ナーガルキャッツライフ
13話 支部のブラックサンタ
約10分、バスに揺られようやく支部周辺のバス停に到着した
バスを降りると日が落ちかけているためとても寒かった
するとジジが吸い込まれるようにして自販機に駆け寄り迷わずおしるこを買った
そして取り出し口から出てきたおしるこをすごく暖かそうに持ちながらこちらに戻ってきた
「それじゃまるでカイロじゃねえか」
「うるさいわね。ちゃんと飲むわよ」
本当に大丈夫だろうか?開けてもないのに甘い匂いがプンプンするおしるこに不安を募らせる
それから少し歩いて支部に着いた。中から人の気配がしないがまだリッカさんは帰ってきていないのだろうか?
「ただいま戻りましたー……やっぱりまだ帰ってねえのか」 
玄関を確認するがリッカさんの靴がなかった
「一体、なんの買い物なの?」
横にいるジジがそんな疑問を口にする
確かにそろそろ日が落ちてくるというのに本当になにをしているのだろうか?
さすがにおかしいのでリッカさんに電話を掛けることにした
ポケットからスマホを取りだし素早くリッカさんの番号にかける
『ありゃ?どないしたんヨナちゃん』
数コール鳴ったあとリッカさんが電話に出た
「ありゃじゃねえよ。なにやってるんだ?リッカさん時間わかってんのか?」
少し間を置いてリッカさんの焦った声が聞こえてきた
「えー!もうこんな時間かいな!?か、堪忍なヨナちゃんすぐ帰るわ……」
「ああ、急がなくていいから気をつけてな」
そう言って通話を切った
ジジにリッカさんが今から帰ってくることを伝えると、俺たちはリビングに行きリッカさんの帰りを待つことにした
二人でリビングのソファーに腰掛けると俺は眠くなってきたのでそのまま寝ようとした
「ね、ねえヨナ」
ジジがなぜか気まずそうに声を掛けてきた
「ふぁ~なんだ?」
あまりの眠さにあくびをしながら返事をする
「なんで昨日は急にき、キスなんてしたの……?」
「……はいっ!?」
あまりに予想外な質問に眠気が吹っ飛んだ
「なんで……?」
更に圧をかけられ頭の中が動揺と恥ずかしさでパニック状態になってしまっていた
「えっ、いやーその気づけば体が動いてたっていうか……そう!不可抗力だったんだよ……!」
必死に言い訳しようとするがジジの真剣な眼差しがそれを許さない
「あんな事されたら……誤解するじゃない……」
「ご、誤解ってお前!」
意味深すぎるジジの発言に開いた口が塞がらなかった
いくらナーガルでも動物であることに変わりはない。それが人間と結ばれるなんてことは生物の理に反して……
「ヨナ、ロリコンなの……?」
「……はっ?」
これまた予想外な質問に開いた口が塞がらない
「買い物に付き合ったり、いつもリッカの言うことだけは聞くからてっきりお姉さん派なのかと思っていたのだけど……」
ヒートアップしていた脳の思考回路が急速に冷めていく……
なにを言ってるんだ?こいつは
「別にヨナは嫌いじゃないけどそういう好みがあるなら、ちょっと心の準備をさせてほしいの……」
意味の分からないジジの発言にだんだん頭が痛くなってきた
「ジジ俺はお前に性的な感情を抱いたことはないしロリコンでもない安心しろ」
なんとか誤解を解いたつもりだったのだがなぜかジジは衝撃的な顔をしていた
「や、やっぱりお姉さ、」
それ以上、喋らせぬようジジの頬を引っ張る
「ちょっ!いたい!はなひてよー!」
頬を引っ張っているせいで上手く喋れていなかった。こういう所は素直に可愛いと思う
だが、頬が腫れてしまうかもしれないので手を離した
「急に乱暴なことしないでよバカ」
別にそこまで乱暴ではなかったと思うのだが……
そんな思いも届くわけがなくジジは怒ったように手に持っていたおしるこを飲み始めた
「甘すぎる……」
分かっていたがジジの顔を見る限り相当、甘いらしい
「ヨナ、あげる」
まるで当たり前のようにジジがおしるこを差し出してきた
「いや、お前一回、口つけただろ?」
ましてやさっきキスのことで揉めていたというのに何を考えているんだこいつは……
「口つけたのがどうしたのよ?毒なんて入ってないわよ?いや、ここまで甘いと入ってるかもしれないけど……」
どうやら、俺の言いたいことが伝わっていないらしい
これ以上、間接キスだの言うと自分が惨めになってくるので仕方なく飲むことにした
(大丈夫だ、あくまでジジが飲めと言っているから飲むだけだ……)
いや、これ以上変に思い詰めると苦しくなるだけだ
何も考えず思いきっておしるこを流し込む
まるで喉にへばりつくような強烈な甘さが口いっぱいに広がる。なるほどこれなら一口目でリタイアするのも頷ける
「よ、ヨナ?別に無理しなくてもいいのよ?」
ジジが心配するなんて一体自分はどんな状態なのだろうか?
