青いガーネット

りえぽち

青いガーネット

古ぼけた本
ほこりをかぶった古い本。

手に取ってみる。

タイトルは青いガーネット。

ガーネットって赤紫の石だよな。。。

開いてみる。。。

ホームズの推理小説だったかな。

すべて英語で辞書がいるよな。。。

どんな話だったっけ。。

思い出してる間に、よみがえる思い出。。。

まださむい頃、冬休みのさむい頃。

君はもう大人で、ぼくを知らなくて。

ぼくは君を遠くからみていることしかできなくて。。。

おぼろげな姿は存在するはずのない、青いガーネットのように儚い色にみえた瞬間、君は姿を消した。

あれ。。。

で、この本を本屋で見つけて読んだっけ。。。

ぼくの気持ちとはおよそ関係のない、推理小説だったんだけど、タイトルにひかれて買ったっけ。。。

いつか、君がぼくの目の前にまたあらわらたら、この本を一緒に読みたいな。

おんなじ時間を過ごして、同じ音楽を聞いて、のんびりして。

笑いあって、やさしい時間が流れて。。。

ん。。。

目を落とすと、「青いガーネット」がほこりをかぶったまま、ぼくの手もほこりで少しよごれてる。。

心臓を締め付けるような間隔。

なんだろう。。。

気づくと涙が溢れてた。。。

あの日の、気持ちはぼくのなかにずぅっと埋まってて、深い部分に根をはってずぅっと時間を過ごしていたんだ。。。

「どうしたんですか?」

遠い記憶に残る声がして、振り返る。

それでも君は。。。

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