私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!
私も一緒に行く!
「グォォォォォォォォォォォォォ」
男達は唸り声を出すと、徐々に体は熊に変化していった。その姿は4メートルを越えるコディアックヒグマ人間だ。その巨体から振り下ろされる腕はまるで巨大なショベルカーが襲ってくるみたいだ。
だが、相手が悪かった!ミーシャに襲い掛かった3匹は鋭い爪で力任せに殴っているが、悉く槍で受け止められている。竜族のミーシャにしたら熊クラスのパンチなど、チワワに襲われてる位にしかならないみたいだ。
レイカに襲い掛かろうとした2匹は、動き出した瞬時、アマラスの斬撃を受け瞬間冷凍され戦闘不能。
咲良と対峙した5匹に至っては、もはやサーカスの美人調教師と熊人間だ。
バチィーーーーーン!!「ぐぉぉぉ!」
咲良が持っている炎の鞭は、ヤローアイオスの鞭だ。これで生き物を叩けば、どんな事でも言うことを聞くようになる。
バチィーーーーーン!!「ぐぉ!」
「アハハハハハハ、悪いクマさんね!」
バチィーーーーーン!バチィーーーーーン!バチィーーーーーン!バチィーーーーーン!
5匹とも体を寄せ合い、耳は垂れ、目は怯えきっている、こちらも戦闘不能になった。咲良さん!目がイっちゃってます・・・今の状況から見たら絶対に俺らが悪者側って思われそうだ。
さて、こっちは終わるけど、非常扉の陰で隠れてる方はどうするのかな?
――――――――非常階段
「あの2人は、レベル4の宝生 咲良と星月 レイカじゃない!? もう一人の女は誰?それに、サンプルの近くにいる男も、この街の情報には登録されていない奴だわ・・・・」
いとも簡単に改造人間・熊型達を倒してしまった4人に、動揺を隠せない白衣の女は非常階段を下がりながら携帯電話を取り出した。
「私よ、サンプルの回収は失敗したわ、・・・邪魔が入ったのよ!取り合えず戻るから」
通話を切ると、停めてある車に乗り込んだ。
「ちっ!ワタシの責任じゃないわよ」
――――――――
力の暴力によって逃げ出した熊人間達と、物足りなそうな咲良達は傷付いた少女の元へやって来た。
「7、8歳位かしら、可愛い女の子ね」
「ひどい傷、こんな小さな子をこんなになるまで・・・」
咲良が呼んだ救急車に少女を乗せると、俺も一緒に救急車に乗った。
「錬太郎!?」
咲良が心配そうな顔で駆け寄ってきた。
「私も一緒に行く!」
  「・・・大丈夫、意識が戻るまで指一本触れさせない、明日病院で待ってる」
「でも・・・・・・うん、分かった」
扉が閉まりサイレンを鳴らして出発した救急車を、咲良達は心配そうに見送った。
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