
式の準備は完了した。


-そして、結婚式当日。
    平和に終わるかと思われたが、
    現実はそう甘くなかった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品