短編

thruu

3.

 それは星々の中に音もなく吸い込まれていった。

 そしてはっとした表情で、僕を見た。

「いや、君は確かに言ったさ。私達は終わりを見つめながら始めるんだと。これが、世界を変える、全てのはじまりだった。とね」

 僕はボスを見上げてため息をつく。

「それで、手を貸してくれるんですか」

 ボスは肩をすくめて頷いた。

 僕達は2人して、列車から飛び降りる。風に押されるように後ろに流れていく。列車に乗っていた数人は驚いて僕達を目で追い、誰も気が付かない追いかけてくる闇に気が付いて悲鳴を上げている。けれどそれは星が落ちる歓声にかき消されてしまう。

「あいつらを捕まえるんだ!」

 ボスは一番高い場所を飛ぶ奴をゆびさす。2人とも上空を目指して飛んでいく。途中であの時代遅れのパラシュートのようなものをつけた奴が何度も行く手を邪魔したけれど、僕もボスも余裕でよけていく。

 最後には、一番上の時間軸を捕まえている奴を羽交い絞めにすると、そのままブラックホールに突っ込んでいく。

 みればボスも同じだった。

「次はどこで会うかな!」

 そう言って、まるでドライブを楽しむように大きな歓声を上げている。僕は少し笑ってボスに手を振った。

「未来で」

 その声は聞こえなかっただろう。暗闇に吸い込まれていく時、最後に見えたのは、列車が無事に遠ざかっていくところだった。

 他の星々と同じように薄青い空に、白い線を描いて。


ーおしまいー

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