ジェットパックチートで強引に異世界攻略

ロリババァ(吸血鬼)のお腹ペロペロ

1話 転移の味

俺は空渉そらわたる至って普通の高校生だ。一つ違う事と言えば、異世界に興味があるってことぐらいかな。

俺が寝ていると突然、神(自称)が教卓に現れてこう言ったらしい。

「異世界行って、魔王倒さないか」

その刹那、教室に居た者達全員が光に包まれた。



最初に起きたのは飛騨ひだだった。
辺りを見渡すと、見るからにRPGで出てきそうな城の中に、見るからに王様っぽい爺さんが見るからに王様が座りそうなイスに座っていた。

王様(?)が手を叩く。

するとあらびっくり、クラスメート達がどんどん起きてくるではないですか。  

「ゴホン」

王様(?)が咳払いした頃にはほぼ全員起きていた。俺以外。

「ここに呼んだのは他でもない私だ」

お前だったのか。

「ここはアルトゥネート第3王国領テヌアーン城。そして私はその王、サイファンだ」

名前長くね?というかガチの王だったのね。

「ここ最近、240年前に封印した魔王の動きが活発になっているとのお告げを大天使様から受けた」

クラスメート達がざわつく。
ん?これはまさか

「そこで、我々は勇者を召喚した。それが君達だ。諸君等にはこれからルンゲル魔王国領パルゲイド迷宮最深部にある、封印されし魔王。通称ツフウァーンの偵察に向かってもらいたい」

やっぱりな。俺はそういったラノベを何十冊と読んで来たからこの展開は読めた。
 
巫山戯んなと言ったのは皆大好きクラスのテンプレート不良、巫女山君だ。前に席隣になった時嫌そうな顔してきたから嫌い。

「巫山戯てなんかはないよ。我らとてこんな事はしとうない。行けるものなら自分達で行っとる。でも我らは勇者の様な力などない。伝統的に勇者は召喚しなければ現れんのだよ」

この爺さんめっちゃしゃべるやん。

側近らしき女が皆に近づき、飴を一人一つずつ渡す。

「なんだよ、これ」

「これはスキルコア、通称進化の飴です」

不思議なアメかな?

「舐めていただいた後、ステータスオープンと仰言って下さい。そこで出てきたものに皆様のパラメータとスキルが表示されるはずです」

ほーん便利やん。ゲームか。

「回想にいちいち突っ込まないでくれる?」
と飛騨。

すまんな。

ちなみに飛騨は背が小学生並に小さく、胸は発展途上だ。可愛さは俺が保証する。ぐへへ。

「なんか寒気したんだけど」

「俺がロリコンっていうのは気のせいだ、続きをどうぞ」

「はあ…?」

それで飛騨を含む俺以外全員が飴をイヤイヤ舐めたらしい。

「おばあちゃんが良くくれる飴の味がする………うぅ、おばあちゃんに会いたいよ」

「おいジジイ!その魔王とやらの偵察が終わったら返してくれるんだろうな!?」

「何事もないようならな」

けっ糞がと吐き捨てるはクラスの不良2八田君だ。前に肩ぶつかっただけでキレてきたから嫌い。

「そろそろ舐め終わった頃でしょう。ステータスをオープンしてみて下さい」



ステータスオープン!

飛騨 彩 レベル1

16 A型 射手座 午年

HP 400

MP 300

攻撃 56

魔法攻撃 700

防御 23

スキル 癒やしの極み
    回復魔法に+10000が付加される

飛騨はどうやらヒーラータイプの様だ。

………あれ?俺飴貰ってないんだけど。

「あっ、そういやそうだな」

いやいや、飛騨さんその側近とやらに言ってくださいよ。

「やだよ。テメーで行け」 

口悪くない?見た目ロリな癖に。

「うるせぇ奴だ。自分の事は自分でやりなさい」

あの、わたくしめはコミュ障なんで言って頂けませんか?

「じゃあなんで私とは喋れんだよ」

妹に似てるから。

「………」

飛騨さん?あっ、行っちゃった。うせやろ?





クラスメイトがあんまり騒いでないのは決してそういう描写が面倒くさかったとかではないです。皆意外とノリノリなんです。

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