自重しない異世界転生

ム白の羽

9話 護衛依頼

「あ、あの。か、かわいいだなんて。そんな」

 あ、あれ?もしかして声に出てました?

(思いっきり声に出してましたよ)

 まじか。こ、これは、めちゃくちゃ恥ずい。

「アイリス様、ご無事ですか!?おけがは!?」
「はい。こちらの方に助けて頂いたので。ユーリも無事で何よりです」
「ふむ。貴殿が我らを救ってくれた方だな。感謝する」
「いや、気にするな。たまたま通りがかったから助けただけだしな」
「それでも、ありがとうございます。そ、それで、お名前をうかがっても?」
「ああ。俺はユウト。シンドウユウトだ。」
「ユウトさんですね。私はラエキア王国第2王女、アイリス・フォン・ラエキアです」

 ......なんとなく予想してたけど、王女様でしたか。

「あー、俺は敬語とか苦手なんだが、大丈夫か?」
「はい。ユウトさんは命の恩人ですし、敬語でなくても構いませんよ。」
「本当はダメなのだが、アイリス様が許可されたのならいいだろう。私たちも助けられているしな」

 それは良かった。敬語とかめんどくて使いたくなかったからな。ところで、騎士の名前はなんて言うんだろ。このあとのことを話したいんだが。

「ああ、私が名乗るのを忘れていたな。私は、ラエキア王国で、騎士団の副団長をしている、ユーリだ。よろしく頼む」

 俺が考えていることが伝わったのか、自己紹介をしてきた。

「してユウトよ、相談なんだが、王都までの護衛依頼を、受けてくれないか?正直、人数の減った私たちでは、アイリス様を守りきれるかわからないからな」
「俺も、そっちに行くつもりだったから構わねぇよ」
「そうか。助かる」
「よろしくお願いしますね、ユウトさん」

 アイリスが、破壊力満点の、笑顔で言ってくる。

「「グハッ」」

 俺とユーリはむせ込む。うん。今のは反則だわ。

「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。問題ない。ところで、ゴブリンロードとかの死体は貰っていいのか?」
「あ、ああ。かまわないが、どうやって運ぶんだ?」
「アイテムボックスを使う」
「ア、アイテムボックスまで使えるのか。ユウトはとんでもないな」
「ユウトさん、すごいです」

 うし。それじゃあさっさと回収しますか。と、回収していると、仲間の遺体を集めている、騎士達の姿があった。

 ......なあ、メア。まだアイテムボックスの余裕はあったよな?

(はい。騎士の遺体を全て入れることが可能です。ついでに報告を。先程のレベルアップで、重力魔法、時間魔法、空間魔法が使えるようになりました。それにしたがい、アイテムボックスが、無限収納に進化しました。)

 無限収納・・・生きているもの以外収納、無限に収納可能。時間経過なし。

「なあ、アイリス、ユーリ、良かったら亡くなった騎士達も運ぼうか?」
「なに?入るのか?」
「ああ」
「では、ぜひお願いします。私のために亡くなった騎士達を、家族の元へ届けたいのです」
「わかった」
「ありがとうございます」
「それじゃ、王都に出発しますか」

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