自重しない異世界転生

ム白の羽

13話 初依頼

(起きてください、マスター。朝の7時ですよ)

 ん?ああ、そうか。ギルドの受付が始まるのが7時だって聞いたから、メアに目覚ましを頼んだんだった。

(おはようございます、マスター。昨日はよく眠れました?)

 ん〜、眠れはしたけど、疲れはあんまり取れてないな。他の人と、雑魚寝だし、布団は硬いし。

 昨日、みんなより早く切り上げたのだが、既に遅い時間だったので、宿は空いてなかった。なので、ギルドの宿を使った。ギルドの宿なのだが、ギルド職員が、いなくても使える。なんか機械みたいなのにギルドカードをかざすと、カードの中のお金が払われて、使うことが出来る。後払いでもいいみたいだ。Su○caみたいな感じ。異世界なのにハイテクな。

 とはいえ、疲れはとれない。今日はちゃんとした宿に泊まろう。

 今日やることは、3つかな。依頼を1つ受ける、宿を確保する、服を買う、だな。いつまでも制服は目立つし。やることも決まったし、そろそろ1階に行きますか。

 1階の様子は、それはそれは酷いものだった。死屍累々、と言えばいいだろうか。随分と遅くまで騒いでたみたいだ。そんな惨状を無視してエレナさんは、普通に仕事をしていた。

「おはよう、エレナさん。あれ、ほうっておいていいの?」
「おはようございます、ユウトさん。いつもの事なので、放置で大丈夫ですよ。酒場の経営が始まるのは10時ですし、あとかたづけは、参加者がやりますし」

 ふむ。なら俺もやった方がいいかな。クリーンは水属性かな。綺麗になるイメージして。ついでに指も鳴らしておく。鳴らした理由はなんとなくかっこいいから。

 倒れている冒険者以外は綺麗になったな。

「!?今のは、ユウトさんですか?ものすごく綺麗になりました」
「ああ。俺も参加してたからな。掃除くらいはチャチャッと出来るし」
「すごいですね。ここまで綺麗になるなんて。しかも無詠唱でしたね」
「そんなことより、もう依頼は受けられるのか?」
「可能ですよ。あちらのボードで依頼を選んでください」

 そうだな、午後は街を探索とかしたいし、手軽に受けれるのがいいんだが。薬草採取でいいか。ついでに、毒草採取も受ける。ちなみに報酬は、ともに銅貨3枚。

「エレナさん、この2つで」
「了解しました。薬草採取に、毒草採取ですね。先程の魔法を見る限り、大丈夫だと思いますが、気をつけてくださいね」

 薬草なんて見たことないし、移動の時間を考えれば、3時間はかかるだろう。


 ............と、思っていたのだが、俺は1時間でギルドに帰ってきた。

「ユウトさん、もう帰ってこられたのですか?」
「ああ、思ったより簡単に見つかったんでな」
(......そうですよね。マップに全部出てましたからね)

 そうなのだ。マップに薬草のある場所が全部出てたのだ。おかげで集めるのにほとんど時間がかからなかった。

「さすがですね。しかも、雑草などが混じっていないですね。ではこれは、報酬の、銅貨6枚です」

 さて、今の時刻は、午前8時。何しようかな。

(マスター、図書室に行きましょう。いろいろと情報を取り込みましょう)

 そうだな。お昼まではそうするか。

「自重しない異世界転生」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く