そうしていると玄関から誰か入ってくる音が聞こえた
「や、やっと帰ってきたか……」
体中が甘ったるくて気分が悪かったがなんとか玄関に向かう
するとそこにはサンタの格好をしたリッカさん『らしき』人が大きな袋を持って立っていた
「ふぉっふぉっふぉっ!良い子のみんなー!サンタガールのリッカちゃんだお!」
一体どの年齢層を目指しているのだろうか?
「悪ぃな、生憎うちの支部に良い子はいないんだ。お引き取り願おう」
そう言ってシッシッと手を払ってみせた
「あんたらのために、はよ帰ってきたんやぞー!?」
「おいおい、もう本性出しやがった……」
さっきの老人なのか女の子なのか分からない口調とは違い、いつもの関西弁に戻っていた
「ご、ゴホン……まあいいじゃよ今日は良い子の二人にとびっきりのクリスマスプレゼントを用意したのじゃよ!」
どうやら今度は完全に老人口調らしい……
にしても、プレゼントとは予想外だった。まあサンタの格好をしていた時点で疑問に思ったが
ジジを見ると意外と嬉しそうだった。俺もリッカさんがどんなプレゼントをくれるのか少し楽しみだった
しかし、そんな期待もまんまと裏切られる
「まずはジジちゃんじゃよ!ほれっ!」
リッカさんが取り出したのはとてもプレゼントとは呼べないものだった
「……なに?これ」
それを見てジジが思わず顔を歪める
「ナプキンじゃよ!ジジちゃんもそろそろ年頃じゃろ?」
誰が聞いてもわかるようなセクハラ発言だった。というかこれをプレゼントとして贈ろうと思ったリッカさんの考えが色々な意味ですごいと思った
「次は〜ヨナちゃんじゃよ!ほれほれ〜待ちきれんじゃろ〜?」
俺たちの反応を見ていないのか?と疑いたくなるような言い方だった。ジジがこれで俺へのプレゼントが素晴らしいものであるわけがない
リッカさんは再びニコニコしながら何かを取り出した 
「なんだこれ?カチューシャか?」
猫耳のカチューシャのようなものを渡された
「そうじゃよ!これでジジちゃんとお揃いじゃよ!」
「いや、すまないが支部の中だろうとこれは付けられないぞ?さすがに」
「じゃあ、外なら」
「論外だよ!」 
こんな物を付けて外を歩くくらいなら仕事をサボってニートになる方がマシだ
俺のそんな反応を見てリッカさんは反省するわけでもなくただニコニコしているだけだった……
バスを降りると日が落ちかけているためとても寒かった
するとジジが吸い込まれるようにして自販機に駆け寄り迷わずおしるこを買った
そして取り出し口から出てきたおしるこをすごく暖かそうに持ちながらこちらに戻ってきた
「それじゃまるでカイロじゃねえか」
「うるさいわね。ちゃんと飲むわよ」
本当に大丈夫だろうか?開けてもないのに甘い匂いがプンプンするおしるこに不安を募らせる
それから少し歩いて支部に着いた。中から人の気配がしないがまだリッカさんは帰ってきていないのだろうか?
「ただいま戻りましたー……やっぱりまだ帰ってねえのか」 
玄関を確認するがリッカさんの靴がなかった
「一体、なんの買い物なの?」
横にいるジジがそんな疑問を口にする
確かにそろそろ日が落ちてくるというのに本当になにをしているのだろうか?
さすがにおかしいのでリッカさんに電話を掛けることにした
ポケットからスマホを取りだし素早くリッカさんの番号にかける
『ありゃ?どないしたんヨナちゃん』
数コール鳴ったあとリッカさんが電話に出た
「ありゃじゃねえよ。なにやってるんだ?リッカさん時間わかってんのか?」
少し間を置いてリッカさんの焦った声が聞こえてきた
「えー!もうこんな時間かいな!?か、堪忍なヨナちゃんすぐ帰るわ……」
「ああ、急がなくていいから気をつけてな」
そう言って通話を切った
ジジにリッカさんが今から帰ってくることを伝えると、俺たちはリビングに行きリッカさんの帰りを待つことにした
二人でリビングのソファーに腰掛けると俺は眠くなってきたのでそのまま寝ようとした
「ね、ねえヨナ」
ジジがなぜか気まずそうに声を掛けてきた
「ふぁ~なんだ?」
あまりの眠さにあくびをしながら返事をする
「なんで昨日は急にき、キスなんてしたの……?」
「……はいっ!?」
あまりに予想外な質問に眠気が吹っ飛んだ
「なんで……?」
更に圧をかけられ頭の中が動揺と恥ずかしさでパニック状態になってしまっていた
「えっ、いやーその気づけば体が動いてたっていうか……そう!不可抗力だったんだよ……!」
必死に言い訳しようとするがジジの真剣な眼差しがそれを許さない
「あんな事されたら……誤解するじゃない……」
「ご、誤解ってお前!」
意味深すぎるジジの発言に開いた口が塞がらなかった
