異世界魔女は気まぐれで最強です。
はじめての実戦?
アサミたちが旅立つ朝がやってきた。
アサミは自分の聖遺物を首から下げ、腰に小さなバックをつけている。
このバックは、魔女からの選別で容量を超えて大量に物を入れる事ができる魔法のカバンだ。
ピアスとタトューにもカバンは渡されており、荷物は全てその中にしまわれている。見送りには現在の魔女、フィナ、バルカスが来てた。
「アサミ、忘れ物はない?食料や武器はしっかり持った?ピアス、タトュー、アサミをしっかり守るのよ。」
「もう、フィナさんそんなに心配しないでくださいよ。2人もいるししっかり背中を押してください。」
「しっかり守るから安心してください。フィナ様。」
「俺たちの力を使えば遅れをとることはありませんよ!俺もタトューもバルカス様の指導を受けてるんですから。」
「お前たちはまだまだ発展途上だ。だから、この旅で大きく成長することになるだろう。だが、無理だけはするなよ。」
「別れは大方済んだかしら?じゃあ、最後に私から。前に用意すると言った従魔よ。ティク、トクにより捕獲されたスライムを調教してアサミを守るようにしておいたわ。連れて行きなさい。」
魔女様の陰から呼び出され姿を現したのは、人と同じくらいの大きさになったスライムだった。
灰色をしたスライムがプルプルと震えながら形を保ち、魔女の言葉を聞いてアサミの陰へ入っていく。
「このスライムにも特殊な力を与えておいたから、そこらの魔物とは格段に違う強さを持つわ。さあ、行って来なさい。」
こうして、アサミたちの旅は始まった。
アサミたちが向かおうとしているのは、東の国:イダン。
貿易が盛んで入り組んだ海岸線を持つため、海産物が豊富に取れる。
また、中央領域に次ぐ豊かな土地を持つため魔物による被害が絶えない国でもある。
「で、なんではじめにイダンに向かうの?」
「人がたくさん集まっていて、経済も豊か。おまけに魔物が多くいることもあって、冒険者ギルドが多数イダンにはあるんだ。予定では、イダンで冒険者登録をして身分証明出来るようにギルドカードを発行してもらうつもり。そして、旅の資金稼ぎのためにお金を稼ぎつつ情報を集めると言う感じだな。」
「ピアスって見た目によらず真面目だよね。色んなこと知ってるし、よく考えてる。」
「ピアスは頭いいよ。身体中にピアス付けてるのは戦闘スタイルのせいだし。基本優等生。」
「タトューからかうなよ。俺はそんなんじゃないからな。変に真面目なとこもあるかもしれないけど、優等生じゃないし!」
あ、そこを否定したいのね。
私的に、恥ずかしがって頬を染めてるあたりとか案外かわいいかも。
中央領域の首都から旅に出たアサミたちは、イダンに入る前に東にある村に向かっていた。
道のりにして一週間の距離だ。
その村が中央領域の中で一番東に位置しており、それより1日ほど行けば「東の国:イダン」の国境となる。
「アサミ、歩きながら薬草とかしっかり集めてくれよ?食料は十分にあるけど、あって困ることはないからな。」
「オッケー!結構すでに集めてるけどね。」
「二人ともはしゃぎ過ぎ。こんな調子で歩いてると、予定より時間かかる。」
タトューがテンション高めな二人に対して軽くツッコミを入れると、自分の服をめくりお腹を出し始めた。
「ちょ!タトュー!!!」
「出てこい。トディス。」
タトューが見せた腹部に描かれていた刺青が光だし、刺青が動き大きな狼が姿を現した。
「これが俺の力。刺青に使い魔を入れて使役してる。ちなみに、使い魔は4体いる。」
アサミは見上げるほどに大きな狼に、タトューの話が半分しか入ってこなかった。
「すごいね。こんな大きいのがこんな小さなとこに、、、。」
「いや、あくまでも契約の媒体なだけで、俺の中にいるわけじゃないから。」
タトューに意識を戻したアサミが、少し恥ずかしがりながら腹部をそっと触ると触られたタトューも、少し赤くなる。
