私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!

ちょこぱい

2人だけの時間

 
 「・・・錬太郎」

 「・・・・錬太郎」

 声が聞こえ、眠りから僅かに覚醒したのがわかった。

 (・・・誰か呼んでる) 

 「・・・錬太郎」

 咲良?

 目を開けて、頭を起こそうすると、手で目を塞がれて頭を押さえ付けられた。

 「起きないで・・目も開けちゃだめ」

 呼吸するたびに鼻に入ってくる空気が全部、シャンプーの良い香りがする。

 押さえ付けられてるはずの頭も、柔らかい太股の上だと分かった。

 恐らくオレが寝ている間に、膝枕をしてくれていたようだ。

 オレが抵抗しないと分かったのか、目を塞いでいた手をどけた。でも、なんだかここまま、目を閉じたままでいたかった。

 「まつ毛長いんだね」

 「そうか?」

 「肌も綺麗」

 「気にしたことない」

 「ティアちゃんの時は、ごめんね」

 「もう忘れたよ」

 「・・・・・・・・・・・・」

 どれくらい沈黙が続いただろう、寝ちゃったのかな・・・

 「咲良?」

 心残りだが、目を開けた。

 ッ!!!

 咲良の顔が目の前にあった。

 視線があった。

 「開けちゃダメって言ったのに、バカ錬太郎」

 ゆっくり唇が重なった。

 「・・・好き」

 時間が一瞬止まったきがした

 そして、部屋の扉が勢いよく開いた。

 「お邪魔しまーす!、咲良いるーー?」

 膝枕から勢いよく落とされるオレ!神様のバカッ!

 「レ、レイカどうしたの!?」

 咲良は、勢いよく立ち上がると、不自然な普通を装った。

 お前も、お邪魔ったかしら!みたいな表情やめろ!キスしてたところを見られた訳じゃなさそうだけど、めちゃくちゃ恥ずかしい。

 「お昼御飯だけど・・・2人分だけこっち持ってこさせようか?」

 からかい上手のレイカさん

 「だ、大丈夫!みんなと食べるから!」

 咲良はレイカを連れて部屋から出ていった。

 ガウの寝息だけが聞こえた。もう少しあの時間が続いて欲しかったな。

 返事・・・・・・返せなかった。

 また言う機会があるだろう。

 ガウを起こして、食堂へ向かった。

         ☆

 ーーーその時は、咲良がいなくなるなんて、思いもしていなかった。



 
 
 

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