いくらナーガルでも動物であることに変わりはない。それが人間と結ばれるなんてことは生物の理に反して……
「ヨナ、ロリコンなの……?」
「……はっ?」
これまた予想外な質問に開いた口が塞がらない
「買い物に付き合ったり、いつもリッカの言うことだけは聞くからてっきりお姉さん派なのかと思っていたのだけど……」
ヒートアップしていた脳の思考回路が急速に冷めていく……
なにを言ってるんだ?こいつは
「別にヨナは嫌いじゃないけどそういう好みがあるなら、ちょっと心の準備をさせてほしいの……」
意味の分からないジジの発言にだんだん頭が痛くなってきた
「ジジ俺はお前に性的な感情を抱いたことはないしロリコンでもない安心しろ」
なんとか誤解を解いたつもりだったのだがなぜかジジは衝撃的な顔をしていた
「や、やっぱりお姉さ、」
それ以上、喋らせぬようジジの頬を引っ張る
「ちょっ!いたい!はなひてよー!」
頬を引っ張っているせいで上手く喋れていなかった。こういう所は素直に可愛いと思う
だが、頬が腫れてしまうかもしれないので手を離した
「急に乱暴なことしないでよバカ」
別にそこまで乱暴ではなかったと思うのだが……
そんな思いも届くわけがなくジジは怒ったように手に持っていたおしるこを飲み始めた
「甘すぎる……」
分かっていたがジジの顔を見る限り相当、甘いらしい
「ヨナ、あげる」
まるで当たり前のようにジジがおしるこを差し出してきた
「いや、お前一回、口つけただろ?」
ましてやさっきキスのことで揉めていたというのに何を考えているんだこいつは……
「口つけたのがどうしたのよ?毒なんて入ってないわよ?いや、ここまで甘いと入ってるかもしれないけど……」
どうやら、俺の言いたいことが伝わっていないらしい
これ以上、間接キスだの言うと自分が惨めになってくるので仕方なく飲むことにした
(大丈夫だ、あくまでジジが飲めと言っているから飲むだけだ……)
いや、これ以上変に思い詰めると苦しくなるだけだ
何も考えず思いきっておしるこを流し込む
まるで喉にへばりつくような強烈な甘さが口いっぱいに広がる。なるほどこれなら一口目でリタイアするのも頷ける
「よ、ヨナ?別に無理しなくてもいいのよ?」
ジジが心配するなんて一体自分はどんな状態なのだろうか?
そうしていると玄関から誰か入ってくる音が聞こえた
「や、やっと帰ってきたか……」
体中が甘ったるくて気分が悪かったがなんとか玄関に向かう
するとそこにはサンタの格好をしたリッカさん『らしき』人が大きな袋を持って立っていた
「ふぉっふぉっふぉっ!良い子のみんなー!サンタガールのリッカちゃんだお!」
一体どの年齢層を目指しているのだろうか?
「悪ぃな、生憎うちの支部に良い子はいないんだ。お引き取り願おう」
そう言ってシッシッと手を払ってみせた
「あんたらのために、はよ帰ってきたんやぞー!?」
「おいおい、もう本性出しやがった……」
さっきの老人なのか女の子なのか分からない口調とは違い、いつもの関西弁に戻っていた
「ご、ゴホン……まあいいじゃよ今日は良い子の二人にとびっきりのクリスマスプレゼントを用意したのじゃよ!」
どうやら今度は完全に老人口調らしい……
にしても、プレゼントとは予想外だった。まあサンタの格好をしていた時点で疑問に思ったが
ジジを見ると意外と嬉しそうだった。俺もリッカさんがどんなプレゼントをくれるのか少し楽しみだった
しかし、そんな期待もまんまと裏切られる
「まずはジジちゃんじゃよ!ほれっ!」
リッカさんが取り出したのはとてもプレゼントとは呼べないものだった
「……なに?これ」
それを見てジジが思わず顔を歪める
「ナプキンじゃよ!ジジちゃんもそろそろ年頃じゃろ?」
誰が聞いてもわかるようなセクハラ発言だった。というかこれをプレゼントとして贈ろうと思ったリッカさんの考えが色々な意味ですごいと思った
「次は〜ヨナちゃんじゃよ!ほれほれ〜待ちきれんじゃろ〜?」
俺たちの反応を見ていないのか?と疑いたくなるような言い方だった。ジジがこれで俺へのプレゼントが素晴らしいものであるわけがない
リッカさんは再びニコニコしながら何かを取り出した 
「なんだこれ?カチューシャか?」
猫耳のカチューシャのようなものを渡された
「そうじゃよ!これでジジちゃんとお揃いじゃよ!」
「いや、すまないが支部の中だろうとこれは付けられないぞ?さすがに」
「じゃあ、外なら」
「論外だよ!」 
こんな物を付けて外を歩くくらいなら仕事をサボってニートになる方がマシだ
俺のそんな反応を見てリッカさんは反省するわけでもなくただニコニコしているだけだった……
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