「お前ら、俺を置いてイチャイチャするな!トディスに運んでもらうつもりで呼んだんだろ。さっさといくぞ!」
ピアスが少し膨れ顔で呼び寄せ、トディスに3人で乗って走り出した。
3人で乗っているのに、狭くは感じないほどにこの狼は大きい。
走るスピードも早く、走った地面は砂埃を小さく起こしてえぐれていく。
そうして休憩を挟みつつ夕方になるまで進み、村まで半分ほどの位置にまで来ていた。
「今日はここで休むことにするか。タトュー、テントを立てるぞ。アサミは火を起こしといてくれ。」
ピアスの指示で、二人も動き出す。
バックから取り出したテントを男二人が立て始め、アサミがバックから取り出した簡易かまどに火を起こし始めた。
「ねーぇ。思ってたより魔物っていないんだね。トディスに乗ってたとは言え、魔物に出会えなかったし、少しはじめての実戦を楽しみにしてたのに。」
「アサミはもう少し考えてから物を言った方がいいぞ。トディスはかなりの戦闘能力を持った魔物だし、走った速度もアサミが思ってるよりも早いぞ。村まで一週間かかるところを、すでに半分くらいまで来てるし、明日には村につけると思う。それと、中央領域の首都近くならまだしも、外の方にいるような力の弱い魔物が何も考えず手を出そうとするわけがないだろ。」
「トディスは俺が契約してる魔物の中でもトップクラス。連れてきてる奴らの中なら力と速さ、バランス取れたやつ。」
アサミが火を起こし、二人がテントを立て終え、料理を作っていると匂いに誘われてなのかクマの魔物が茂みから現れた。
「やっと出てきたか。トディスがいなくなってから、こっそり様子を見てたみたいだったけど。」
「さっさと倒して食事にする。こいつも食べるか?」
どうやら二人は気がついていた様子。
タトューに関しては食べる気でいるし。
そんな風に気の緩んでいる会話に、クマが痺れを切らし飛びかかろうと動き出すのであった。
アサミは自分の聖遺物を首から下げ、腰に小さなバックをつけている。
このバックは、魔女からの選別で容量を超えて大量に物を入れる事ができる魔法のカバンだ。
ピアスとタトューにもカバンは渡されており、荷物は全てその中にしまわれている。見送りには現在の魔女、フィナ、バルカスが来てた。
「アサミ、忘れ物はない?食料や武器はしっかり持った?ピアス、タトュー、アサミをしっかり守るのよ。」
「もう、フィナさんそんなに心配しないでくださいよ。2人もいるししっかり背中を押してください。」
「しっかり守るから安心してください。フィナ様。」
「俺たちの力を使えば遅れをとることはありませんよ!俺もタトューもバルカス様の指導を受けてるんですから。」
「お前たちはまだまだ発展途上だ。だから、この旅で大きく成長することになるだろう。だが、無理だけはするなよ。」
「別れは大方済んだかしら?じゃあ、最後に私から。前に用意すると言った従魔よ。ティク、トクにより捕獲されたスライムを調教してアサミを守るようにしておいたわ。連れて行きなさい。」
魔女様の陰から呼び出され姿を現したのは、人と同じくらいの大きさになったスライムだった。
灰色をしたスライムがプルプルと震えながら形を保ち、魔女の言葉を聞いてアサミの陰へ入っていく。
「このスライムにも特殊な力を与えておいたから、そこらの魔物とは格段に違う強さを持つわ。さあ、行って来なさい。」
こうして、アサミたちの旅は始まった。
アサミたちが向かおうとしているのは、東の国:イダン。
貿易が盛んで入り組んだ海岸線を持つため、海産物が豊富に取れる。
また、中央領域に次ぐ豊かな土地を持つため魔物による被害が絶えない国でもある。
「で、なんではじめにイダンに向かうの?」
「人がたくさん集まっていて、経済も豊か。おまけに魔物が多くいることもあって、冒険者ギルドが多数イダンにはあるんだ。予定では、イダンで冒険者登録をして身分証明出来るようにギルドカードを発行してもらうつもり。そして、旅の資金稼ぎのためにお金を稼ぎつつ情報を集めると言う感じだな。」
