私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!
さぁ!掛かってきなさい
嫌な予感がする。店の従業員に頼もう。
「・・・反対側にも自販機あったよな」
Uターンしようとした時、少女の後ろの非常扉が開き、サングラスをした大男が1人、扉の縁を潜るように入ってくると、近くにいた俺に気付いて顔を向けたが、直ぐに少女の腕を掴み引きずるようにして、また非常扉から出ていこうとした。
そうなると黙って観てられないわな!
「ちょっといいですか、知り合いなのかも知れませんが、そんな連れて行き方はないと思います」
男は止まってこっちを振り向くと、黙ってまた少女を引きずり出ていこうとした。
錬太郎は一気に距離を詰めると男の腕を掴んだ。
「待って下さっ!!!!」
拳が顔に飛んできた。素早くしゃがみむと、男の腹にパンチを入れると、少女を掴んだ手を離しよろめきながら後ろへ下がった。
へぇー、普通の人間ならこのパンチで意識を失う位の威力だけど・・・人間じゃないか。
サングラスを外すと獣の鋭い瞳が錬太郎を捉えた。そして、姿勢を低くし突撃姿勢から飛び込んでキタ!
鋭い爪が生えた大きな手から繰り出される攻撃のラッシュを、錬太郎は後退しながら冷静に躱す。次の瞬時、錬太郎の残像を切り裂いたと同時に、男の背後に現れた錬太郎は後頭部に蹴りを当てた。その勢いのまま壁に頭が突き刺さり動かなくなった。
「・・なんだよ、仲間がいたのか」
振り返ると同じような体格の大男が3人戦闘態勢を取っていた。
「同時に掛かってきな、早くしねぇとおっかねぇお姉さん達が来ちゃうぞ」
「がぁっっっっっっっっっっっぁ」大男達が突撃姿勢を取った。
錬太郎も構えた時だった、錬太郎の背後から耳を何かが掠めて大男の胸に突き刺さり、そのまま吹き飛び壁にくし刺しになった。ミーシャの槍ブリューナクだ。
「誰が怖いですって!」
「熊族っぽい?」
「錬太郎!どうしたの!?」
咲良達が帰りの遅い荷物係を迎えにきた。
「どうしたのって・・・人間として容認出来ない事を注意したら、襲ってきたから戦闘になった」
「・・・後でちゃんと説明してよね」
「お喋りは後で、団体さんが来たわよ」
非常扉から続々と大男が入ってきて10名が咲良達を囲んだ。
「咲良達といると楽しい事がいっぱいだね」槍を呼び戻して構え直すミーシャ。
「楽しくないわよ!!なんで何時もこうなるのよ!錬太郎のお馬鹿!」宝剣アマラスを召喚するレイカ。
「全部錬太郎のせい!後でお仕置きだかんね」黒炎の女神になる咲良。
善いことをしたはずなのにこれだ!不幸だ!取り合えず、彼奴らは3人に任せて、子供を巻き込まれないように避難させよう。
錬太郎は少女を抱えると咲良達の後ろに付いた。
「さぁ掛かって来なさい!!」
「グォォォォォォォォォォォォォ」
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