私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!

ちょこぱい

遊園地へのチケットは、こいつだ!





 コンタッキー研究所、広大な敷地に様々な研究施設や実験棟が立ち並び多国籍企業が出資して運用している。その研究や実験内容は極秘とされているが、評判や噂で良いことは聞かない。


 研究所にしては大袈裟すぎる軍事施設さながらの警備体制が、実験・研究がヤバイ事だと証明していた。


 研究所を見下ろす小高い丘に、錬太郎れんたろうの姿があった。


 「咲良のヤツ、人を馬の鼻先にぶら下げた、人参か何かと間違えてるんじゃないか?」


――――――――


 「錬太郎は前から突っ込んで奴等を出来るだけ引き付けて!その間に、私達が反対側から侵入して、お母さんを助け出から」


 両手を腰に当てどや顔をされたが、俺の負担半端ないんですが・・・


 ため息をした錬太郎の元にティアがやって来た。


 「錬太郎お兄ちゃん、・・・ごめんなさい」


 錬太郎のズボンの端を、うつ向いたティアの小さな手が掴んでいた。


 錬太郎はティアと同じ目線になるとマッチ棒のような腕を掴んだ。


 「・・ティアちゃん、俺に任せろ!帰ってきたら、デートしっ!!!」物凄い殺気を感じた。ティアの後ろで仁王立ちし、鋭い目線をした咲良さくらから「それ以上言ったら殺すわよ」という声が聞こえそうだった。


 咲良は錬太郎からティアを奪い返した。


 「帰ってきたら、みんなで遊園地行こっ!お母さんも誘って!みんなで行こう!」


 「うん!ティア頑張る」


 「錬太郎は頑張り次第で考えてあげるわ」


 咲良とティアは顔を見合わせると、大きな笑い声が響いた。


―――――――――――


 錬太郎は普段見せないような真剣な顔で、研究所を見下ろしていた。特殊鋼で作られた手甲てっこうを装着し、深く深呼吸をした。


 「始めるぜ!」


 大きくジャンプし研究所の敷地内に、花火のような衝撃音と共に降り立った。腰を抜かす隊員や衝撃波で吹き飛ばされる人や車両。警報が鳴り響き、蜂の巣を刺激したかにように、戦闘員が集まってきた。


 錬太郎は着地の姿勢からゆっくりと体を起こした。


 「悪いな・・・・ティアちゃんとデートの為だ、派手にいかせてもらうぜ」


 一斉に銃声が鳴り始め、銃弾の雨が錬太郎へ降り始める。錬太郎は地面を滑るように移動し銃弾の雨をかわしながら、敵との距離を詰め次々と戦闘員を倒していく


 「こ、こいつ!なんて速さで動くんだ!もっと増援を呼べ!」


 今度は、上空にジャンプした錬太郎は拳を力強く握り直すと、拳は青白い光を纏った。そして、地上に向かってパンチの雨を降らすと、まるで巨大なハンマーが空から降ってきたかのように、地上に大きな穴が、建物は壁が碎け散った。


 「戦車を前に出せっ!」


 「ただの研究所なのに、戦車まで持ってるのかよ!」


 建物の角からキャタピラ音を轟かせながら、圧倒的な破壊力を持った戦車が姿を見せた。


 砲塔が上空で浮いている錬太郎に照準を決めると、砲塔が轟音と共に火を吹いた!


 「っく!」砲弾は、一ミリも狂いもなく錬太郎の腹に飛び込んだ!


 辛うじてお腹に当たる手前で、受け止めたが砲弾の勢いで後方へ押される錬太郎、砲弾の回転で手からは煙が出ていた。


 「アチィィィィィ!」


 なんとか砲弾の勢いを抑えた錬太郎は、受け止めた砲弾を戦車へ、投げつけた!


 豪速球で投げられた砲弾は、鋼鉄の鎧に穴を空け、爆発して炎に包まれた。


 「くっ!バケモノめ!構わん!!撃て撃て!・・・・(無線が入る)了解しました。距離を保ちつつ後退する!A-22へ誘い込む!」


 辺りの兵士や戦車が錬太郎から距離を取り始めた。


 錬太郎は何か仕掛けてくる気配を感じたが、敵の誘いを受けることにした。罠があるなら、それも破壊した方が、もっと自分に注意が向き、咲良達が動きやすくなるだろうと思ったからだ。


 誘い込まれたフリをするため適度に相手をして、辿り着いた場所は、野球場が10個は入りそうなアスファルトの地面と、遠目に確認できる、かまぼこ形の格納庫だった。


 錬太郎が格納庫と向かい合うように、兵士と車両は左右に別れた。


 今までの騒々しさが嘘のように、辺りは静まり返り、錬太郎は格納庫を睨んだ。


 「・・・何か、いるな」


 錬太郎は手甲を締め直した。


 「オォォォォォォォォォ!」


 「ドォン!ドォン!」


 戦車の砲弾をも跳ね返しそうな、格納庫の重厚で巨大な扉の表面が、大きな音と共に盛り上がった。


 そして、もう格納庫の扉はその役割を終えようとしていた。


 「オォォォォォォォォォォォォォォオオォ」


 扉を蹴り飛ばし、雄叫びを上げながら姿を表したのは・・


 その姿は、まるで神話に出てくる、1つ眼の巨人サイクロプスそのままだった。


 ・・・・心臓が激しく脈打つ、全身の血管に流れる血液の速度が上がってくる。


 「・・・・咲良、こいつ倒したら、俺も遊園地、確定で良いよな?!」




















 

「私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く