「ピアスって見た目によらず真面目だよね。色んなこと知ってるし、よく考えてる。」
「ピアスは頭いいよ。身体中にピアス付けてるのは戦闘スタイルのせいだし。基本優等生。」
「タトューからかうなよ。俺はそんなんじゃないからな。変に真面目なとこもあるかもしれないけど、優等生じゃないし!」
あ、そこを否定したいのね。
私的に、恥ずかしがって頬を染めてるあたりとか案外かわいいかも。
中央領域の首都から旅に出たアサミたちは、イダンに入る前に東にある村に向かっていた。
道のりにして一週間の距離だ。
その村が中央領域の中で一番東に位置しており、それより1日ほど行けば「東の国:イダン」の国境となる。
「アサミ、歩きながら薬草とかしっかり集めてくれよ?食料は十分にあるけど、あって困ることはないからな。」
「オッケー!結構すでに集めてるけどね。」
「二人ともはしゃぎ過ぎ。こんな調子で歩いてると、予定より時間かかる。」
タトューがテンション高めな二人に対して軽くツッコミを入れると、自分の服をめくりお腹を出し始めた。
「ちょ!タトュー!!!」
「出てこい。トディス。」
タトューが見せた腹部に描かれていた刺青が光だし、刺青が動き大きな狼が姿を現した。
「これが俺の力。刺青に使い魔を入れて使役してる。ちなみに、使い魔は4体いる。」
アサミは見上げるほどに大きな狼に、タトューの話が半分しか入ってこなかった。
「すごいね。こんな大きいのがこんな小さなとこに、、、。」
「いや、あくまでも契約の媒体なだけで、俺の中にいるわけじゃないから。」
タトューに意識を戻したアサミが、少し恥ずかしがりながら腹部をそっと触ると触られたタトューも、少し赤くなる。
「お前ら、俺を置いてイチャイチャするな!トディスに運んでもらうつもりで呼んだんだろ。さっさといくぞ!」
ピアスが少し膨れ顔で呼び寄せ、トディスに3人で乗って走り出した。
3人で乗っているのに、狭くは感じないほどにこの狼は大きい。
走るスピードも早く、走った地面は砂埃を小さく起こしてえぐれていく。
そうして休憩を挟みつつ夕方になるまで進み、村まで半分ほどの位置にまで来ていた。
「今日はここで休むことにするか。タトュー、テントを立てるぞ。アサミは火を起こしといてくれ。」
ピアスの指示で、二人も動き出す。
バックから取り出したテントを男二人が立て始め、アサミがバックから取り出した簡易かまどに火を起こし始めた。
「ねーぇ。思ってたより魔物っていないんだね。トディスに乗ってたとは言え、魔物に出会えなかったし、少しはじめての実戦を楽しみにしてたのに。」
「アサミはもう少し考えてから物を言った方がいいぞ。トディスはかなりの戦闘能力を持った魔物だし、走った速度もアサミが思ってるよりも早いぞ。村まで一週間かかるところを、すでに半分くらいまで来てるし、明日には村につけると思う。それと、中央領域の首都近くならまだしも、外の方にいるような力の弱い魔物が何も考えず手を出そうとするわけがないだろ。」
「トディスは俺が契約してる魔物の中でもトップクラス。連れてきてる奴らの中なら力と速さ、バランス取れたやつ。」
アサミが火を起こし、二人がテントを立て終え、料理を作っていると匂いに誘われてなのかクマの魔物が茂みから現れた。
「やっと出てきたか。トディスがいなくなってから、こっそり様子を見てたみたいだったけど。」
「さっさと倒して食事にする。こいつも食べるか?」
どうやら二人は気がついていた様子。
タトューに関しては食べる気でいるし。
そんな風に気の緩んでいる会話に、クマが痺れを切らし飛びかかろうと動き出すのであった。
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